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#130 捨てちゃう部位も美味しくなるのです
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「何作っとるんじゃ、シュージ?」
「おや、ジンバさん」
シュージが厨房で作業してると、珍しくジンバがやって来た。
いつもは大体鍛冶場にいるのだが、今日は早めにお腹が空いたらしい。
「今日はジンバさんとシドさん、あとイザベラさんしかいないので、ちょっと大人向けなご飯を作ってます」
「ふむ? 何か煮込んだり焼いたりしとるようじゃが」
「一応、どれもお肉料理に分類されるとは思います」
そう言いながらシュージは、鍋の様子をちょこちょこ見ながら、炭を焚いたグリルで、串に刺した肉を焼いていく。
「その鍋の中身は?」
「こちらはバッファローのすじ肉を煮込んでいます」
「すじ肉を?」
「これが結構美味しいんですよ」
今回シュージが作っているのは、この辺りだと捨ててしまうという肉の部位を使った料理だった。
鍋に入ったすじ肉はすでに2時間ほど煮込んでいて、あとは仕上げのみとなっている。
「そっちで焼いてるのは?」
「これはバッファローのレバーと、コッコの皮、あと砂肝っていう内臓の串焼きですね」
「……あんまり美味そうには聞こえんな」
「馴染みがないとそうかもしれませんね。 ただ、ジンバさんは結構気にいると思うんですよねぇ」
「何故じゃ?」
「どれもお酒に凄く合います」
「ほう…… では、酒の用意をしておこう」
ドワーフであるジンバは酒に目がないのもそうだが、同じくらい酒に合う料理も好きだ。
そんな彼が酒に合う料理と聞いて取る行動は一つで、早速色んな酒を厨房から運び始めた。
まだ昼間ではあるが、ジンバは日頃から時間は特に関係なくお酒を飲んでいるので、せっせと酒を用意しているジンバを、シュージはむしろ微笑ましそうに見ていた。
そうこうしているうちにすじ肉がいい感じになってきたので、一度ザルに上げたら別鍋に入れて、すじ肉から出た煮汁を張り、手で崩した豆腐、ネギ、ニラを入れたら、砂糖、味噌、醤油を加えて10分くらい煮込む。
「美味しそうな匂いですね……」
「お、シドさん、イザベラさんも」
「んん? ジンバ、なんでそんなウキウキで酒を用意してるんだい?」
「今日の飯は酒に合うらしいからの」
「へぇ。 なら私も、事務仕事は片付けたし、少し飲もうかね」
シドとイザベラが来た所で串焼きもいい感じに焼け、味噌煮込みにしていた豆腐や野菜にも火が通ったので、それらを皿に盛り付けてテーブルへと運んだ。
「今日のご飯はちょっと大人向けで、こちらがバッファローのすじ肉煮込み、こちらがコッコの皮と内臓、あとバッファローのレバーの串焼きになってます。 とりあえず、騙されたと思って食べてみてください」
全く馴染みのない料理達に3人ともちょっと面食らっていたが、シュージに言われた通りまずは一口すじ肉を口に運んでいった。
「むっ、これは美味いの」
「すごいぷるぷるで柔らかいねぇ?」
「ちょっとクセはありますけど、それがまた良いですね……」
やはり、3人ともこのギルドの中だと年齢が上の方なので、すじ肉特有のクセもむしろ美味しく感じられるようだ。
クセとは言っても、今回のすじ肉はしっかり下処理もされていて、更には魔物食材ということもあり、クセの方が全く気にならないぐらい旨味がすごいのだ。
特にそのすじ肉から出た煮汁が絶品で、味噌と合わさることでそれはもう濃厚な旨味のあるスープとなっていた。
「串焼きの方もぜひどうぞ」
「コッコの皮でしたっけ……? ……んっ、パリパリで美味しいですね……! あ、でも、ちゃんと皮の食感もあって、噛めば噛むほど美味しいです……」
今回、しっかり炭火で焼き上げたこともあり、外側がパリパリになっている鶏皮は非常に絶品だった。
味付けは塩のみだが、それ以外いらないと思えるほどで、酒がどんどん進みそうな一品に仕上がっていた。
「んっ、これ、すごい歯応えあるねぇ?」
「その砂肝も内臓なんですけど、ほとんど筋肉で出来た部位なので、硬めの食感なんですよ」
「内臓にも色々あるんだねぇ」
砂肝の方も、絶妙な硬さとシャキシャキとした食感、そして当然のように旨味も強いので、これはむしろ塩だけの方が合っていると思わされる一品となっていた。
結構食わず嫌いされる事も多い砂肝だが、シュージは焼き鳥の中でもトップクラスに好きな部位だったりする。
「それでこいつは…… うむ、これも美味いの」
「これはかなり独特な風味と食感ですね…… 僕は結構好みです……」
そして、かなり臭みや独特な味のせいで苦手だという人が多いレバーだが、嫌いな人でも一度モノがいいレバーを食べてみて欲しいとシュージは思っている。
しっかり下処理された新鮮なレバーは、他の部位とはまた違った旨味の強さが感じられて、非常に美味しいのだ。
「確かにこれは酒が進むの」
「本当だねぇ。 つい飲み過ぎちゃいそうだよ」
「あれ、シュージさん、あんまり食べてないですけど……」
「ああ、実はこの後、これらを買った肉屋にもこの料理達を持って行って、そこの店員さん達とも食べるんです。 なので、今はちょっと控え目にしてます」
「なるほど……」
「今まで捨ててたらしいですから、ぜひ魅力を知ってもらいたいんですよね」
「それはきっと喜ぶじゃろうな」
「ゴミを捨てるのにも、量が多かったりすると金がかかるからね。 しかも、普通に売り物として成立するなら、かなり儲けも増えそうだ」
今回使ったすじ肉や内臓はほぼタダで貰ったものなので、その恩返しとして実際の料理とレシピを持っていくつもりだ。
「シュージ、これ気に入ったから、今度の晩酌でまた用意しとくれ」
「はは、分かりました。 何ならまだ出してないのもありますから、また作りますね」
どうやら酒飲みのジンバには内臓系の料理は刺さったようで、その後の晩酌にはレバーや砂肝などといった内臓を使った料理が頻繁に出るようになった。
ちなみに、実際に食べてもらった肉屋の店員達にも美味しいと言ってもらえ、新たな売り物ができそうだとめちゃくちゃ感謝されるのであった。
「おや、ジンバさん」
シュージが厨房で作業してると、珍しくジンバがやって来た。
いつもは大体鍛冶場にいるのだが、今日は早めにお腹が空いたらしい。
「今日はジンバさんとシドさん、あとイザベラさんしかいないので、ちょっと大人向けなご飯を作ってます」
「ふむ? 何か煮込んだり焼いたりしとるようじゃが」
「一応、どれもお肉料理に分類されるとは思います」
そう言いながらシュージは、鍋の様子をちょこちょこ見ながら、炭を焚いたグリルで、串に刺した肉を焼いていく。
「その鍋の中身は?」
「こちらはバッファローのすじ肉を煮込んでいます」
「すじ肉を?」
「これが結構美味しいんですよ」
今回シュージが作っているのは、この辺りだと捨ててしまうという肉の部位を使った料理だった。
鍋に入ったすじ肉はすでに2時間ほど煮込んでいて、あとは仕上げのみとなっている。
「そっちで焼いてるのは?」
「これはバッファローのレバーと、コッコの皮、あと砂肝っていう内臓の串焼きですね」
「……あんまり美味そうには聞こえんな」
「馴染みがないとそうかもしれませんね。 ただ、ジンバさんは結構気にいると思うんですよねぇ」
「何故じゃ?」
「どれもお酒に凄く合います」
「ほう…… では、酒の用意をしておこう」
ドワーフであるジンバは酒に目がないのもそうだが、同じくらい酒に合う料理も好きだ。
そんな彼が酒に合う料理と聞いて取る行動は一つで、早速色んな酒を厨房から運び始めた。
まだ昼間ではあるが、ジンバは日頃から時間は特に関係なくお酒を飲んでいるので、せっせと酒を用意しているジンバを、シュージはむしろ微笑ましそうに見ていた。
そうこうしているうちにすじ肉がいい感じになってきたので、一度ザルに上げたら別鍋に入れて、すじ肉から出た煮汁を張り、手で崩した豆腐、ネギ、ニラを入れたら、砂糖、味噌、醤油を加えて10分くらい煮込む。
「美味しそうな匂いですね……」
「お、シドさん、イザベラさんも」
「んん? ジンバ、なんでそんなウキウキで酒を用意してるんだい?」
「今日の飯は酒に合うらしいからの」
「へぇ。 なら私も、事務仕事は片付けたし、少し飲もうかね」
シドとイザベラが来た所で串焼きもいい感じに焼け、味噌煮込みにしていた豆腐や野菜にも火が通ったので、それらを皿に盛り付けてテーブルへと運んだ。
「今日のご飯はちょっと大人向けで、こちらがバッファローのすじ肉煮込み、こちらがコッコの皮と内臓、あとバッファローのレバーの串焼きになってます。 とりあえず、騙されたと思って食べてみてください」
全く馴染みのない料理達に3人ともちょっと面食らっていたが、シュージに言われた通りまずは一口すじ肉を口に運んでいった。
「むっ、これは美味いの」
「すごいぷるぷるで柔らかいねぇ?」
「ちょっとクセはありますけど、それがまた良いですね……」
やはり、3人ともこのギルドの中だと年齢が上の方なので、すじ肉特有のクセもむしろ美味しく感じられるようだ。
クセとは言っても、今回のすじ肉はしっかり下処理もされていて、更には魔物食材ということもあり、クセの方が全く気にならないぐらい旨味がすごいのだ。
特にそのすじ肉から出た煮汁が絶品で、味噌と合わさることでそれはもう濃厚な旨味のあるスープとなっていた。
「串焼きの方もぜひどうぞ」
「コッコの皮でしたっけ……? ……んっ、パリパリで美味しいですね……! あ、でも、ちゃんと皮の食感もあって、噛めば噛むほど美味しいです……」
今回、しっかり炭火で焼き上げたこともあり、外側がパリパリになっている鶏皮は非常に絶品だった。
味付けは塩のみだが、それ以外いらないと思えるほどで、酒がどんどん進みそうな一品に仕上がっていた。
「んっ、これ、すごい歯応えあるねぇ?」
「その砂肝も内臓なんですけど、ほとんど筋肉で出来た部位なので、硬めの食感なんですよ」
「内臓にも色々あるんだねぇ」
砂肝の方も、絶妙な硬さとシャキシャキとした食感、そして当然のように旨味も強いので、これはむしろ塩だけの方が合っていると思わされる一品となっていた。
結構食わず嫌いされる事も多い砂肝だが、シュージは焼き鳥の中でもトップクラスに好きな部位だったりする。
「それでこいつは…… うむ、これも美味いの」
「これはかなり独特な風味と食感ですね…… 僕は結構好みです……」
そして、かなり臭みや独特な味のせいで苦手だという人が多いレバーだが、嫌いな人でも一度モノがいいレバーを食べてみて欲しいとシュージは思っている。
しっかり下処理された新鮮なレバーは、他の部位とはまた違った旨味の強さが感じられて、非常に美味しいのだ。
「確かにこれは酒が進むの」
「本当だねぇ。 つい飲み過ぎちゃいそうだよ」
「あれ、シュージさん、あんまり食べてないですけど……」
「ああ、実はこの後、これらを買った肉屋にもこの料理達を持って行って、そこの店員さん達とも食べるんです。 なので、今はちょっと控え目にしてます」
「なるほど……」
「今まで捨ててたらしいですから、ぜひ魅力を知ってもらいたいんですよね」
「それはきっと喜ぶじゃろうな」
「ゴミを捨てるのにも、量が多かったりすると金がかかるからね。 しかも、普通に売り物として成立するなら、かなり儲けも増えそうだ」
今回使ったすじ肉や内臓はほぼタダで貰ったものなので、その恩返しとして実際の料理とレシピを持っていくつもりだ。
「シュージ、これ気に入ったから、今度の晩酌でまた用意しとくれ」
「はは、分かりました。 何ならまだ出してないのもありますから、また作りますね」
どうやら酒飲みのジンバには内臓系の料理は刺さったようで、その後の晩酌にはレバーや砂肝などといった内臓を使った料理が頻繁に出るようになった。
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