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プロローグ
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――四月、春。
俺がユキに告白した日に遡った。
校舎裏の桜は、もう散り始めていた。
花びらが風に乗って舞うたび、
心臓の音がうるさくなる。
「……森山」
呼んだ声は、自分でも驚くくらい静かだった。
大橋ユウは昔から、声を張るのが得意じゃない。
「なに?」
振り向いた森山ユキは、
いつも通り大人しい表情をしていた。
けれど、その目はなぜかきらきらしていて、
落ち着きがない。
「え、なに? どうしたの?
え、まさか呼び出し系?」
「いや、ちが……その……」
ユウが言葉に詰まると、
ユキは一歩近づいてくる。
「ちょ、近い近い。顔赤いし。熱?」
「ちがう……!」
その瞬間、ユキがくすっと笑った。
「……冗談。わかってる」
「……え?」
「なんとなく、ね。
大橋がこんなとこ呼ぶの、珍しいし」
名前を呼ばれるだけで、胸がぎゅっとなる。
ユウは深く息を吸って、やっと言った。
「……俺、森山のことが好き」
一瞬、風が止まった気がした。
「……ほんとに?」
ユキは少し目を丸くして、それから——
なぜか、ぱっと笑った。
「私も」
「……え」
「好きだよ、大橋」
「……ほんとに?」
「ほんと。ていうか、遅い」
「え?」
「私、ずっと待ってたんだけど?」
そう言って、ユキは
少し照れたように視線を逸らした。
春の光が、やけに眩しかった。
あの時のドキドキな告白した日から
もう8ヶ月が経った…。
俺がユキに告白した日に遡った。
校舎裏の桜は、もう散り始めていた。
花びらが風に乗って舞うたび、
心臓の音がうるさくなる。
「……森山」
呼んだ声は、自分でも驚くくらい静かだった。
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「なに?」
振り向いた森山ユキは、
いつも通り大人しい表情をしていた。
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「え、なに? どうしたの?
え、まさか呼び出し系?」
「いや、ちが……その……」
ユウが言葉に詰まると、
ユキは一歩近づいてくる。
「ちょ、近い近い。顔赤いし。熱?」
「ちがう……!」
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「……冗談。わかってる」
「……え?」
「なんとなく、ね。
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名前を呼ばれるだけで、胸がぎゅっとなる。
ユウは深く息を吸って、やっと言った。
「……俺、森山のことが好き」
一瞬、風が止まった気がした。
「……ほんとに?」
ユキは少し目を丸くして、それから——
なぜか、ぱっと笑った。
「私も」
「……え」
「好きだよ、大橋」
「……ほんとに?」
「ほんと。ていうか、遅い」
「え?」
「私、ずっと待ってたんだけど?」
そう言って、ユキは
少し照れたように視線を逸らした。
春の光が、やけに眩しかった。
あの時のドキドキな告白した日から
もう8ヶ月が経った…。
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