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魔剣争奪戦編
第41話 砕かれたプライド
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スキルとは転移者が異世界に渡る際に与えられるギフトである。
異世界人のように魔法を使えないが、それと同等以上に戦うことができる能力。
そして、スキルが特別と言われる所以こそ"最大解放"だ。
使用後のデメリットがあるが、能力を最大限上げる奥の手である。
アキラのスキル最大解放――【喧嘩特攻】は全身にオーラを纏わせることにより攻撃力、防御力、速度を肉体の限界以上に上げる。
これにより、過去数百年無敗を貫いた魔王:クロスを敗北に追い詰めた。
まさに最強の技だ。
最大の攻撃力、最高の防御力、最速の超高速を操るアキラを倒すのは至難の業だろう。
***
(なんだ 何が起きた ダメー
ジか 頭がまわら ない痛ぇ なんだこれヤバ
いあ、またな にかにぶつか
ったクソが やべぇ死 ぬかも な)
アキラは喰らうはずの無いダメージを負っていた。
身体を回転させながら、分厚い岩壁を5枚ぶち抜き、1km以上離れた場所でようやく動きを止めた。
「――ガハッ!」
一際大きく分厚い岩壁に身体が衝突し、盛大に血を吐いた。
壁には大きくひびが入る。
脳が頭蓋骨の中で激しく踊っているかの如く躍動していた。
言葉もとぎれとぎれで安定せず思考が纏まらない。
何とか目を開くが、
川が
岩が
木が
魚が
虫が
そして自分が、
目の前の全てが歪み、溶けていく。
圧倒的な非現実的光景。
とても不愉快で阿鼻叫喚が広がる視界。
眼前に広がるグロテスクに思わず目を閉じてしまう。
ゆっくりと深呼吸をして息を整える。
何度も何度も呼吸をし直した。
「はー、ヒュー……ヒュー……フゥー……フ―……フ―……――」
脳に酸素が行きわたり思考と視界が安定する。
目の前にあるのは自分が激突していた大きな岩の壁。
厚さは20mはあるだろうか。
それを5枚。合計100mの岩を砕き進んだ。
それだけじゃない。
途中で大きな岩にもぶつかっていた。
数えるとキリがない。
腹部を見れば、そこだけスキルによるオーラが消滅していた。
コートの隙間から腹部を見ると、紫色に変色している。
反撃の跡を認識すると、さらに痛みが強くなり顔をしかめる。
己が優勢だった。
誰が見てもそうだった
だが結果はどうだ?
己の体には大きな傷が残った。
敵を力の限り、
殴り、殴り、殴り、殴り、殴った。
何十発も、何百発も。
だが結果はどうだ?
相手の一発で自分は瀕死だ。
何度も頭の中で自問自答を繰り返した。
そうして出した結論。
――俺は……手を出してはいけない奴に、手を出してしまった――
全身が凍り付いたように動かなくなった。
先ほどまで落ち着いてきていた呼吸が、なぜか激しくなっていた。
背中に寒気が走る。
なのに額からは大量の汗が流れ出た。
「――おい」
声がした。
先ほどまで自分が戦っていた男の声。
自分が今――恐怖を抱いている敵の声。
「まだ、生きてるよね?」
男の声、言葉の一つ一つが恐怖を強くした。
目の前の人間が、人間に見えない。
「フゥー……フゥー、ヒューヒュー……――」
心臓の鼓動が速くなる。
呼吸音が乱れていく。
頭に酸素が行き届いている気がしない。
――心を恐怖が支配した――
(ふざけるな……ふざけんなッッ!)
アキラはプライドが高かった。
恐怖に負けるわけにはいかなかった
その大きな自尊心は、恐怖を凌駕した。
「――ぅおおあ゛あ゛ッッ!!」
声がつぶれるほど雄叫びを上げた。
足に力が入る。
血が滲むほど力を握った拳を掲げた。
目にも止まらぬ速さで敵に迫った。
「それはさっき見た」
横から己の速さを超える速度で何かが飛んでくるのが見えた。
まったく反応できず、それはアキラの頭部を正確に穿つ。
「――グボッ!」
今度は横に体が飛んでいく。
だが先ほどの攻撃より弱い。
なぜならダメージはあるものの、意識が飛ぶほどでもなかったからである。
同じ一撃なら間違いなく気絶――いや、頭部が胴と離れていただろう。
(どう考えても……気づかいだよな……)
朦朧とする意識の中、アキラは思った。
『さっき見た』
一言しか発せられなかった言葉だが、真意は読めていた。
要するに目慣れたのだろう。
一度見ただけで、自分のトップスピードを見切ったと言いたかったのだろう。
「ははは……はっはっはっはっは……」
アキラはただただ笑った。
自身の最大威力の拳は、その男をキズをつけるに至らなかった。
自身の最高の防御力は、その男の攻撃に耐えることはできなかった。
自身の最速の超高速は、その男に見切られカウンターを受ける始末。
己の全ての最強を圧倒されたという事実により、アキラのプライドは全て砕けた。
この瞬間、タローとアキラの戦いは決着を見た。
申し分なく、タローの圧勝である
異世界人のように魔法を使えないが、それと同等以上に戦うことができる能力。
そして、スキルが特別と言われる所以こそ"最大解放"だ。
使用後のデメリットがあるが、能力を最大限上げる奥の手である。
アキラのスキル最大解放――【喧嘩特攻】は全身にオーラを纏わせることにより攻撃力、防御力、速度を肉体の限界以上に上げる。
これにより、過去数百年無敗を貫いた魔王:クロスを敗北に追い詰めた。
まさに最強の技だ。
最大の攻撃力、最高の防御力、最速の超高速を操るアキラを倒すのは至難の業だろう。
***
(なんだ 何が起きた ダメー
ジか 頭がまわら ない痛ぇ なんだこれヤバ
いあ、またな にかにぶつか
ったクソが やべぇ死 ぬかも な)
アキラは喰らうはずの無いダメージを負っていた。
身体を回転させながら、分厚い岩壁を5枚ぶち抜き、1km以上離れた場所でようやく動きを止めた。
「――ガハッ!」
一際大きく分厚い岩壁に身体が衝突し、盛大に血を吐いた。
壁には大きくひびが入る。
脳が頭蓋骨の中で激しく踊っているかの如く躍動していた。
言葉もとぎれとぎれで安定せず思考が纏まらない。
何とか目を開くが、
川が
岩が
木が
魚が
虫が
そして自分が、
目の前の全てが歪み、溶けていく。
圧倒的な非現実的光景。
とても不愉快で阿鼻叫喚が広がる視界。
眼前に広がるグロテスクに思わず目を閉じてしまう。
ゆっくりと深呼吸をして息を整える。
何度も何度も呼吸をし直した。
「はー、ヒュー……ヒュー……フゥー……フ―……フ―……――」
脳に酸素が行きわたり思考と視界が安定する。
目の前にあるのは自分が激突していた大きな岩の壁。
厚さは20mはあるだろうか。
それを5枚。合計100mの岩を砕き進んだ。
それだけじゃない。
途中で大きな岩にもぶつかっていた。
数えるとキリがない。
腹部を見れば、そこだけスキルによるオーラが消滅していた。
コートの隙間から腹部を見ると、紫色に変色している。
反撃の跡を認識すると、さらに痛みが強くなり顔をしかめる。
己が優勢だった。
誰が見てもそうだった
だが結果はどうだ?
己の体には大きな傷が残った。
敵を力の限り、
殴り、殴り、殴り、殴り、殴った。
何十発も、何百発も。
だが結果はどうだ?
相手の一発で自分は瀕死だ。
何度も頭の中で自問自答を繰り返した。
そうして出した結論。
――俺は……手を出してはいけない奴に、手を出してしまった――
全身が凍り付いたように動かなくなった。
先ほどまで落ち着いてきていた呼吸が、なぜか激しくなっていた。
背中に寒気が走る。
なのに額からは大量の汗が流れ出た。
「――おい」
声がした。
先ほどまで自分が戦っていた男の声。
自分が今――恐怖を抱いている敵の声。
「まだ、生きてるよね?」
男の声、言葉の一つ一つが恐怖を強くした。
目の前の人間が、人間に見えない。
「フゥー……フゥー、ヒューヒュー……――」
心臓の鼓動が速くなる。
呼吸音が乱れていく。
頭に酸素が行き届いている気がしない。
――心を恐怖が支配した――
(ふざけるな……ふざけんなッッ!)
アキラはプライドが高かった。
恐怖に負けるわけにはいかなかった
その大きな自尊心は、恐怖を凌駕した。
「――ぅおおあ゛あ゛ッッ!!」
声がつぶれるほど雄叫びを上げた。
足に力が入る。
血が滲むほど力を握った拳を掲げた。
目にも止まらぬ速さで敵に迫った。
「それはさっき見た」
横から己の速さを超える速度で何かが飛んでくるのが見えた。
まったく反応できず、それはアキラの頭部を正確に穿つ。
「――グボッ!」
今度は横に体が飛んでいく。
だが先ほどの攻撃より弱い。
なぜならダメージはあるものの、意識が飛ぶほどでもなかったからである。
同じ一撃なら間違いなく気絶――いや、頭部が胴と離れていただろう。
(どう考えても……気づかいだよな……)
朦朧とする意識の中、アキラは思った。
『さっき見た』
一言しか発せられなかった言葉だが、真意は読めていた。
要するに目慣れたのだろう。
一度見ただけで、自分のトップスピードを見切ったと言いたかったのだろう。
「ははは……はっはっはっはっは……」
アキラはただただ笑った。
自身の最大威力の拳は、その男をキズをつけるに至らなかった。
自身の最高の防御力は、その男の攻撃に耐えることはできなかった。
自身の最速の超高速は、その男に見切られカウンターを受ける始末。
己の全ての最強を圧倒されたという事実により、アキラのプライドは全て砕けた。
この瞬間、タローとアキラの戦いは決着を見た。
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