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連載
#329-3 リリスの思い③
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「ブモッ!」
「うわっと!?」
帰り道が分からず立ちすくんでいたリリスの近くの茂みから、リリスの身長と同じくらいの体高がある、大きな赤い猪の魔物が飛び出してきた。
それはレッドボアというDランクの危険度に分類される魔物で、この辺りの生態系ではかなり上の方に属している魔物だ。
「ブモォォォ!」
「わぁっ!?」
そんなレッドボアは、リリスを完全に獲物として見ているようで、猛スピードでの突進を繰り返し行ってくる。
リリスはそれをなんとか躱しはしたものの、その巨体が近くを走り抜けるだけでかなりの衝撃が伝わってきて、当たったらタダじゃ済まないし、いずれは躱しきれなくなってしまうかもと感じさせられた。
なので、とりあえず広い場所から木々の隙間へと逃げ込み、距離を取っていく。
「ブモォォッ!!」
「えぇっ!?」
だが、レッドボアは障害物など知らないと言わんばかりに、木を突進してへし折りながらリリスの事を追ってきた。
その後も5分くらいなんとか森をぐるぐる回って逃げ回るものの、魔物特有の無尽蔵の体力を生かして、レッドボアはリリスを追いかけ回してくる。
「ど、どうしようっ…… あっ……!」
そんな中、リリスは痛恨にも足下に生えていた蔦に足を取られて転んでしまった。
「ブモッ」
そんなリリスを見て、好機と見たレッドボアは、足を何度か後方に助走を付けるかのように踏み鳴らし、リリス目掛けて走り出した。
「うおおっ! 待てぇっ!!」
「ブモォッ!?」
だが、走り出してすぐに、木々の隙間からライリーが出てきて、持っていた松葉杖のようなものでレッドボアの横腹に力の限りの刺突をお見舞いした。
意識外から思わぬ一撃に、レッドボアは大きく体をよろめかせ、走り出そうとしていた事もあってパランスを崩し、地面に転がっていった。
「お、お父さんっ!?」
「大丈夫か、リリスっ!?」
ライリーはもう片方の杖を使ってなんとかリリスの元へと駆け寄り、リリスを助け起こした。
「ブモォォォォッ!!」
「くそっ、もう起きたかっ」
「お父さんっ、先に逃げてっ! 僕の方が足速いからっ」
「馬鹿野郎、娘を置いて逃げられるか!」
だが、レッドボアはすぐに立ち上がると、怒った様子でリリスとライリーのところにまで突進してきた。
「大丈夫ですか、お二人とも!?」
「あっ、シュージ!」
「シュージさんっ」
そんなレッドボアとリリスとライリーの間に、今度はシュージが割り込んでいった。
先程までは結構離れた場所を探しに行っていたシュージだが、先程レッドボアが薙ぎ倒した木々の倒れる音を聞きつけ、急いで駆け寄ってきたのだ。
「ブモォォッ!」
「ぬぅんっ!!」
「ブモォッ!?」
「おおおおっ!!!」
そして、シュージは突っ込んでくるレッドボアに対し、腕に装着したガントレットの身体強化魔法を起動させ、大きく踏み込んでの全力右ストレートを繰り出していった。
その拳はズドンっと鈍い音を発しながらレッドボアの鼻先とぶつかり合った。
すると、バギベキボキッとレッドボアの全身の骨が砕ける音が辺りに響いたかと思うと、一瞬の均衡の後、レッドボアをズドォォンと木々を薙ぎ倒しながら数十メートルほど吹き飛ばしていった。
※※※
コロコロ変わって申し訳ないですが、明日から投稿時間を18:00に変更しますm(_ _)m
「うわっと!?」
帰り道が分からず立ちすくんでいたリリスの近くの茂みから、リリスの身長と同じくらいの体高がある、大きな赤い猪の魔物が飛び出してきた。
それはレッドボアというDランクの危険度に分類される魔物で、この辺りの生態系ではかなり上の方に属している魔物だ。
「ブモォォォ!」
「わぁっ!?」
そんなレッドボアは、リリスを完全に獲物として見ているようで、猛スピードでの突進を繰り返し行ってくる。
リリスはそれをなんとか躱しはしたものの、その巨体が近くを走り抜けるだけでかなりの衝撃が伝わってきて、当たったらタダじゃ済まないし、いずれは躱しきれなくなってしまうかもと感じさせられた。
なので、とりあえず広い場所から木々の隙間へと逃げ込み、距離を取っていく。
「ブモォォッ!!」
「えぇっ!?」
だが、レッドボアは障害物など知らないと言わんばかりに、木を突進してへし折りながらリリスの事を追ってきた。
その後も5分くらいなんとか森をぐるぐる回って逃げ回るものの、魔物特有の無尽蔵の体力を生かして、レッドボアはリリスを追いかけ回してくる。
「ど、どうしようっ…… あっ……!」
そんな中、リリスは痛恨にも足下に生えていた蔦に足を取られて転んでしまった。
「ブモッ」
そんなリリスを見て、好機と見たレッドボアは、足を何度か後方に助走を付けるかのように踏み鳴らし、リリス目掛けて走り出した。
「うおおっ! 待てぇっ!!」
「ブモォッ!?」
だが、走り出してすぐに、木々の隙間からライリーが出てきて、持っていた松葉杖のようなものでレッドボアの横腹に力の限りの刺突をお見舞いした。
意識外から思わぬ一撃に、レッドボアは大きく体をよろめかせ、走り出そうとしていた事もあってパランスを崩し、地面に転がっていった。
「お、お父さんっ!?」
「大丈夫か、リリスっ!?」
ライリーはもう片方の杖を使ってなんとかリリスの元へと駆け寄り、リリスを助け起こした。
「ブモォォォォッ!!」
「くそっ、もう起きたかっ」
「お父さんっ、先に逃げてっ! 僕の方が足速いからっ」
「馬鹿野郎、娘を置いて逃げられるか!」
だが、レッドボアはすぐに立ち上がると、怒った様子でリリスとライリーのところにまで突進してきた。
「大丈夫ですか、お二人とも!?」
「あっ、シュージ!」
「シュージさんっ」
そんなレッドボアとリリスとライリーの間に、今度はシュージが割り込んでいった。
先程までは結構離れた場所を探しに行っていたシュージだが、先程レッドボアが薙ぎ倒した木々の倒れる音を聞きつけ、急いで駆け寄ってきたのだ。
「ブモォォッ!」
「ぬぅんっ!!」
「ブモォッ!?」
「おおおおっ!!!」
そして、シュージは突っ込んでくるレッドボアに対し、腕に装着したガントレットの身体強化魔法を起動させ、大きく踏み込んでの全力右ストレートを繰り出していった。
その拳はズドンっと鈍い音を発しながらレッドボアの鼻先とぶつかり合った。
すると、バギベキボキッとレッドボアの全身の骨が砕ける音が辺りに響いたかと思うと、一瞬の均衡の後、レッドボアをズドォォンと木々を薙ぎ倒しながら数十メートルほど吹き飛ばしていった。
※※※
コロコロ変わって申し訳ないですが、明日から投稿時間を18:00に変更しますm(_ _)m
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