マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 強面、筋骨隆々、非常に強い。でもとっても優しい男が異世界でほのぼの暮らすお話

かむら

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#329-2 リリスの思い②

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「村の方に行ってないとなると、まさか森の方に……!?」


 リリスの行き先に心当たりがあるのか、ライリーがそう焦った様子で口にした。


「森というと、村の西側にある森ですかね?」

「ああ…… この時期になると、ライスを狙う魔物が増えて、危ないんだ。 森との境目には魔物避けの魔道具があるから、直接村には来れないが、もしそれを越えて森に入ってしまっていたら……」

「そんな……!」

「分かりました。 では、僕とガルさんで森の方を探しに行きます。 クリスさんは村の方に戻って、村にリリスさんがいないかの確認と、他に動けそうな方がいたら呼んできてください」

「わ、分かりましたっ」

「俺も森に行くっ」


 そうシュージが手早く指示を出していると、ライリーがそう言ってきた。
 

「えっ、でも、ライリーさんは足が……」

「義足と杖を使えばそれなりには動けるから大丈夫だ。 ただ、魔物に遭うと流石に危ないから、森の浅いところを探すよ」

「では、深いところは僕たちが」


 役割分担を決めたシュージ達は、早速小屋から出て動き出した。

 先程リリスが小屋を出てからまだ10分も経っていないので、いかにリリスの足が速いとはいえ、そこまで遠くには行ってないとは考えている。

 ただ、森までの1kmないくらいの場所には少なくともリリスはいなかった。


「この辺からは魔物避けの魔道具が効かなくなるから、注意した方がいい」

「分かりました。 そうしたら、ガルさんはあっち側を。 僕はこっちに行きますね」

「ああ、分かった」

「俺はこの出口辺りを見てまわっておくよ」

「了解です」


 ひとまず森に入ったシュージ達は、別れてリリスを探し始めるのであった。


 
 *



「もうっ、パパのバカっ」


 ノガナ村の西側にある森の中。

 リリスは未だに煮えくり返った怒りを隠さずに森の中を歩いていた。


(お母さんはもう少しで死んじゃうかもってくらい苦労したのに……)


 その怒りの矛先であるライリーは、自分達が苦労していた間、普通に生きていた。


(でも、お父さん、足無かった…… それに、記憶を失くして…… お父さんも、苦労してたのかな……)


 ただ、少し時間を置いて思考が落ち着いてくると、ライリーもライリーでかなり酷い目に遭っていたという事に気付く。


(で、でも、それはお父さんが探検先で油断するからっ。 お母さんと僕が待ってるのに、怪我するなんてっ)


 ライリーが聞いたら普通にダメージを受けそうな至極真っ当な指摘もリリスの頭には浮かんでくる。


(……けど、ちょっと言い過ぎちゃったかな)


 先程は怒りのまま、バカだのなんだの言ってしまい、ライリーの言い分も何も聞いていなかったなと、リリスは少し後悔した。


(……うん、もう一回会って話しよっ。 ……とりあえず生きててくれたのは、嬉しいし)


 時間を置いた事で思考がまとまってきたリリスは、村に戻ろうと踵を返した。


「……って、あれ? ここどこ……?」


 ただ、気付けば結構な距離…… しかもその距離を歩いていた間、リリスはずっと考え事をしていたので、自分がどうやってここまで来たのかを全く把握していなかった。


「どうしよう……」


 ――ガサガサっ


「えっ?」


 そんなリリスのすぐ近くの茂みから、何かが蠢くような音が聞こえてきた。
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