夏がおわる 秋が来る

春野 鈴花

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実行委員!

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「実行委員になりたい人。」
「………」
(またこれか…)
秋原は思っていた。
俺の学年は、誰も実行委員に立候補
しないのだ。だから毎年秋原が実行委員に
なるハメになるのだった。

 頼み事は断れない

(今まで、七回実行委員全部俺だ…)
「実行委員やらねーのか?」
「はー」
男子に言われて秋原は、ため息をつく。
(なんでこんなあだ名がついたんだろう。)
(分かるけど…)
「夏空は、実行委員やらないのか?」
「八月九日だからね。」
「夏空、実行委員やらないか。」
「へ?」
「やらないなら、別にいつも通り
 俺だけでやるけど。」
「やる。」
顔を上げて笑顔になった夏空を見て秋原が、
「よし、決まりだな!」
「うん。」
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