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#336 祭典のお話
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宿を出たシュージ達は大教会へと辿り着き、ネルとシュージは大教会に勤める人にとってはかなりの有名人なので、ほぼ顔パスで大教会の偉い人しか入れないスペースにまで入れてもらえた。
「クー」
「わふわふ」
「コンっ」
「こらこら、あんまりはしゃいじゃだめだぞ」
そんな場所の応接室のような場所でティナ達を待っている訳だが、コロ、マフ、ムウのテンションがかなり高く、あっちへぴょんぴょんこっちへふよふよと部屋の中を動き回っていた。
一応、テンションの高い理由も分かっており、というのも、神獣達は創造主であるソフィアの事が大好きなので、ソフィアの気配がかなり強い大教会の中は何だかテンションが上がってしまうらしい。
「お待たせしました、シュージさん、ネル、それと神獣様方も」
そんな風にわちゃわちゃしているコロ達を抱っこしたりなでなでしたりして宥めていると、教皇であるティナと枢機卿であるツィーロが部屋に入ってきた。
「ご無沙汰してます、ティナ様、ツィーロさん」
「ん、ちょっとぶり」
「皆様お変わりないようで、何よりですな」
前回ティナとツィーロに会ったのは、2人が蒼天の風へ遊びに来た時なので、まぁまぁ久しぶりだ。
ティナもツィーロもできるならもっと遊びに来たかったそうだが、日々の執務や今回の祭典の準備があって、中々時間が取れなかったらしい。
「今回は我が国の祭典へ来てくださり、ありがとうございます。 明日からの祭典、ぜひ楽しんでいってください」
「こちらこそ、宿の手配とかしていただいたようで、ありがとうございました。 存分に楽しませてもらいますね」
「コンコン!」
「わふー!」
「クー」
「ふふ、コロちゃんマフちゃんも楽しんでいってください。 ……って、もうお一方増えてますね?」
「亀の神獣のムウちゃん」
「クー」
「おやおや、浮いていて可愛らしいですなぁ」
今回初めて対面したムウにティナとツィーロが挨拶をすると、ムウもコクコクと頭を上下させて「よろしくねー」とのんびりとした挨拶をしてくれた。
「わふー?」
「あら、どうしましたか?」
「多分、ソフィア様はいないのかって聞いてる」
「ああ、なるほど。 ソフィア様は今回はいらっしゃいませんね」
「わふー」
ティナのそんな回答を聞いて、コロは「そっかー」とちょっと残念そうにしたが、いないものはしょうがないかとすぐに気持ちを切り替え、ティナに抱っこをせがんでいた。
「こういう時は来そうだなって勝手に思ってましたけど、来てないんですね」
「私も少しそういった予想はしてたのですが、来られませんね。 ……ただ、余りにもアクションがないので、ちょっと怪しい気もするのですが……」
「怪しいって?」
「あのお方がこんなイベントを見逃すとは思えなくて…… 良からぬ事…… は考えてないと思いますけど、何かを準備しているような気がして……」
「はは、何となく僕もそんな気はします」
「まぁ、ソフィア様の考えておられる事を我々が推察する事は出来ませんから、大人しく身を任せるしかないかと」
「それはそうなんですけど…… 何か突拍子もない事をしようとしてるような……」
普段からふらっと突然地上に降りたりしてティナを驚かせては、それを楽しんでいるソフィアなので、今回の祭典でも何かをして来そうな予感がしているようだ。
「まぁ、それこそ神のみぞ知るという事でしょうからな。 むしろ、ソフィア様が何かをしてくださるならば、私はそれを楽しみたいと思います」
「ツィーロは楽観的ですね…… でも、確かに考えても分からない事にいつまでも憂いているのは時間が勿体無いかもしれません」
「ん、その通り。 ほら、コロちゃんももっと構ってって」
「わふわふー♪」
中々に心労が耐えなさそうなティナに、ネルがコロを抱っこして踊っているかのように前足をパタパタさせていく。
「ふふ、そうですね。 こうして心が休まる場はこの時期貴重ですから、楽しみませんと」
ティナもそう言うと、目の前にいたマフを優しく抱っこして、そのもふもふを堪能し始めた。
「そういえば、今回の祭典はどんな事が行われるんですか?」
お祭りがあるという事は聞いていたものの、どういう催しがあるのかシュージはあまり知らなかったので、ティナ達に聞いてみた。
「そうですね、まず今回の祭典は明日から3日にかけて行われて、初日の開始時には大教会の前に聖女や神官達、さらに多くの民達が集まって、皆さんで祈りを捧げます」
「おお、それは何とも壮観な図になりそうですね」
「その祈りを持って祭典が始まり、私やツィーロのような高位の神官達による講演があったり、2日目、3日目には聖女達によるダンスが披露されたり、声楽隊と演奏隊による演奏会が開かれたりします」
「中々にイベントが盛り沢山ですね」
「聖女のダンス、懐かしい」
「ふふ、去年のネルのダンスは可愛らしかったですね」
「……筆頭聖女だからって、最前列で踊らされたの、恥ずかしかった」
「はは、とても立派だったから、シュージ殿達にも見てもらいたかったですな」
そんな風に去年までの祭典の思い出なんかも交えつつ、他にもお互いの近況だったりを話したりして、ティナとツィーロにとっては久しぶりのまともな休息の時間を存分に楽しむのであった。
「クー」
「わふわふ」
「コンっ」
「こらこら、あんまりはしゃいじゃだめだぞ」
そんな場所の応接室のような場所でティナ達を待っている訳だが、コロ、マフ、ムウのテンションがかなり高く、あっちへぴょんぴょんこっちへふよふよと部屋の中を動き回っていた。
一応、テンションの高い理由も分かっており、というのも、神獣達は創造主であるソフィアの事が大好きなので、ソフィアの気配がかなり強い大教会の中は何だかテンションが上がってしまうらしい。
「お待たせしました、シュージさん、ネル、それと神獣様方も」
そんな風にわちゃわちゃしているコロ達を抱っこしたりなでなでしたりして宥めていると、教皇であるティナと枢機卿であるツィーロが部屋に入ってきた。
「ご無沙汰してます、ティナ様、ツィーロさん」
「ん、ちょっとぶり」
「皆様お変わりないようで、何よりですな」
前回ティナとツィーロに会ったのは、2人が蒼天の風へ遊びに来た時なので、まぁまぁ久しぶりだ。
ティナもツィーロもできるならもっと遊びに来たかったそうだが、日々の執務や今回の祭典の準備があって、中々時間が取れなかったらしい。
「今回は我が国の祭典へ来てくださり、ありがとうございます。 明日からの祭典、ぜひ楽しんでいってください」
「こちらこそ、宿の手配とかしていただいたようで、ありがとうございました。 存分に楽しませてもらいますね」
「コンコン!」
「わふー!」
「クー」
「ふふ、コロちゃんマフちゃんも楽しんでいってください。 ……って、もうお一方増えてますね?」
「亀の神獣のムウちゃん」
「クー」
「おやおや、浮いていて可愛らしいですなぁ」
今回初めて対面したムウにティナとツィーロが挨拶をすると、ムウもコクコクと頭を上下させて「よろしくねー」とのんびりとした挨拶をしてくれた。
「わふー?」
「あら、どうしましたか?」
「多分、ソフィア様はいないのかって聞いてる」
「ああ、なるほど。 ソフィア様は今回はいらっしゃいませんね」
「わふー」
ティナのそんな回答を聞いて、コロは「そっかー」とちょっと残念そうにしたが、いないものはしょうがないかとすぐに気持ちを切り替え、ティナに抱っこをせがんでいた。
「こういう時は来そうだなって勝手に思ってましたけど、来てないんですね」
「私も少しそういった予想はしてたのですが、来られませんね。 ……ただ、余りにもアクションがないので、ちょっと怪しい気もするのですが……」
「怪しいって?」
「あのお方がこんなイベントを見逃すとは思えなくて…… 良からぬ事…… は考えてないと思いますけど、何かを準備しているような気がして……」
「はは、何となく僕もそんな気はします」
「まぁ、ソフィア様の考えておられる事を我々が推察する事は出来ませんから、大人しく身を任せるしかないかと」
「それはそうなんですけど…… 何か突拍子もない事をしようとしてるような……」
普段からふらっと突然地上に降りたりしてティナを驚かせては、それを楽しんでいるソフィアなので、今回の祭典でも何かをして来そうな予感がしているようだ。
「まぁ、それこそ神のみぞ知るという事でしょうからな。 むしろ、ソフィア様が何かをしてくださるならば、私はそれを楽しみたいと思います」
「ツィーロは楽観的ですね…… でも、確かに考えても分からない事にいつまでも憂いているのは時間が勿体無いかもしれません」
「ん、その通り。 ほら、コロちゃんももっと構ってって」
「わふわふー♪」
中々に心労が耐えなさそうなティナに、ネルがコロを抱っこして踊っているかのように前足をパタパタさせていく。
「ふふ、そうですね。 こうして心が休まる場はこの時期貴重ですから、楽しみませんと」
ティナもそう言うと、目の前にいたマフを優しく抱っこして、そのもふもふを堪能し始めた。
「そういえば、今回の祭典はどんな事が行われるんですか?」
お祭りがあるという事は聞いていたものの、どういう催しがあるのかシュージはあまり知らなかったので、ティナ達に聞いてみた。
「そうですね、まず今回の祭典は明日から3日にかけて行われて、初日の開始時には大教会の前に聖女や神官達、さらに多くの民達が集まって、皆さんで祈りを捧げます」
「おお、それは何とも壮観な図になりそうですね」
「その祈りを持って祭典が始まり、私やツィーロのような高位の神官達による講演があったり、2日目、3日目には聖女達によるダンスが披露されたり、声楽隊と演奏隊による演奏会が開かれたりします」
「中々にイベントが盛り沢山ですね」
「聖女のダンス、懐かしい」
「ふふ、去年のネルのダンスは可愛らしかったですね」
「……筆頭聖女だからって、最前列で踊らされたの、恥ずかしかった」
「はは、とても立派だったから、シュージ殿達にも見てもらいたかったですな」
そんな風に去年までの祭典の思い出なんかも交えつつ、他にもお互いの近況だったりを話したりして、ティナとツィーロにとっては久しぶりのまともな休息の時間を存分に楽しむのであった。
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