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第一部 三回目の人生
解毒薬と衝撃の事実 5
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「貴族令嬢って大変なのね。今日一日でよーっくわかったわ」
「一日もないもまだ半日しか経っていないし、そもそもお前は貴族令嬢ではなく王女な」
次の日の午後。
午前中に「淑女教育」という名目で、着せ替え人形にされて公爵夫人とお茶会をし、具体的に二か月半どんなお勉強をするのかの説明を受けた。
今日の午前中はその説明で終わったんだけど、内容を聞くだけで頭がパンクしそうになったわたしに、クリストバルはあきれ顔だ。
お昼ご飯を食べた後、クリストバルが公爵邸を案内してくれると言うから、一緒に歩いて回っている。
公爵邸は、わたしが暮らしている離宮が十個以上入くらい大きい。
サロンだけでも五つもあって、他にパーティーなどで使う広間や、来客用の客室がたくさん、ダイニングがメインとサブで二個、他にワイン倉庫や図書室、衣装ルームなんてものまであった。びっくりである。衣装ルームってなんだ。
邸の中を歩き回るだけでかなり運動した気になったんだけど、クリストバルはそのままわたしを庭に連れ出して、前庭以外に裏庭、中庭などを案内してくれた。
「それから、敷地内に森がある。裏山から川が流れ込んでいるし、薬草なんかも生えているかもしれない。俺には雑草と薬草の区別はつかないがな」
「へー、じゃあ見に行ってみようかしら?」
「わかった。こっちだ。……ここだけの話、父上が花粉症の薬を取っても気に入っていて、来年以降も何とか手に入らないかと考えているようだった。気が向けば作っておいてやってくれ。ちゃんと対価も払うから」
「いいわよ。さすがに何年も保存するのは無理だけど、一年や二年くらいなら大丈夫だから、来年用の薬を作っておくわ。対価はいいわよ。二か月半もご厄介になるんだし」
そろそろ花粉症の薬の薬草も採れなくなる時期だから、早めに採取しておいた方がいいわね。今から向かう森の中にあるかしら?
ちなみにだけど、わたしとクリストバルが二人で歩いているようで、実はそうではない。
少し離れて、数名の騎士がついてきているの。護衛だと思うわ。自分の家の敷地内で護衛ってどうかと思うけど、これだけ広ければ必要なのかしら。
クリストバルに案内されて、十五分くらい歩いたかしら?
家の敷地を十五分歩いてもまだ敷地内って、いったいどこまでがオルティス公爵家の敷地なのかしらね。
ようやくたどり着いた森は、こまめに木が間引いたりして手入れしてあるのだろう。
うちの離宮の周りの山と違って、すっきりと整えられていた。
人が歩くための道も作られていて、森の入り口の木のいくつかに、鳥の巣にするためだろうか、木の箱が括りつけられている。
「秋にはキノコも生えるんだ。ただ、俺には毒キノコと食用キノコの区別がつかないから、キノコ狩りは詳しい使用人に任せているんだが。お前が帰る前には生えているかもしれない」
「じゃあ、キノコ採取ができるかもしれないわね」
「そうだな。薬草の見分けがつくお前なら、キノコもすぐに覚えるんじゃないか?」
どうかしら?
うちの山もキノコが採れるけど、ラロが「アサレアは間違って毒キノコを採ってきそうだから、キノコは取ったらダメだよ」って言うのよね。だからいつもラロが採って来てくれるの。
「栗とかは? 離宮の山の中には栗の木があるのよ」
「栗はないが、棗があるぞ。棗は来月くらいから収穫できるんじゃないか?」
「棗! 食べたことないわ」
「生のままだとリンゴみたいな味がする。干して食べるのが一般的だな」
「生で食べてみたいわ! 他には?」
「あとは、シトロンくらいだろうか。森の木の半分は楓の木だ」
「シトロンって酸っぱいやつよね」
離宮の周りの山にも生えている。
シトロンはレモンに似ているが酸っぱすぎてレモンのように生では食べられない。果肉も果汁も少ないし、使い道がないから収穫せずに放置しているわ。
冬に収穫できるんだけど、幼いころに、いい匂いがするし、黄色くて美味しそうだと思って口に入れて、死ぬほど後悔したのを覚えているわ。
口がきゅーってなって、涙がボロボロ出たもの。
ちなみに、ラロには大爆笑されたわね。
そんな恥ずかしい失敗談は、クリストバルには絶対に教えないけど!
「小川はこっちだ。薬草が生えているといいんだが」
薬草は川の周りにだけ生えているわけじゃないんだけど、前に採取したときに小川に行ったからそれを覚えているのかしら。
まあ、花粉症の薬に使う薬草は、湿気を好むから、川の近くとかじめじめしたところに生えているし、間違っているわけじゃないけどね。
うちの山と違ってとっても歩きやすい森の中を進んでいくと、一歩で跨げそうな小さな川が見えてくる。
その周りには、数種類の背丈の低い草が生えていた。
わたしが住んでいる山より日当たりがいいから、ここの方が種類が豊富ね。
草や木が伸びっぱなしの状態で放置されている離宮の山は、木々が密集しているせいで地面まで日差しが届きにくい。
だけど、オルティス公爵邸の森は日の入り方も考慮されて適度に草木を間引きつつ整えられているから、どこに行っても明るく、そのおかげで草もとっても元気に育っていた。
「花粉症に使う薬草、あったわよ。それから、こっちは痛み止めに使えるわ。あ! 珍しい! 肌荒れに効く薬草があるわよ! これはクリーム状の薬を作るんだけど、うちの山にもそれほど生息してないの」
ちなみに、わたしの作る肌荒れクリームは、ラロがとんでもなく高く売れると言っていたわね。これ、摘んで帰った方がいいわ。ラロが絶対喜ぶ。
「肌荒れに効く薬?」
「そう。肌がカサカサしてかゆくなったりしたときとか、あとはニキビとかシミ、皺、たるみにも効くのよ」
「それは母上が喜びそうな薬だな」
「そうでしょうね」
ラロも、お金持ちの女性が大金を積んで買っていくらしいよって言っていた。だからラロが薬を卸している先でも言い値で買ってくれるのだそうだ。言い値って、すごいよね。
離宮の山にちょっとしか生えてないから、作れるクリームはクリーム専用の手のひらサイズのケースに換算して毎年十個かそこらだけど、それを作ったあとはラロがいつもとびきりのごちそうを買ってきてくれるのよね。
……ここにはたくさん生えているし、たくさん作れるわよね。
これ、好きなだけ摘んで行ってもいいのかしら?
「ねえクリストバル。公爵夫人にも一個横流ししてあげるから、これ、たくさん摘んで帰ってもいい?」
「いいんじゃないか? というか、前から思っていたんだが、薬草、栽培できないのか? そうすればなかなか目にしない薬草も安定して手に入るだろう」
「栽培の仕方なんて知らないわよ」
「なるほど。なら、うちの庭師に相談するか?」
「いいの?」
なにそれ、そんな素敵な話、喜んで飛びついちゃうわよ!
このぼろ儲けクリームが大量生産出来たら、ラロが貯めてくれている逃亡資金も一気に増えるもの!
でもそうなったら、エミディオへの報復計画をもっと前倒ししないと……。まだ、計画すら練れてないけど、一度ぎゃふんと言わせてからこの国を去りたいわ。
「じゃあ、庭師の爺やに相談しておこう。あと、摘んで帰るのなら籠と鋏がいるな。少し待ってろ」
クリストバルがちらっと背後を振り返ると、護衛の騎士の一人が頷いて走って行った。籠と鋏を取りに行ってくれたみたいね。
騎士が戻るのを待つ間、クリストバルに薬草のことを質問されたから、目の前にあるものを指して説明していく。
頷きながら聞いていたクリストバルは、わたしが説明を終えると、不思議そうな顔をした。
「なあ、お前は五歳の時からあの離宮に一人だっただろう? 薬草の知識はどこで覚えたんだ?」
わたしはぎくりとして、冷や汗をかきながら誤魔化した。
「ま、魔女だもの、そのくらいわかるわ」
真っ赤な嘘である。
「一日もないもまだ半日しか経っていないし、そもそもお前は貴族令嬢ではなく王女な」
次の日の午後。
午前中に「淑女教育」という名目で、着せ替え人形にされて公爵夫人とお茶会をし、具体的に二か月半どんなお勉強をするのかの説明を受けた。
今日の午前中はその説明で終わったんだけど、内容を聞くだけで頭がパンクしそうになったわたしに、クリストバルはあきれ顔だ。
お昼ご飯を食べた後、クリストバルが公爵邸を案内してくれると言うから、一緒に歩いて回っている。
公爵邸は、わたしが暮らしている離宮が十個以上入くらい大きい。
サロンだけでも五つもあって、他にパーティーなどで使う広間や、来客用の客室がたくさん、ダイニングがメインとサブで二個、他にワイン倉庫や図書室、衣装ルームなんてものまであった。びっくりである。衣装ルームってなんだ。
邸の中を歩き回るだけでかなり運動した気になったんだけど、クリストバルはそのままわたしを庭に連れ出して、前庭以外に裏庭、中庭などを案内してくれた。
「それから、敷地内に森がある。裏山から川が流れ込んでいるし、薬草なんかも生えているかもしれない。俺には雑草と薬草の区別はつかないがな」
「へー、じゃあ見に行ってみようかしら?」
「わかった。こっちだ。……ここだけの話、父上が花粉症の薬を取っても気に入っていて、来年以降も何とか手に入らないかと考えているようだった。気が向けば作っておいてやってくれ。ちゃんと対価も払うから」
「いいわよ。さすがに何年も保存するのは無理だけど、一年や二年くらいなら大丈夫だから、来年用の薬を作っておくわ。対価はいいわよ。二か月半もご厄介になるんだし」
そろそろ花粉症の薬の薬草も採れなくなる時期だから、早めに採取しておいた方がいいわね。今から向かう森の中にあるかしら?
ちなみにだけど、わたしとクリストバルが二人で歩いているようで、実はそうではない。
少し離れて、数名の騎士がついてきているの。護衛だと思うわ。自分の家の敷地内で護衛ってどうかと思うけど、これだけ広ければ必要なのかしら。
クリストバルに案内されて、十五分くらい歩いたかしら?
家の敷地を十五分歩いてもまだ敷地内って、いったいどこまでがオルティス公爵家の敷地なのかしらね。
ようやくたどり着いた森は、こまめに木が間引いたりして手入れしてあるのだろう。
うちの離宮の周りの山と違って、すっきりと整えられていた。
人が歩くための道も作られていて、森の入り口の木のいくつかに、鳥の巣にするためだろうか、木の箱が括りつけられている。
「秋にはキノコも生えるんだ。ただ、俺には毒キノコと食用キノコの区別がつかないから、キノコ狩りは詳しい使用人に任せているんだが。お前が帰る前には生えているかもしれない」
「じゃあ、キノコ採取ができるかもしれないわね」
「そうだな。薬草の見分けがつくお前なら、キノコもすぐに覚えるんじゃないか?」
どうかしら?
うちの山もキノコが採れるけど、ラロが「アサレアは間違って毒キノコを採ってきそうだから、キノコは取ったらダメだよ」って言うのよね。だからいつもラロが採って来てくれるの。
「栗とかは? 離宮の山の中には栗の木があるのよ」
「栗はないが、棗があるぞ。棗は来月くらいから収穫できるんじゃないか?」
「棗! 食べたことないわ」
「生のままだとリンゴみたいな味がする。干して食べるのが一般的だな」
「生で食べてみたいわ! 他には?」
「あとは、シトロンくらいだろうか。森の木の半分は楓の木だ」
「シトロンって酸っぱいやつよね」
離宮の周りの山にも生えている。
シトロンはレモンに似ているが酸っぱすぎてレモンのように生では食べられない。果肉も果汁も少ないし、使い道がないから収穫せずに放置しているわ。
冬に収穫できるんだけど、幼いころに、いい匂いがするし、黄色くて美味しそうだと思って口に入れて、死ぬほど後悔したのを覚えているわ。
口がきゅーってなって、涙がボロボロ出たもの。
ちなみに、ラロには大爆笑されたわね。
そんな恥ずかしい失敗談は、クリストバルには絶対に教えないけど!
「小川はこっちだ。薬草が生えているといいんだが」
薬草は川の周りにだけ生えているわけじゃないんだけど、前に採取したときに小川に行ったからそれを覚えているのかしら。
まあ、花粉症の薬に使う薬草は、湿気を好むから、川の近くとかじめじめしたところに生えているし、間違っているわけじゃないけどね。
うちの山と違ってとっても歩きやすい森の中を進んでいくと、一歩で跨げそうな小さな川が見えてくる。
その周りには、数種類の背丈の低い草が生えていた。
わたしが住んでいる山より日当たりがいいから、ここの方が種類が豊富ね。
草や木が伸びっぱなしの状態で放置されている離宮の山は、木々が密集しているせいで地面まで日差しが届きにくい。
だけど、オルティス公爵邸の森は日の入り方も考慮されて適度に草木を間引きつつ整えられているから、どこに行っても明るく、そのおかげで草もとっても元気に育っていた。
「花粉症に使う薬草、あったわよ。それから、こっちは痛み止めに使えるわ。あ! 珍しい! 肌荒れに効く薬草があるわよ! これはクリーム状の薬を作るんだけど、うちの山にもそれほど生息してないの」
ちなみに、わたしの作る肌荒れクリームは、ラロがとんでもなく高く売れると言っていたわね。これ、摘んで帰った方がいいわ。ラロが絶対喜ぶ。
「肌荒れに効く薬?」
「そう。肌がカサカサしてかゆくなったりしたときとか、あとはニキビとかシミ、皺、たるみにも効くのよ」
「それは母上が喜びそうな薬だな」
「そうでしょうね」
ラロも、お金持ちの女性が大金を積んで買っていくらしいよって言っていた。だからラロが薬を卸している先でも言い値で買ってくれるのだそうだ。言い値って、すごいよね。
離宮の山にちょっとしか生えてないから、作れるクリームはクリーム専用の手のひらサイズのケースに換算して毎年十個かそこらだけど、それを作ったあとはラロがいつもとびきりのごちそうを買ってきてくれるのよね。
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これ、好きなだけ摘んで行ってもいいのかしら?
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「いいんじゃないか? というか、前から思っていたんだが、薬草、栽培できないのか? そうすればなかなか目にしない薬草も安定して手に入るだろう」
「栽培の仕方なんて知らないわよ」
「なるほど。なら、うちの庭師に相談するか?」
「いいの?」
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「じゃあ、庭師の爺やに相談しておこう。あと、摘んで帰るのなら籠と鋏がいるな。少し待ってろ」
クリストバルがちらっと背後を振り返ると、護衛の騎士の一人が頷いて走って行った。籠と鋏を取りに行ってくれたみたいね。
騎士が戻るのを待つ間、クリストバルに薬草のことを質問されたから、目の前にあるものを指して説明していく。
頷きながら聞いていたクリストバルは、わたしが説明を終えると、不思議そうな顔をした。
「なあ、お前は五歳の時からあの離宮に一人だっただろう? 薬草の知識はどこで覚えたんだ?」
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