108 / 173
第二部 すべてを奪われた少女は隣国にて返り咲く
祝賀パーティー 5
しおりを挟む
「ごめんね、試験前で忙しいのに呼び出しちゃって」
ウォレスが部屋から出て行って少しして、シャルがジャンヌとともにやって来た。
ジャンヌの夫であるカントルーブ子爵は城の玄関で待たせているらしい。
すでに支度をすませていたベレニスとともに、「お留守番お願いね」と笑ってジャンヌは部屋を出て行った。
ウォレスの部屋で待っているわけにはいかないので、サーラはシャルとともに続きの控室へ向かう。
ウォレスの部屋と内扉でつながっているのを見たシャルが眉を寄せた。ものすごく文句をつけたそうな顔をしつつ黙っている。
サーラの部屋も、控室とはいえ広い。下町の部屋と比べるのもおかしいが、その三倍以上もある広さである。
「お城に来てからゆっくり話す機会もなかなかなかったけど、試験の準備はどう? 筆記試験もあるんでしょう?」
「簡単な法律の試験だ。兵士に好き勝手に力を振りかざさないようにさせるための、基本的な法律の問題みたいだから、何も問題ない。むしろ市民警察の試験の方が難しかった」
「そうなの?」
「近衛の試験なんてものは、推薦者ありきだからな。後ろ盾があって、それなりに実力さえあれば通るようになっている。油断はできないし、カントルーブ子爵の顔に泥も塗れないから、念のため法律は全部頭に叩き込んだが、試験では使わないだろうな」
(全部って、あの分厚い法律書全部?)
道理でここのところずっと勉強していたはずだ。シャルはこういうところが真面目なのだ。
シャルのために備え付けの茶葉で紅茶を淹れる。
この時期の暖炉は燃やしっぱなしなので、暖炉の上でお湯を沸かしているから、わざわざメイドを呼んでお湯を運んでもらわなくてもいつでも好きな時のお茶が飲めていい。
「はじめて入ったが、いい部屋だな」
「ブノアさんとベレニスさんが用意してくれたの」
「ああ……。はじめての『孫娘』が嬉しいみたいだな」
ジャンヌの生んだ初孫は男の子だ。二人の孫はサーラを除けば今のところジャンヌの生んだ男の子だけである。
「孫娘って……」
「そうだろう? ……まあ、俺としては複雑ではあるが。アルフレッド様は変だしな」
「そうなのよ! やっぱりそう思う?」
「あれを変じゃなかったら何を変だというんだ。サーラに真顔で『パパと呼びなさい』と迫っているのを見たときは、不審者にしか思えなかった」
まったくその通りである。気づいていないのはたぶん本人だけだ。
「お兄ちゃん、サーラじゃなくてマリアね」
「だったらお前も、お兄ちゃんではなくてシャルだ」
「……ふふ」
「どうした?」
「だって、シャルって呼ぶの久しぶりだなって思って」
ウォレスとの会話の中でそう呼んだ時はあったが、本人を前にして「シャル」と呼ぶのは、それこそサーラがサラフィーネ・プランタットだった時以来である。
呼び方一つだが、兄妹から再び乳兄妹に戻ったような気がして、なんだか不思議だ。
丁寧に入れた紅茶をシャルの前に置く。
用意されている茶葉はどれも高級品なので、紅茶のいい香りが部屋中に広がった。
「砂糖とか蜂蜜、あとミルクはどうする?」
「いや、このままでいい」
サーラも、ローテーブルを挟んでシャルと反対側のソファに腰を下ろす。
「シャルが近衛に入隊したら、ブノアさんの采配で第二王子殿下付きにするって言っていたよ。まあ、すぐに専属護衛とはならないと思うけど」
「それでも、城で働けるだけいい。何かあったときに駆け付けられる場所にいたいからな」
(過保護だなあ)
後にも先にも、城で働いている侍女の側にいたいから近衛に入る男なんてシャルくらいなものだろう。
でも、もしシャルの身分が奪われなければ、彼はディエリア国で騎士になっていただろうから、彼が本来の立場に少しずつ近づいているようで嬉しい。
シャルもアドルフもグレースも、巻き込まれた立場だ。
「ねえシャル。シャルももう十八なんだから、そろそろ自分のことを考えないとダメだと思うわ」
「どういう意味だ?」
「シャルはいつもわたしを優先してくれるけど、そろそろ結婚とかを考える時期じゃないかなってこと。ブノアさんが言っていたけど、シャルなら自力で爵位をもらえるかもしれないって。そうなれば新しい姓を考えて貴族になって、貴族のお嬢様との結婚だってできるでしょう?」
それは、シャルが身分を剥奪されず、ディエリア国にいたままであれば、本来手に入れていたものだ。
シャルは子爵家の跡取りだったので、まったく同じとはいかないけれど、再び彼は貴族社会で生きていく術を手に入れることができる。
いつまでもサーラを優先せず、自分の幸せを考えてもいい時期だ。
けれどもシャルは、ムッとした顔で首を横に振った。
「俺は、一生をお前に捧げたはずだ」
「そんな、子供のころの話じゃない」
一生、俺が守るとシャルは言った。
両親を失い、心を閉ざしたサーラを抱きしめて、ずっと一緒だと。そばにいると。
そんな子供のころの約束を、いつまでも守り続けているなんて、どこまで真面目なのだろう。
「わたしは、シャルが不幸になるのは嫌だわ」
「どうして不幸だと決めつける」
「だって……、わたしには、シャルに上げられるものなんて何もないもの」
公爵令嬢のままであれば違っただろう。
出世を、地位を、財産を、約束してあげることだってできた。
けれども今のサーラには何もない。
アルフレッドの養女になったが、だからと言ってサーラが日向に戻ることはないだろう。
罪人の娘は日陰で息を殺して生きていなくてはならない。
両親の冤罪を晴らしたいとは思っているけれど、うまくいく保証なんてどこにもないのだ。むしろうまくいく可能性の方が低い。
「別にもらわなくたっていい」
シャルはティーカップを手に取って、ふわりと笑う。
「俺の望みはただ一つ。お前が、幸せそうに笑っていることだけだ」
シャルの望みは、昔から変わらない。
兄の考えを変えるのはなかなか難しそうだと、サーラは困ったように笑った。
ウォレスが部屋から出て行って少しして、シャルがジャンヌとともにやって来た。
ジャンヌの夫であるカントルーブ子爵は城の玄関で待たせているらしい。
すでに支度をすませていたベレニスとともに、「お留守番お願いね」と笑ってジャンヌは部屋を出て行った。
ウォレスの部屋で待っているわけにはいかないので、サーラはシャルとともに続きの控室へ向かう。
ウォレスの部屋と内扉でつながっているのを見たシャルが眉を寄せた。ものすごく文句をつけたそうな顔をしつつ黙っている。
サーラの部屋も、控室とはいえ広い。下町の部屋と比べるのもおかしいが、その三倍以上もある広さである。
「お城に来てからゆっくり話す機会もなかなかなかったけど、試験の準備はどう? 筆記試験もあるんでしょう?」
「簡単な法律の試験だ。兵士に好き勝手に力を振りかざさないようにさせるための、基本的な法律の問題みたいだから、何も問題ない。むしろ市民警察の試験の方が難しかった」
「そうなの?」
「近衛の試験なんてものは、推薦者ありきだからな。後ろ盾があって、それなりに実力さえあれば通るようになっている。油断はできないし、カントルーブ子爵の顔に泥も塗れないから、念のため法律は全部頭に叩き込んだが、試験では使わないだろうな」
(全部って、あの分厚い法律書全部?)
道理でここのところずっと勉強していたはずだ。シャルはこういうところが真面目なのだ。
シャルのために備え付けの茶葉で紅茶を淹れる。
この時期の暖炉は燃やしっぱなしなので、暖炉の上でお湯を沸かしているから、わざわざメイドを呼んでお湯を運んでもらわなくてもいつでも好きな時のお茶が飲めていい。
「はじめて入ったが、いい部屋だな」
「ブノアさんとベレニスさんが用意してくれたの」
「ああ……。はじめての『孫娘』が嬉しいみたいだな」
ジャンヌの生んだ初孫は男の子だ。二人の孫はサーラを除けば今のところジャンヌの生んだ男の子だけである。
「孫娘って……」
「そうだろう? ……まあ、俺としては複雑ではあるが。アルフレッド様は変だしな」
「そうなのよ! やっぱりそう思う?」
「あれを変じゃなかったら何を変だというんだ。サーラに真顔で『パパと呼びなさい』と迫っているのを見たときは、不審者にしか思えなかった」
まったくその通りである。気づいていないのはたぶん本人だけだ。
「お兄ちゃん、サーラじゃなくてマリアね」
「だったらお前も、お兄ちゃんではなくてシャルだ」
「……ふふ」
「どうした?」
「だって、シャルって呼ぶの久しぶりだなって思って」
ウォレスとの会話の中でそう呼んだ時はあったが、本人を前にして「シャル」と呼ぶのは、それこそサーラがサラフィーネ・プランタットだった時以来である。
呼び方一つだが、兄妹から再び乳兄妹に戻ったような気がして、なんだか不思議だ。
丁寧に入れた紅茶をシャルの前に置く。
用意されている茶葉はどれも高級品なので、紅茶のいい香りが部屋中に広がった。
「砂糖とか蜂蜜、あとミルクはどうする?」
「いや、このままでいい」
サーラも、ローテーブルを挟んでシャルと反対側のソファに腰を下ろす。
「シャルが近衛に入隊したら、ブノアさんの采配で第二王子殿下付きにするって言っていたよ。まあ、すぐに専属護衛とはならないと思うけど」
「それでも、城で働けるだけいい。何かあったときに駆け付けられる場所にいたいからな」
(過保護だなあ)
後にも先にも、城で働いている侍女の側にいたいから近衛に入る男なんてシャルくらいなものだろう。
でも、もしシャルの身分が奪われなければ、彼はディエリア国で騎士になっていただろうから、彼が本来の立場に少しずつ近づいているようで嬉しい。
シャルもアドルフもグレースも、巻き込まれた立場だ。
「ねえシャル。シャルももう十八なんだから、そろそろ自分のことを考えないとダメだと思うわ」
「どういう意味だ?」
「シャルはいつもわたしを優先してくれるけど、そろそろ結婚とかを考える時期じゃないかなってこと。ブノアさんが言っていたけど、シャルなら自力で爵位をもらえるかもしれないって。そうなれば新しい姓を考えて貴族になって、貴族のお嬢様との結婚だってできるでしょう?」
それは、シャルが身分を剥奪されず、ディエリア国にいたままであれば、本来手に入れていたものだ。
シャルは子爵家の跡取りだったので、まったく同じとはいかないけれど、再び彼は貴族社会で生きていく術を手に入れることができる。
いつまでもサーラを優先せず、自分の幸せを考えてもいい時期だ。
けれどもシャルは、ムッとした顔で首を横に振った。
「俺は、一生をお前に捧げたはずだ」
「そんな、子供のころの話じゃない」
一生、俺が守るとシャルは言った。
両親を失い、心を閉ざしたサーラを抱きしめて、ずっと一緒だと。そばにいると。
そんな子供のころの約束を、いつまでも守り続けているなんて、どこまで真面目なのだろう。
「わたしは、シャルが不幸になるのは嫌だわ」
「どうして不幸だと決めつける」
「だって……、わたしには、シャルに上げられるものなんて何もないもの」
公爵令嬢のままであれば違っただろう。
出世を、地位を、財産を、約束してあげることだってできた。
けれども今のサーラには何もない。
アルフレッドの養女になったが、だからと言ってサーラが日向に戻ることはないだろう。
罪人の娘は日陰で息を殺して生きていなくてはならない。
両親の冤罪を晴らしたいとは思っているけれど、うまくいく保証なんてどこにもないのだ。むしろうまくいく可能性の方が低い。
「別にもらわなくたっていい」
シャルはティーカップを手に取って、ふわりと笑う。
「俺の望みはただ一つ。お前が、幸せそうに笑っていることだけだ」
シャルの望みは、昔から変わらない。
兄の考えを変えるのはなかなか難しそうだと、サーラは困ったように笑った。
126
あなたにおすすめの小説
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
酒飲み聖女は気だるげな騎士団長に秘密を握られています〜完璧じゃなくても愛してるって正気ですか!?〜
鳥花風星
恋愛
太陽の光に当たって透けるような銀髪、紫水晶のような美しい瞳、均整の取れた体つき、女性なら誰もが羨むような見た目でうっとりするほどの完璧な聖女。この国の聖女は、清楚で見た目も中身も美しく、誰もが羨む存在でなければいけない。聖女リリアは、ずっとみんなの理想の「聖女様」でいることに専念してきた。
そんな完璧な聖女であるリリアには誰にも知られてはいけない秘密があった。その秘密は完璧に隠し通され、絶対に誰にも知られないはずだった。だが、そんなある日、騎士団長のセルにその秘密を知られてしまう。
秘密がばれてしまったら、完璧な聖女としての立場が危うく、国民もがっかりさせてしまう。秘密をばらさないようにとセルに懇願するリリアだが、セルは秘密をばらされたくなければ婚約してほしいと言ってきた。
一途な騎士団長といつの間にか逃げられなくなっていた聖女のラブストーリー。
◇氷雨そら様主催「愛が重いヒーロー企画」参加作品です。
罰として醜い辺境伯との婚約を命じられましたが、むしろ望むところです! ~私が聖女と同じ力があるからと復縁を迫っても、もう遅い~
上下左右
恋愛
「貴様のような疫病神との婚約は破棄させてもらう!」
触れた魔道具を壊す体質のせいで、三度の婚約破棄を経験した公爵令嬢エリス。家族からも見限られ、罰として鬼将軍クラウス辺境伯への嫁入りを命じられてしまう。
しかしエリスは周囲の評価など意にも介さない。
「顔なんて目と鼻と口がついていれば十分」だと縁談を受け入れる。
だが実際に嫁いでみると、鬼将軍の顔は認識阻害の魔術によって醜くなっていただけで、魔術無力化の特性を持つエリスは、彼が本当は美しい青年だと見抜いていた。
一方、エリスの特異な体質に、元婚約者の伯爵が気づく。それは伝説の聖女と同じ力で、領地の繁栄を約束するものだった。
伯爵は自分から婚約を破棄したにも関わらず、その決定を覆すために復縁するための画策を始めるのだが・・・後悔してももう遅いと、ざまぁな展開に発展していくのだった
本作は不遇だった令嬢が、最恐将軍に溺愛されて、幸せになるまでのハッピーエンドの物語である
※※小説家になろうでも連載中※※
追放令嬢ですが、契約竜の“もふもふ”に溺愛されてます(元婚約者にはもう用はありません)
さくら
恋愛
婚約者に裏切られ、伯爵家から追放された令嬢リゼ。行く宛のない彼女が森で出会ったのは、巨大な灰銀の竜アークライトだった。
「契約を結べ。我が妻として」
突然の求婚と共に交わされた契約は、竜の加護と溺愛をもたらすものだった!
もふもふな竜の毛並みに抱きしめられ、誰よりも大切にされる毎日。しかも竜は国最強の守護者で、リゼを害そうとする者は容赦なく蹴散らされる。
やがて彼女は、竜の妻として王国を救う存在へ——。
もう元婚約者や意地悪な義家族に振り返る必要なんてない。
竜と共に歩む未来は、誰にも奪えないのだから。
これは追放された令嬢が、契約竜に溺愛されながら幸せと真の居場所を見つける物語。
契約結婚のはずが、無骨な公爵様に甘やかされすぎています
さくら
恋愛
――契約結婚のはずが、無骨な公爵様に甘やかされすぎています。
侯爵家から追放され、居場所をなくした令嬢エリナに突きつけられたのは「契約結婚」という逃げ場だった。
お相手は国境を守る無骨な英雄、公爵レオンハルト。
形式だけの結婚のはずが、彼は不器用なほど誠実で、どこまでもエリナを大切にしてくれる。
やがて二人は戦場へ赴き、国を揺るがす陰謀と政争に巻き込まれていく。
剣と血の中で、そして言葉の刃が飛び交う王宮で――
互いに背を預け合い、守り、支え、愛を育んでいく二人。
「俺はお前を愛している」
「私もです、閣下。死が二人を分かつその時まで」
契約から始まった関係は、やがて国を救う真実の愛へ。
――公爵に甘やかされすぎて、幸せすぎる新婚生活の物語。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
4度目の転生、メイドになった貧乏子爵令嬢は『今度こそ恋をする!』と決意したのに次期公爵様の溺愛に気づけない?!
六花心碧
恋愛
恋に落ちたらEND。
そんな人生を3回も繰り返してきたアリシア。
『今度こそ私、恋をします!』
そう心に決めて新たな人生をスタートしたものの、(アリシアが勝手に)恋をするお相手の次期公爵様は極度な女嫌いだった。
恋するときめきを味わいたい。
果たしてアリシアの平凡な願いは叶うのか……?!
(外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる