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守りたいもの
いじめっ子
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「そうと決まれば、ほら。まず手を繋ぐとこだろ。」
「て、て、て…」
「ほら、かせよ。」
「で、でも…手…繋ぐって…」
桜は顔を真っ赤にして自分の手をグーパーしている。
「はぁ…なら俺の服でも掴んどけ。」
「そうします!」
そう言って俺のブレザーを少し掴む桜。目は泳いでいて、お世辞にもカップルには見えない。だが、ひとまずはこれで何とかしよう。
「桜…。」
「な、何よ。」
「力が強すぎだ。」
「え、嘘。ごめん!!」
全く…。本当に可愛いやつだな。
「とにかく、教室まで送ってやる。」
「…。」
やはり黙り込むか…。
桜に対するいじめ。俺が見てたよりも酷いものだった。男という立場から見れば、何やってんだくらい。だけど、桜は今俺の彼女だ。擬似とはいえど桜へのいじめは絶対に許さない。
「よし、いくぞ。」
「…うん。」
桜の掴む手に少し力が入る。
「ーでさ。」
「今日1限現国だって~。」
「おい、朝練の間何してたんだよ。」
ザワザワと騒がしいのは桜のクラスだ。傍から見ればいじめとは程遠い楽しそうな雰囲気だ。
「桜?大丈夫か?」
「…だい…じょうぶ…。」
桜の顔はさっきとは全く違う。真っ青な顔をしている。
「桜。俺の顔をみろ。」
桜は涙目で俺の事を見上げる。
「大丈夫。桜には俺がついてる。俺は幸い皆に怖がられてるんだ。だからまかせろ。」
「…うん。」
そう言って少し笑顔になってくれた。
あとは、伝え方か。桜がいじめられない最善の発言。
ガラガラガラッ!
…。
一気にクラスが静まり返る。みんなの視線が俺に集まり、中には恐怖の色が見える奴もいる。
「は、早川くん。うちのクラスになんか用でも?」
クラスの中心。また、いじめの中心人物の山本が話しかけてくる。笑顔でくるから胸くそ悪い。
「って、え?なになになんで早川くんがそんなのと一緒にいるの?」
「は?そんなの?」
「ち、違うの!今のは…。」
「はぁ、まあいいけどよ。」
桜に少し振り返って俺は大声で言った。
「てめぇーらが虐めてる小林桜は俺の彼女だ。これ以上桜になんかするようだったら、俺がてめぇらを地獄に叩き落とすからな。覚えとけ!」
…。
「え、彼女…?冗談でしょ?」
「冗談に聞こえんだったら試しにお前のそのメイク塗りたくってる顔をぐちゃぐちゃにでもしてやろーか?」
「ちょ、優也くん!それはダメだよ。」
後ろから桜が止めに入る。
「ゆ、うやくん?本当に付き合ってんの?」
「え、あ、いや…これは…。」
桜はまた俺の後ろに隠れる。
「だから付き合ってるつってんだろ。」
「ちょっとまってよ!何それ!」
今まで席に座って見ていた女のひとりが立ち上がって俺に近づこうとする。
「こっちくんな。気持ちわりぃな。」
「!!失礼な!って、何それ。早川くんのこと…」
「やめてよ!!!」
俺の前に立ってた山本が大声で女の発言を邪魔する。
「いいから…。」
「…?てめぇらの揉め事はどうでもいいが、とにかくこれ以上桜に手出すなよ。」
「…分かったわよ。」
そう言って山本は自分の席に戻った。
「桜?」
振り返ると桜は初めよりも顔はいつも通りにもどっていた。
「これでよかったか?」
「ちょっとやりすぎだけどね。」
「え、すまん!」
「いいの。ふふっ…ありがとう!」
桜は不安と喜びの混ざったようなそんな顔をして教室に入っていった。
これで良かったのか…?
そんな嫌な感じを残して俺は自分の教室へ足を進めた。
「て、て、て…」
「ほら、かせよ。」
「で、でも…手…繋ぐって…」
桜は顔を真っ赤にして自分の手をグーパーしている。
「はぁ…なら俺の服でも掴んどけ。」
「そうします!」
そう言って俺のブレザーを少し掴む桜。目は泳いでいて、お世辞にもカップルには見えない。だが、ひとまずはこれで何とかしよう。
「桜…。」
「な、何よ。」
「力が強すぎだ。」
「え、嘘。ごめん!!」
全く…。本当に可愛いやつだな。
「とにかく、教室まで送ってやる。」
「…。」
やはり黙り込むか…。
桜に対するいじめ。俺が見てたよりも酷いものだった。男という立場から見れば、何やってんだくらい。だけど、桜は今俺の彼女だ。擬似とはいえど桜へのいじめは絶対に許さない。
「よし、いくぞ。」
「…うん。」
桜の掴む手に少し力が入る。
「ーでさ。」
「今日1限現国だって~。」
「おい、朝練の間何してたんだよ。」
ザワザワと騒がしいのは桜のクラスだ。傍から見ればいじめとは程遠い楽しそうな雰囲気だ。
「桜?大丈夫か?」
「…だい…じょうぶ…。」
桜の顔はさっきとは全く違う。真っ青な顔をしている。
「桜。俺の顔をみろ。」
桜は涙目で俺の事を見上げる。
「大丈夫。桜には俺がついてる。俺は幸い皆に怖がられてるんだ。だからまかせろ。」
「…うん。」
そう言って少し笑顔になってくれた。
あとは、伝え方か。桜がいじめられない最善の発言。
ガラガラガラッ!
…。
一気にクラスが静まり返る。みんなの視線が俺に集まり、中には恐怖の色が見える奴もいる。
「は、早川くん。うちのクラスになんか用でも?」
クラスの中心。また、いじめの中心人物の山本が話しかけてくる。笑顔でくるから胸くそ悪い。
「って、え?なになになんで早川くんがそんなのと一緒にいるの?」
「は?そんなの?」
「ち、違うの!今のは…。」
「はぁ、まあいいけどよ。」
桜に少し振り返って俺は大声で言った。
「てめぇーらが虐めてる小林桜は俺の彼女だ。これ以上桜になんかするようだったら、俺がてめぇらを地獄に叩き落とすからな。覚えとけ!」
…。
「え、彼女…?冗談でしょ?」
「冗談に聞こえんだったら試しにお前のそのメイク塗りたくってる顔をぐちゃぐちゃにでもしてやろーか?」
「ちょ、優也くん!それはダメだよ。」
後ろから桜が止めに入る。
「ゆ、うやくん?本当に付き合ってんの?」
「え、あ、いや…これは…。」
桜はまた俺の後ろに隠れる。
「だから付き合ってるつってんだろ。」
「ちょっとまってよ!何それ!」
今まで席に座って見ていた女のひとりが立ち上がって俺に近づこうとする。
「こっちくんな。気持ちわりぃな。」
「!!失礼な!って、何それ。早川くんのこと…」
「やめてよ!!!」
俺の前に立ってた山本が大声で女の発言を邪魔する。
「いいから…。」
「…?てめぇらの揉め事はどうでもいいが、とにかくこれ以上桜に手出すなよ。」
「…分かったわよ。」
そう言って山本は自分の席に戻った。
「桜?」
振り返ると桜は初めよりも顔はいつも通りにもどっていた。
「これでよかったか?」
「ちょっとやりすぎだけどね。」
「え、すまん!」
「いいの。ふふっ…ありがとう!」
桜は不安と喜びの混ざったようなそんな顔をして教室に入っていった。
これで良かったのか…?
そんな嫌な感じを残して俺は自分の教室へ足を進めた。
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