それぞれの事情

三章 美香

念願の？

これ成り行きお持ち帰りだったなあ
後から考えれば
下心ありありだったのね

いやその時は美香自身痛くて痛くて
予感もやかんもあった話じゃなかった

絆創膏を頂きスットンキグを
トイレで脱ぎ絆創膏を貼り
血だらけスットンキグに
足を入れかけとき外から
｢サンダル貸してあげるから
靴はくの止めた方が良い｣
と言われ
｢へぇっ？はい～すいません～｣
一瞬固まるもトイレから出ると
思いっ切り抱き締められた

血だらけスットンキグを持ったまま
キスをされ
｢良い？｣と聞かれる

嫌だと言えばそれっきり
うんと言えば念願の脱処女
チャンス来た！

美香は好意を持っていたし
成るべくしてなる
これが自然の成り行き

ただ
準備とか勝負下着とかなんもなく
抱かれるのは…………

布団に押し倒され
もちろん愛撫はあったとは思うが
訳分からない内に
硬いものが下半身に当てがわれ
痛いのなんのって
靴擦れの非じゃない！
痛い痛い痛いの連呼
｢初めて？｣
今になって聞く？と戸惑う美香が
頷くと

一瞬固まったが
｢嬉しいなあ｣
と言われて
美香はなんて返すべきなのか
悩んでいるうちに

なんかローション的な物を塗られたが
冷たかったのとベチャベチャ
な感じが気持ち悪くて
頭はどんどんシラけていく

それに比例して痛みは酷くなる
痛い痛い痛い痛い痛いの連呼連呼

｢ゴムはつけたよ｣

｢やっとやっと入ったよ｣
って言われても
答えは見つからない

何回か動いたら
｢でるー｣
出たらしい

脱処女終わり

家まで送ると言われたが
何だか気まずので断り
パンプス持ってサンダル借りて
とぼとぼと帰宅した

美香はその場で出血しなかったので
一瞬処女を疑われたが
家に帰りお風呂で
体を洗っていたとき出血した

出血したじゃん　
当たり前だ　処女だから
でもなんか虚しくて
しなくて良かったかもなんて
呟く美香だった