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燕王
六
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一週間が経過した。ひとしきり都を回り終え、退屈に飽いた頃、王への謁見を報せる、官吏が楽毅の元を訪なった。官吏は魏の使者である、楽毅に対して、常時慇懃であった。丁重に見送り、己にとって、正装である蒼の具足を纏った。
宮廷に辿り着くと、案内係の官吏が現れ、謁見の間がある正殿へと。楽毅を案内した。 控えの間へ通され、暫くした後に、謁見の間に通される。
扉の前で、佩剣を近衛に預ける。扉が開くと柱が幾つも立ち並ぶ、荘厳な間が拡がる。
赤い毛氈が階まで続く。階の上には、金の玉座。
銅鑼が鳴った。楽毅は緊張し固まる、己を振臂一呼し心機を今一度整えた。
階の下で拝する。
裾を擦れる音。王が台の袖から侍中を引き連れ、玉座につく。
南面する王の尊顔を拝する場合、王の指示があるまで、面を上げることはできない。
「魏の使者よ。面を上げよ」
「はっ」
拱手し、楽毅は面を上げた。
「あっ」
声が思わず漏れた。
冕冠を被り、紅の絹の装束に身を包んだ、燕王を楽毅は知っていた。
「利星殿―」
そう。双六を飛礫のように放ち、荒くれ者を打ち倒してみせた、客気の侠人。
空咳が鳴った。
「使者楽毅よ。親善の使者としての働き大義であった。魏王が認めた書簡も、孤がしかと受け取った。魏と我が国の親善は、未来永劫と続くものになるであろう」
威風堂々。鉄を纏ったように表情は動かない。ただ淡々と、王としての責務を全うしている。
市井に見た、利星の姿とは、天と地の差があった。他人の空似かと疑うが、王が放つ気配は、紛れもない利星のものである。なるほど。あれを王者の気配とするならば、納得がいく。
「感謝痛み入ります」
「うむ」
銅鑼が鳴る。燕王は目笑した後、立ち上がった。侍中を引き連れ、悠揚と台の袖へと消えていく。
宮廷に辿り着くと、案内係の官吏が現れ、謁見の間がある正殿へと。楽毅を案内した。 控えの間へ通され、暫くした後に、謁見の間に通される。
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赤い毛氈が階まで続く。階の上には、金の玉座。
銅鑼が鳴った。楽毅は緊張し固まる、己を振臂一呼し心機を今一度整えた。
階の下で拝する。
裾を擦れる音。王が台の袖から侍中を引き連れ、玉座につく。
南面する王の尊顔を拝する場合、王の指示があるまで、面を上げることはできない。
「魏の使者よ。面を上げよ」
「はっ」
拱手し、楽毅は面を上げた。
「あっ」
声が思わず漏れた。
冕冠を被り、紅の絹の装束に身を包んだ、燕王を楽毅は知っていた。
「利星殿―」
そう。双六を飛礫のように放ち、荒くれ者を打ち倒してみせた、客気の侠人。
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「感謝痛み入ります」
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