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第7章 天下分け目の大決戦編
35.忖度
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三浦宮御所を後にした祐藤は、そのまま創天御所へと向かった。
そこで、今回の桐丘城下への攻撃を行った事と先程の継晴に対して将軍の座から離脱するよう要請した旨の内容を創栄大神に報告していた。
祐藤
「我が志太家としての動向は以上にございます。大神様、どうか御判断をお願い申します。」
祐藤の報告を聞いた創栄大神は、難しげな顔をして言った。
創栄大神
「祐藤殿よ、聞けば此度は派手な手を用いたようであるが…それに対してはどうお思いであるか?」
創栄大神は、桐丘城下への攻撃に対して苦言を呈していた。
大神は、創天国に住まう全ての民の幸せを願うべき存在。
誰一人とて民であらば不幸にさせてはならぬ、と言う信念がそこにはあった。
しかし、志太家の作り出した地獄式爆弾という兵器によって桐丘城下の何の罪も無い民たちの命が一瞬にして奪われたのである。
そのようなおぞましき出来事を目の当たりにした創栄大神は、言葉を詰まらせていた。
すると祐藤は、頭を深々と下げて創栄大神に対して口を開いた。
祐藤
「大神様、大変申し訳ございませぬ。此度の件は、三浦将軍家を退ける為にはやむ無しと拙者が判断致しました。しかし、戦の無き泰平の世を造る為故の犠牲であることをどうか御理解いただきたく存じます。」
祐藤は、あくまでも今回の桐丘城下への攻撃は今後の泰平の世を築く過程において必要であったという旨を伝えた。
いつの世も大量殺戮の行為は、決して肯定されるべき事では無い。
しかし、綺麗事を述べているだけではいつまで経っても何も解決は出来ない。
その為には、このタブーと言っても良い掟を誰かが破る必要があった。
祐藤は、その役をあえて自身が買って出る事に対しての葛藤を創栄大神に強く訴えかけていた。
創栄大神
「泰平の世、か…確かに将軍である三浦家がこの状況に置かれても何一つとて動かなかった故、致し方の無いことであったのかも知れぬな…」
創栄大神は、祐藤の言葉に対して心が揺れ動いていた。
祐藤
「ははっ、将軍である故に一大名である我らも口出しは容易には出来ませんでした。しかし、近頃の将軍家の凶行は目に余る故、拙者がこうして先陣を切らせていただいた次第にございます。」
将軍家による暴走を辞めさせる為には、将軍家そのものを退けてしまう他に手は無いと祐藤は判断していた。
それは、後世に渡って不忠者や謀叛人と言った烙印を押されかねないリスクを背負ってしてでも国を変えたい、という強い意志がそこにはあった故の行動であると祐藤は述べた。
祐藤のその言葉を聞いた創栄大神は、しばらく考え込んだ後に口を開いた。
創栄大神
「此度の一件は祐藤殿の覚悟と申されるか…承知した。では、三浦家が将軍の座を退いた暁には志太家が新たに将軍職に就くが良い。」
この乱世を終わらせて泰平の世を築くに最も相応しい大名家は志太家の他にいないであろう。
そう結論を出した創栄大神は、志太家に対して全てを託す決心をしたのであった。
祐藤
「ははっ、真に有り難き幸せにございます。我が志太家によって必ずやこの乱世を終結させ、泰平の世を築くおことをお約束いたしましょうぞ!」
祐藤は、目を輝かせて創栄大神をしっかりと見つめてそう言った。
創栄大神
「うむ、よろしく頼んだぞよ。朕も応援しておるぞ。」
創栄大神は祐藤手を取り、固く握りしめていた。
そこで、今回の桐丘城下への攻撃を行った事と先程の継晴に対して将軍の座から離脱するよう要請した旨の内容を創栄大神に報告していた。
祐藤
「我が志太家としての動向は以上にございます。大神様、どうか御判断をお願い申します。」
祐藤の報告を聞いた創栄大神は、難しげな顔をして言った。
創栄大神
「祐藤殿よ、聞けば此度は派手な手を用いたようであるが…それに対してはどうお思いであるか?」
創栄大神は、桐丘城下への攻撃に対して苦言を呈していた。
大神は、創天国に住まう全ての民の幸せを願うべき存在。
誰一人とて民であらば不幸にさせてはならぬ、と言う信念がそこにはあった。
しかし、志太家の作り出した地獄式爆弾という兵器によって桐丘城下の何の罪も無い民たちの命が一瞬にして奪われたのである。
そのようなおぞましき出来事を目の当たりにした創栄大神は、言葉を詰まらせていた。
すると祐藤は、頭を深々と下げて創栄大神に対して口を開いた。
祐藤
「大神様、大変申し訳ございませぬ。此度の件は、三浦将軍家を退ける為にはやむ無しと拙者が判断致しました。しかし、戦の無き泰平の世を造る為故の犠牲であることをどうか御理解いただきたく存じます。」
祐藤は、あくまでも今回の桐丘城下への攻撃は今後の泰平の世を築く過程において必要であったという旨を伝えた。
いつの世も大量殺戮の行為は、決して肯定されるべき事では無い。
しかし、綺麗事を述べているだけではいつまで経っても何も解決は出来ない。
その為には、このタブーと言っても良い掟を誰かが破る必要があった。
祐藤は、その役をあえて自身が買って出る事に対しての葛藤を創栄大神に強く訴えかけていた。
創栄大神
「泰平の世、か…確かに将軍である三浦家がこの状況に置かれても何一つとて動かなかった故、致し方の無いことであったのかも知れぬな…」
創栄大神は、祐藤の言葉に対して心が揺れ動いていた。
祐藤
「ははっ、将軍である故に一大名である我らも口出しは容易には出来ませんでした。しかし、近頃の将軍家の凶行は目に余る故、拙者がこうして先陣を切らせていただいた次第にございます。」
将軍家による暴走を辞めさせる為には、将軍家そのものを退けてしまう他に手は無いと祐藤は判断していた。
それは、後世に渡って不忠者や謀叛人と言った烙印を押されかねないリスクを背負ってしてでも国を変えたい、という強い意志がそこにはあった故の行動であると祐藤は述べた。
祐藤のその言葉を聞いた創栄大神は、しばらく考え込んだ後に口を開いた。
創栄大神
「此度の一件は祐藤殿の覚悟と申されるか…承知した。では、三浦家が将軍の座を退いた暁には志太家が新たに将軍職に就くが良い。」
この乱世を終わらせて泰平の世を築くに最も相応しい大名家は志太家の他にいないであろう。
そう結論を出した創栄大神は、志太家に対して全てを託す決心をしたのであった。
祐藤
「ははっ、真に有り難き幸せにございます。我が志太家によって必ずやこの乱世を終結させ、泰平の世を築くおことをお約束いたしましょうぞ!」
祐藤は、目を輝かせて創栄大神をしっかりと見つめてそう言った。
創栄大神
「うむ、よろしく頼んだぞよ。朕も応援しておるぞ。」
創栄大神は祐藤手を取り、固く握りしめていた。
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