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第6章 風雲志太家編
77.将軍就任式
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葬儀から数日後、継晴の将軍就任式が開かれた。
それに伴い、各国の大名たちが再び三浦宮御所に集まっていた。
先日の祐晴の葬儀に続いてではあったものの、各地の大名たちがこうして集まるなど滅多には無い出来事である故に、相変わらず皆が緊迫した空気であったという。
義政
「これより、三浦継晴様の将軍就任式を始めさせていただきます。」
義政の挨拶により、就任式が開始した。
大名たちは皆が神妙な顔つきで挑んでいた。
やがて、装束を身に纏った継晴が大名たちの前に現れた。
将軍家の象徴とも言っても過言では無いほどにまで豪華な装束姿に大名たちは圧倒されていた。
代々の将軍は、こうして身分の違いを見せ付ける為にもあえて豪華絢爛な装束を身に纏っていたと言われており、大名たちは見事なまでに打ちのめされていったようである。
そして継晴は大勢の大名たちの前に立ち、非常に通った声を出した。
継晴
「余が第十四代将軍、三浦継晴である。皆の者よ、幕府を盛り立てるべくこれからもよろしく頼むぞよ。」
「ははっ。」
その瞬間、大名たちは皆が頭を深々と下げて継晴に対して敬意を表していた 。
継晴
「そこで、幕府を盛り立てる為にも必要なお触れをこれより余が出す。皆の者よ、心して聞かれよ。」
継晴が出したお触れとは次のような内容であった。
①大名同士の争いを十年間禁止する
十年の間に、大名が他国への侵略を行う事を禁じる。
違反した大名家は将軍家の不忠者とみなされ、御家の取り潰しが行われる。
もし、これに対して抵抗した場合は幕府が「討伐」という名目のもとで各地の大名家に兵を挙げさせて対象の大名家を滅ぼさせるべく主命が与えられる。
無論、将軍守護職に就いている志太家も例外ではなく、違反した大名家に対しては容赦無く処断を下すものとする。
これは、国力規模に関係なく問題を起こした大名家は徹底的に潰される可能性も充分に有り得るという事を意味している。
②各国で得た収益の一部を幕府へ上納する事を義務付ける
これまで将軍家への上納は、将軍守護職に就いている大名家や、将軍家の縁戚となる大名家など将軍と密接な関係にあった大名家のみが行っていた。
今後は、各国の大名家からも収益の一部を上納させる言わば税金の制度を設けるといった内容。
これは、全国の収益を安定的に幕府が得るという事で国力の維持を図ろうとする狙いがあったようである。
継晴
「以上のことを本日より守っていただく。よろしいな?」
継晴は堂々たる態度で大名たちに言った。
「ははっ、継晴様の仰せのままに。」
大名たちは皆が声を揃えてそう言った。
継晴に対して異を唱える大名は誰一人として居なかった。
それもそのはず、将軍という幕府の最高権力者に異を唱える事などは誰も出来はしなかったのである。
その後、就任式の儀式はつつがない進行で伝統に従って無事に終了した。
就任式を終え、自国へ帰還しようとする大名家たちは皆が気が気ではない表情をしていた。
祐藤もまた、その中のうちの一人であった。
祐藤
「お上の仰せのままに、か…」
祐藤はそう呟きながら御所を後にした。
それに伴い、各国の大名たちが再び三浦宮御所に集まっていた。
先日の祐晴の葬儀に続いてではあったものの、各地の大名たちがこうして集まるなど滅多には無い出来事である故に、相変わらず皆が緊迫した空気であったという。
義政
「これより、三浦継晴様の将軍就任式を始めさせていただきます。」
義政の挨拶により、就任式が開始した。
大名たちは皆が神妙な顔つきで挑んでいた。
やがて、装束を身に纏った継晴が大名たちの前に現れた。
将軍家の象徴とも言っても過言では無いほどにまで豪華な装束姿に大名たちは圧倒されていた。
代々の将軍は、こうして身分の違いを見せ付ける為にもあえて豪華絢爛な装束を身に纏っていたと言われており、大名たちは見事なまでに打ちのめされていったようである。
そして継晴は大勢の大名たちの前に立ち、非常に通った声を出した。
継晴
「余が第十四代将軍、三浦継晴である。皆の者よ、幕府を盛り立てるべくこれからもよろしく頼むぞよ。」
「ははっ。」
その瞬間、大名たちは皆が頭を深々と下げて継晴に対して敬意を表していた 。
継晴
「そこで、幕府を盛り立てる為にも必要なお触れをこれより余が出す。皆の者よ、心して聞かれよ。」
継晴が出したお触れとは次のような内容であった。
①大名同士の争いを十年間禁止する
十年の間に、大名が他国への侵略を行う事を禁じる。
違反した大名家は将軍家の不忠者とみなされ、御家の取り潰しが行われる。
もし、これに対して抵抗した場合は幕府が「討伐」という名目のもとで各地の大名家に兵を挙げさせて対象の大名家を滅ぼさせるべく主命が与えられる。
無論、将軍守護職に就いている志太家も例外ではなく、違反した大名家に対しては容赦無く処断を下すものとする。
これは、国力規模に関係なく問題を起こした大名家は徹底的に潰される可能性も充分に有り得るという事を意味している。
②各国で得た収益の一部を幕府へ上納する事を義務付ける
これまで将軍家への上納は、将軍守護職に就いている大名家や、将軍家の縁戚となる大名家など将軍と密接な関係にあった大名家のみが行っていた。
今後は、各国の大名家からも収益の一部を上納させる言わば税金の制度を設けるといった内容。
これは、全国の収益を安定的に幕府が得るという事で国力の維持を図ろうとする狙いがあったようである。
継晴
「以上のことを本日より守っていただく。よろしいな?」
継晴は堂々たる態度で大名たちに言った。
「ははっ、継晴様の仰せのままに。」
大名たちは皆が声を揃えてそう言った。
継晴に対して異を唱える大名は誰一人として居なかった。
それもそのはず、将軍という幕府の最高権力者に異を唱える事などは誰も出来はしなかったのである。
その後、就任式の儀式はつつがない進行で伝統に従って無事に終了した。
就任式を終え、自国へ帰還しようとする大名家たちは皆が気が気ではない表情をしていた。
祐藤もまた、その中のうちの一人であった。
祐藤
「お上の仰せのままに、か…」
祐藤はそう呟きながら御所を後にした。
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