君の涙をみないために

mimi

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守りたいもの

いじめられっ子

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俺、早川優也は好きな子と友達になった。
相手は小林 桜。昨日桜には言わなかったが、俺が桜のいじめの所に現れたのも、たまたま下校しようとしていた桜を目で追っていたからだった。
桜に思いを寄せたのは中学の頃。まだ俺がこんなにみんなに怖がられていないときだった。桜は全くもって覚えていないみたいだが。それも仕方がない。俺らの中学は、1学年11クラスもあって、正直俺もあんまり覚えてない奴ばっかりだった。
「おはよー!優也!」
「おはよう。桜。」
「ごめんね、少し遅くなっちゃった。」
「俺も今来たとこだから大丈夫だ。」
昨日帰り道に、桜の今までの辛い話を聞いた。いじめ…。女っちゅー生き物はなんで、寄ってたかって1人の標的を作ろうとすんのか…。
「でね、って聞いてる??」
「お、おう。」
「もー。絶対今のは聞いてなかったー。」
桜は自分がいじめられるのは児童養護施設に入っているからだと言っている。だけど、それだけじゃない気がすんだよな。
俺の予想は、もちろん施設もあるだろうが…
「でさー瑠衣くん酷いんだよー。」
この容姿ではないだろうか。桜は普通に、いや正直なところ学校一の美人だと思う。男子の中では有名な話だ。一匹狼の俺でも耳に入るくらい。
「はぁ…。」
「ん?突然ため息か?」
「んー…優也がいてくれるのは心強いんだけど…隣のクラスじゃない?クラスの子達怖いなぁって。」
確かに授業中は俺も見えないな。
「なるほどな。じゃぁ、こうしよう!毎放課俺が桜のクラスに行く!」
「それは、クラスの子達もっと怒るかも…。」
「そうか?それじゃぁ、先生に頼み込んで俺がクラスを変えてもらう!」
「優也ならできそうだけど、それも却下。」
「んー…となると、2人でサボるか。」
「なんでそうなるのよ!単位は欲しいの!」
「割とわがままだな。」
「はぁ…なんかいい案ないかなー。」
毎放課もだめ。クラス替えもだめ。サボりはしたくないし、単位は欲しい。となると…。
「交換日記ってどうだ?毎時間交換すんだよ。」
「それならありかも!優也やるー!」
「お、おぅ。」
「ちょうど私使ってないノートあるし、これでやろっか!じゃぁ、先に優也から。」
「お、おれからなのか?」
「当たり前じゃない。言い出しっぺなんだから。」
「へいへい。」
そんなこんなしてるうちに、学校に着いた。
「…。」
さっきまで元気だった桜が下を向く。
「…怖いか?」
「…コクリッ」
まぁだよな。なんかいい案ないか…。
「…もーほんとに拓くんったらぁ。」
「おいおい美香ぁ。学校着いたんだから手離そうぜぇ。」
「だってぇ。拓くんは美香のものでしょ。カップルなんだしぃ。」
…これだ!!!
「よし、桜よく聞け。」
そう言って俺は桜の両肩を掴む。
「俺たちは今からカップルだ。」
「…はぁぁあ!?」
そう言って真っ赤になる桜。あー直視できねーよ。
「あ、あんた何言って!カップルってどういうものが分かってんの?!」
「あぁ、わかってる!あーゆーのだろ?」
さっきのバカップルを指さしながら桜に言う。これなら!我ながらいい案だと思う。
「それで、俺が桜のクラスの奴らに手を出すなって言えばいいんだよ!!」
「な、あんた馬鹿なの?!か、カップルって…」
「わかった。擬似カップルでどうだ。お互いにお互いのことは好きじゃない。でも、桜をいじめから守るためのカップルになるんだよ!」
「えっとー…。わ、わかったわよ。でも、あんまりド派手に言わないで、こいついじめんなよーくらいにしてよね。」
「任せろって。」
こうして俺は…。半ば無理やりだが。桜の…好きな子の擬似彼氏になることになった。
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