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破燕
九
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翌日の深更。作戦通り、丁は四百もの仲間をほうぼうに放ち、夜陰に紛れて、空き家に火をつけて廻った。幸いと云ってよいのか、燕を見限り、他国で逃げた庶民は多く、その分、人の住まない空き家も増えていた。仲間に調べてさせておいた空き家から、間断なく火の手があがり、闇が凝る街衢を紅に染める。
「火事だ!」
四方で声が上がる。
消火作業の為、赤幘を頭に巻いた、街卒(警察官)と城兵達が駆け付けてくる。濛々と黒煙が立ち込める中、野次馬達はたかり、街卒、城兵達は消火作業と野次馬達の対応にせわしなく追われている。
(今だ!)
物影に身を潜ませていた丁は、指笛を鳴らした。
之が合図だった。
「かかれ!」
咆哮を上げ、物影から二十もの仲間と飛び出す。
鞘を払い、匕首を抜き放つ。炎に群がる野次馬達が、此方の姿を認め、我先にと背を向けて逃げ出す。吶喊と共に、浮足立つ兵士達に襲い掛かる。眼前の敵は三十余り。突然、現れた敵の来襲に、兵士達は剣を抜き放つ間もなく斃されていく。どよめきがほうぼうで起きている。
(うまくいったか)
丁は繰り出された剣峰を前転で躱し、喉元に匕首を突き立てた。返り血が顔を染める。
「旦那。後は頼む」
血塗られた匕首の柄を握り直し、丁は争闘に導かれるように駆けだした。
「火事だ!」
四方で声が上がる。
消火作業の為、赤幘を頭に巻いた、街卒(警察官)と城兵達が駆け付けてくる。濛々と黒煙が立ち込める中、野次馬達はたかり、街卒、城兵達は消火作業と野次馬達の対応にせわしなく追われている。
(今だ!)
物影に身を潜ませていた丁は、指笛を鳴らした。
之が合図だった。
「かかれ!」
咆哮を上げ、物影から二十もの仲間と飛び出す。
鞘を払い、匕首を抜き放つ。炎に群がる野次馬達が、此方の姿を認め、我先にと背を向けて逃げ出す。吶喊と共に、浮足立つ兵士達に襲い掛かる。眼前の敵は三十余り。突然、現れた敵の来襲に、兵士達は剣を抜き放つ間もなく斃されていく。どよめきがほうぼうで起きている。
(うまくいったか)
丁は繰り出された剣峰を前転で躱し、喉元に匕首を突き立てた。返り血が顔を染める。
「旦那。後は頼む」
血塗られた匕首の柄を握り直し、丁は争闘に導かれるように駆けだした。
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