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好きと言えなくて
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ミリアムはリザ相手に愚痴をこぼしていた。
「どうして、愛してるって言うくせに、その次を言えないのかしら!?」
恋愛小説をテーブルの上に山のように積んで、ミリアムはぷりぷりと怒る。
「ほら見て! 本の中の王子様は、愛してると言ったあと、決まって結婚してくれ、とか、付き合ってくれ、とか言うのよ!」
恋愛小説の一冊を開き、リザの目の前に突きつける。
リザはくすくすと笑いながら、ミリアムから小説を受け取った。
「そうですねぇ、確かに、アスヴィル様はあと一押しがたりませんね」
「そうでしょう!?」
「でも、ミリアム様も、小説の中のお姫様のように素直ではありませんよ」
「う……」
リザに指摘されて、ミリアムは口を尖らせた。
「だって……」
「ミリアム様も、もう少しアスヴィル様に優しくなさらないと」
「……だって、アスヴィルが……」
「アスヴィル様は、お優しいでしょう?」
ミリアムはぷうっと風船のように頬を膨らませる。
「リザってば、どっちの味方なのよ」
リザはにっこりと微笑んだ。
「わたしはお二人の味方でございます。だから、ミリアム様も、もう少しだけ、アスヴィル様に歩み寄らなくてはいけませんよ」
「……うー」
「ツンツンしてばかりでは、アスヴィル様もどうしていいのかわかりませんよ?」
「でも……、好きなんて、言えないし……」
「言えないのなら、態度で示せばいいのです」
「どうやって?」
「そうですねぇ……」
リザはぱらぱらと小説をめくった。
「例えば……、ほら、こうして腕に甘えてみるとか」
「無理!」
「じゃあ……、デートに誘ってみるとか?」
「もっと無理!」
「……。抱きついてみますか?」
「絶対無理ぃ!」
「―――ミリアム様」
「だってぇ……」
ミリアムは瞳を潤ませてリザから小説を受け取った。
小説の中のお姫様は、可憐なようでいて、なかなかの行動派だ。ミリアムのように「好き」と言えないなんて初歩的なことで悩まない。むしろ頬を染めて、いじらしく「お慕いしています」なんて自ら告げている。
しかし、ミリアムには到底無理だ。
ミリアムは、自分がこんなに恋愛下手だとは思わなかった。ほかのことなら後先考えず好き勝手に行動できるのに、アスヴィルには簡単な一言すら言えないのだ。
「アスヴィルがわたしの気持ちを汲んで先回りして動いてくれればいいのよ!」
「人の心が読めるわけではあるまいし、そんなに都合のいい話はありません」
スパン、とリザに一刀両断されて、ミリアムはクッションを抱きしめて不貞腐れた。
「アスヴィルが悪いのよ」
「またそうやって……」
リザがあきれてため息をついた時だった。
部屋の扉がノックされて、リザはソファから立ち上がった。
「どちら様ですか?」
主人が絶賛不貞腐れ中なので、かわりに相手に訊ねると、扉の外から「ガーネットですわ」と返答がある。
ミリアムはがばっと顔を上げると、クッションを放り出して立ち上がった。
リザが視線で「どうしますか?」と訊ねると、ミリアム自ら扉に歩み寄り、ガーネットを迎え入れる。
つい二週間ほど前、アスヴィルと仲良く庭を散歩していたブルネットの女は、ミリアムを見て、にっこり微笑んだ。
ガーネットがアスヴィルに寄り添っていた光景が脳裏に蘇って、ミリアムはムカムカしながらその笑顔を受け止める。
「何の用?」
できるだけツンケンしないように努めようとするが失敗して、ミリアムは不機嫌そうな声でそう訊ねた。
ガーネットは機嫌の悪いミリアムにもこれっぽっちも動じることなく、ぱらりと扇を広げると、優雅に口元を隠して口を開く。
「今日は、ミリアム様にお願いがあってまいりましたの」
「なんの?」
ガーネットは双眸を細めると、挑発的に笑った。
「ミリアム様、もう、アスヴィル様を開放していただけませんこと?」
「は?」
「いつまでも、アスヴィル様のお気持ちを宙ぶらりんのままになさらないで下さいと申し上げているのですわ」
「なによ、それ」
ミリアムの額に青筋が浮かんだ。
けれども、ガーネットの心臓は鋼ででもできているのか、リザなら真っ青になるであろうミリアムの冷ややかな視線を、彼女は堂々と見つめ返す。
「その気もないのに、いつまでもアスヴィル様のお気持ちを独占しないでいただきたいのです」
「だから、なんの権利があってそんなことを言いに来たのよ」
ミリアムの声がぐっと低くなる。
ガーネットはパチンと扇を閉ざすと、細い首を傾げた。
「あら、ご存じないんですの?」
「なにが!?」
「わたくし、アスヴィル様の花嫁候補ですの」
「―――!」
ミリアムは大きく目を見開いた。
茫然として何も言えなくなったミリアムに、ガーネットはブルネットの髪を指に巻きつけながら、
「ね? いつまでも、アスヴィル様を独り占めしないでくださいませ」
ふふ、と笑って、話は終わったとばかりにガーネットは背を向ける。
声もなく立ち尽くしたミリアムは、パタン、と目の前の扉が閉まっても、そのまま動けなかった。
「なんなんですか、あの女!? 塩! 塩をまきましょう!!」
リザが憤然と言うが、ミリアムは答えられなかった。
(花嫁……候補?)
アスヴィルにそんなものがいたなんて、知らなかった。
リザが本当に塩を取りに部屋を出て行くと、ミリアムは力なくその場に座り込む。
「……花嫁、候補……」
ミリアムだけでは、なかったのだ。
「嘘つき……」
ミリアムの目に、みるみるうちに涙が盛り上がっていく。
「アスヴィルの、嘘つき……」
――愛していると、言ったくせに。
ミリアムはきゅっと唇をかみしめると、立ち上がって部屋を飛び出した。
(アスヴィルなんか、大嫌い!!)
そうして、ミリアムは黙って城から飛び出した――
「どうして、愛してるって言うくせに、その次を言えないのかしら!?」
恋愛小説をテーブルの上に山のように積んで、ミリアムはぷりぷりと怒る。
「ほら見て! 本の中の王子様は、愛してると言ったあと、決まって結婚してくれ、とか、付き合ってくれ、とか言うのよ!」
恋愛小説の一冊を開き、リザの目の前に突きつける。
リザはくすくすと笑いながら、ミリアムから小説を受け取った。
「そうですねぇ、確かに、アスヴィル様はあと一押しがたりませんね」
「そうでしょう!?」
「でも、ミリアム様も、小説の中のお姫様のように素直ではありませんよ」
「う……」
リザに指摘されて、ミリアムは口を尖らせた。
「だって……」
「ミリアム様も、もう少しアスヴィル様に優しくなさらないと」
「……だって、アスヴィルが……」
「アスヴィル様は、お優しいでしょう?」
ミリアムはぷうっと風船のように頬を膨らませる。
「リザってば、どっちの味方なのよ」
リザはにっこりと微笑んだ。
「わたしはお二人の味方でございます。だから、ミリアム様も、もう少しだけ、アスヴィル様に歩み寄らなくてはいけませんよ」
「……うー」
「ツンツンしてばかりでは、アスヴィル様もどうしていいのかわかりませんよ?」
「でも……、好きなんて、言えないし……」
「言えないのなら、態度で示せばいいのです」
「どうやって?」
「そうですねぇ……」
リザはぱらぱらと小説をめくった。
「例えば……、ほら、こうして腕に甘えてみるとか」
「無理!」
「じゃあ……、デートに誘ってみるとか?」
「もっと無理!」
「……。抱きついてみますか?」
「絶対無理ぃ!」
「―――ミリアム様」
「だってぇ……」
ミリアムは瞳を潤ませてリザから小説を受け取った。
小説の中のお姫様は、可憐なようでいて、なかなかの行動派だ。ミリアムのように「好き」と言えないなんて初歩的なことで悩まない。むしろ頬を染めて、いじらしく「お慕いしています」なんて自ら告げている。
しかし、ミリアムには到底無理だ。
ミリアムは、自分がこんなに恋愛下手だとは思わなかった。ほかのことなら後先考えず好き勝手に行動できるのに、アスヴィルには簡単な一言すら言えないのだ。
「アスヴィルがわたしの気持ちを汲んで先回りして動いてくれればいいのよ!」
「人の心が読めるわけではあるまいし、そんなに都合のいい話はありません」
スパン、とリザに一刀両断されて、ミリアムはクッションを抱きしめて不貞腐れた。
「アスヴィルが悪いのよ」
「またそうやって……」
リザがあきれてため息をついた時だった。
部屋の扉がノックされて、リザはソファから立ち上がった。
「どちら様ですか?」
主人が絶賛不貞腐れ中なので、かわりに相手に訊ねると、扉の外から「ガーネットですわ」と返答がある。
ミリアムはがばっと顔を上げると、クッションを放り出して立ち上がった。
リザが視線で「どうしますか?」と訊ねると、ミリアム自ら扉に歩み寄り、ガーネットを迎え入れる。
つい二週間ほど前、アスヴィルと仲良く庭を散歩していたブルネットの女は、ミリアムを見て、にっこり微笑んだ。
ガーネットがアスヴィルに寄り添っていた光景が脳裏に蘇って、ミリアムはムカムカしながらその笑顔を受け止める。
「何の用?」
できるだけツンケンしないように努めようとするが失敗して、ミリアムは不機嫌そうな声でそう訊ねた。
ガーネットは機嫌の悪いミリアムにもこれっぽっちも動じることなく、ぱらりと扇を広げると、優雅に口元を隠して口を開く。
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「なんの?」
ガーネットは双眸を細めると、挑発的に笑った。
「ミリアム様、もう、アスヴィル様を開放していただけませんこと?」
「は?」
「いつまでも、アスヴィル様のお気持ちを宙ぶらりんのままになさらないで下さいと申し上げているのですわ」
「なによ、それ」
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けれども、ガーネットの心臓は鋼ででもできているのか、リザなら真っ青になるであろうミリアムの冷ややかな視線を、彼女は堂々と見つめ返す。
「その気もないのに、いつまでもアスヴィル様のお気持ちを独占しないでいただきたいのです」
「だから、なんの権利があってそんなことを言いに来たのよ」
ミリアムの声がぐっと低くなる。
ガーネットはパチンと扇を閉ざすと、細い首を傾げた。
「あら、ご存じないんですの?」
「なにが!?」
「わたくし、アスヴィル様の花嫁候補ですの」
「―――!」
ミリアムは大きく目を見開いた。
茫然として何も言えなくなったミリアムに、ガーネットはブルネットの髪を指に巻きつけながら、
「ね? いつまでも、アスヴィル様を独り占めしないでくださいませ」
ふふ、と笑って、話は終わったとばかりにガーネットは背を向ける。
声もなく立ち尽くしたミリアムは、パタン、と目の前の扉が閉まっても、そのまま動けなかった。
「なんなんですか、あの女!? 塩! 塩をまきましょう!!」
リザが憤然と言うが、ミリアムは答えられなかった。
(花嫁……候補?)
アスヴィルにそんなものがいたなんて、知らなかった。
リザが本当に塩を取りに部屋を出て行くと、ミリアムは力なくその場に座り込む。
「……花嫁、候補……」
ミリアムだけでは、なかったのだ。
「嘘つき……」
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「アスヴィルの、嘘つき……」
――愛していると、言ったくせに。
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