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#134 お祭り初日の屋台
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「はい、貴方はこの番号の屋台を使ってください」
「ありがとうございます」
東の国、ナグモにやって来てはや3日目。
今日は祭りの初日という事で、街は早朝から準備をする人々が走り回っていた。
それはシュージも同様で、屋台通りの近くにあるお祭りの運営が集まるテントにて、屋台の使用許可と場所が書かれた板を貰った。
指定された場所に向かうと、そこは通りの真ん中辺りに位置する中々立地のいい屋台で、運に感謝しつつシュージは準備を始めた。
「あ、いた! おーい! シュージー!」
「おや、ピュイさん?」
そんなところへ、上空から探していたのか、羽を広げたピュイが降り立ってきた。
「どうしましたか?」
「シュージが屋台やるって聞いたから、手伝いにきたよー!」
「えっ、ありがたいですけど、いいんですか? 他の方と見て回ったりしなくて」
「お祭りは3日あるから、見て回るのは明日明後日にするよー! それに、シュージの屋台のお手伝いも同じくらい楽しそうだしー!」
「はは、そうですか。 では、よろしくお願いしますね」
「はーい!」
ありがたい事に助っ人が来てくれたので、ピュイと一緒に調理器具や紙皿などの用意をしていく。
「それで、シュージは何作るのー?」
「今回は焼きそばとたこ焼きを作ろうかなって思ってます」
「焼きそばは分かるけど、たこ焼きってー?」
「こちらのたこ焼き機を使って、たこを中に入れた生地を焼き上げる料理ですね。 とりあえず、ある程度焼き上げちゃいましょうか」
今回、2種類の料理を同時に提供するという挑戦をシュージはする事にした。
というのも、前回は屋台でベビーカステラを作ったシュージだったが、ベビーカステラを焼いている間が手持ち無沙汰で、この間にもう一つ何か作れるなとその時から思っていたのだ。
なので、今回ベビーカステラと似た調理工程のたこ焼きを作りつつ、隣で焼きそばも作れば効率よく時間が使えるなと思った次第だ。
ちなみに、これは料理の腕があって体力があるシュージだからできる芸当なので、普通の人はあんまり真似するべきじゃないだろう。
「おー! そんな感じで焼くんだね! 面白そう!」
とりあえずシュージは、お客さんの第一陣に提供する分のたこ焼きを焼き始めた。
たこ焼き器に油を敷き、生地を注いで具材を入れ、生地に火が通ったらくるんくるんとはみ出た生地を内側にしまうようにしながら丸めて焼き上げていく。
その手際は見事なもので、それだけでもちょっとした見世物にできそうだった。
「ピュイさんも後でやっていいですよ。 そんなに難しくありませんから」
「いいのー!? やるやるー!」
そうして焼き上がったたこ焼きに、ソース、マヨネーズ、鰹節、青のりをかけ、蓋付きの紙皿に四つ入れて並べていく。
普通サイズのたこ焼きなので、四つでも結構女性や子供のお腹にはそこそこ溜まるし、他の屋台も楽しんで欲しいという理由も込めて四つにした。
「あれ、そっちはソース違うの?」
「ああ、これはこの国の方向けに作った辛いソースですね」
「わっ! 匂いが辛そうー!」
「焼きそばの方も、普通のと辛いソースを使ったものを作りますよ」
「確かにこの国の人には辛い方が喜ばれるかもねー!」
「カグラさん達にも味見してもらったんですけど、これで丁度いいとお墨付きをもらえました」
それから魔導コンロの上に置いた鉄板で大量の焼きそばを一気に焼き上げ、こちらも蓋付きの紙皿に入れていく。
――ドォォォォン……!
そうこうしていると、城の方から大きな銅鑼のような音が響き渡り、祭りの始まりが告げられた。
すると、屋台通りに続々と祭りの参加者達が集まってきた。
「よーし! お客呼びこんでくるよー!」
「はは、頼みますね」
「任せてー!」
とりあえずピュイには呼び子とお会計をやってもらう事にしたので、早速ピュイはそのよく通る声で呼び込みを始めた。
「皆さーん! 美味しい美味しいたこ焼きと焼きそばがあるよー! 食べなきゃ絶対損するよー!」
「たこ焼きと焼きそばってなんや?」
「あの屋台か? 確かに、美味そうな匂いがするな」
ピュイの呼び込みは中々効果的で、直ぐにお客が何人かシュージの屋台に集まり始めた。
「兄ちゃん、一つずつ貰うで」
「ありがとうございます。 辛いのと辛くないのがありますが、どちらにしますか?」
「選べるんやな。 そりゃもちろん、辛い方で」
「はい、こちらです。 出来立てで熱いので、食べる際は少しお気をつけて」
早速二人組の男性客がたこ焼きと焼きそばを買っていった。
ちなみに値段はどちらも150ゴルドとかなり安めに設定してある。
とは言え、原価を考えるとこれでも十分お釣りが来るほどだ。
実は日本のお祭りで出ている屋台飯は、原価よりも結構高めに設定されてることが多い。
まぁ、人件費や屋台のレンタル料もあるので、多少高めになるのは仕方ない。
だが今回のシュージの屋台はレンタル料も無いので、ほぼ原価くらいの値段で提供することができている。
「見たことないもんやな? ……んんっ! 熱っ! 美味っ! なんやこれ、めちゃくちゃ美味いやん!」
「こっちの麺も美味いぞ! 味が濃いのに、めちゃくちゃ食べやすい!」
「「何より良い辛さだ!!」」
早速たこ焼きと焼きそばを食べた男達から、絶賛の声が上がった。
それもそのはずで、たこ焼きは旨味の強い旨辛ソースと、こちらではまだあまり流通していないマヨネーズがかかっていて、同時に大きくぶつ切りされたモノの良いタコと、ふわふわの出汁の効いた生地、細かく刻まれた紅生姜など、様々な食材がこの一口サイズの丸っこい物体に詰め込まれており、一口で虜になる魅力がこのたこ焼きには詰まっていた。
更に焼きそばの方も、しっかり解された中華麺が旨辛ソースと絡み合い、しかも、この国で手に入れた様々なスパイスを粉末状にして混ぜ合わせた特製スパイスも使っているので、焼けたソースと沢山のスパイスが味覚も嗅覚も刺激してきて、普通の料理とは比較にならない美味しさを生み出していた。
そんなたこ焼きと焼きそばは食べた者達の噂によってどんどん評判が広がっていき、瞬く間に客が集まり出した。
ちなみに、今回もお一人様一つずつまでの看板は立てさせてもらっている。
美味しいと言ってもらえるのは嬉しいが、他の屋台にも沢山美味しいものは売っており、シュージの屋台でお腹いっぱいになってしまうのは勿体無いと思うので。
「こ、こんなに来るのー!?」
「はは、ありがたいですねぇ」
やがて列ができ始めたシュージの屋台では、ピュイが軽く目を回しながらお会計を頑張ってくれ、シュージも用意した食材をフル活用しながらどんどんたこ焼きと焼きそばを作っていくのであった。
「ありがとうございます」
東の国、ナグモにやって来てはや3日目。
今日は祭りの初日という事で、街は早朝から準備をする人々が走り回っていた。
それはシュージも同様で、屋台通りの近くにあるお祭りの運営が集まるテントにて、屋台の使用許可と場所が書かれた板を貰った。
指定された場所に向かうと、そこは通りの真ん中辺りに位置する中々立地のいい屋台で、運に感謝しつつシュージは準備を始めた。
「あ、いた! おーい! シュージー!」
「おや、ピュイさん?」
そんなところへ、上空から探していたのか、羽を広げたピュイが降り立ってきた。
「どうしましたか?」
「シュージが屋台やるって聞いたから、手伝いにきたよー!」
「えっ、ありがたいですけど、いいんですか? 他の方と見て回ったりしなくて」
「お祭りは3日あるから、見て回るのは明日明後日にするよー! それに、シュージの屋台のお手伝いも同じくらい楽しそうだしー!」
「はは、そうですか。 では、よろしくお願いしますね」
「はーい!」
ありがたい事に助っ人が来てくれたので、ピュイと一緒に調理器具や紙皿などの用意をしていく。
「それで、シュージは何作るのー?」
「今回は焼きそばとたこ焼きを作ろうかなって思ってます」
「焼きそばは分かるけど、たこ焼きってー?」
「こちらのたこ焼き機を使って、たこを中に入れた生地を焼き上げる料理ですね。 とりあえず、ある程度焼き上げちゃいましょうか」
今回、2種類の料理を同時に提供するという挑戦をシュージはする事にした。
というのも、前回は屋台でベビーカステラを作ったシュージだったが、ベビーカステラを焼いている間が手持ち無沙汰で、この間にもう一つ何か作れるなとその時から思っていたのだ。
なので、今回ベビーカステラと似た調理工程のたこ焼きを作りつつ、隣で焼きそばも作れば効率よく時間が使えるなと思った次第だ。
ちなみに、これは料理の腕があって体力があるシュージだからできる芸当なので、普通の人はあんまり真似するべきじゃないだろう。
「おー! そんな感じで焼くんだね! 面白そう!」
とりあえずシュージは、お客さんの第一陣に提供する分のたこ焼きを焼き始めた。
たこ焼き器に油を敷き、生地を注いで具材を入れ、生地に火が通ったらくるんくるんとはみ出た生地を内側にしまうようにしながら丸めて焼き上げていく。
その手際は見事なもので、それだけでもちょっとした見世物にできそうだった。
「ピュイさんも後でやっていいですよ。 そんなに難しくありませんから」
「いいのー!? やるやるー!」
そうして焼き上がったたこ焼きに、ソース、マヨネーズ、鰹節、青のりをかけ、蓋付きの紙皿に四つ入れて並べていく。
普通サイズのたこ焼きなので、四つでも結構女性や子供のお腹にはそこそこ溜まるし、他の屋台も楽しんで欲しいという理由も込めて四つにした。
「あれ、そっちはソース違うの?」
「ああ、これはこの国の方向けに作った辛いソースですね」
「わっ! 匂いが辛そうー!」
「焼きそばの方も、普通のと辛いソースを使ったものを作りますよ」
「確かにこの国の人には辛い方が喜ばれるかもねー!」
「カグラさん達にも味見してもらったんですけど、これで丁度いいとお墨付きをもらえました」
それから魔導コンロの上に置いた鉄板で大量の焼きそばを一気に焼き上げ、こちらも蓋付きの紙皿に入れていく。
――ドォォォォン……!
そうこうしていると、城の方から大きな銅鑼のような音が響き渡り、祭りの始まりが告げられた。
すると、屋台通りに続々と祭りの参加者達が集まってきた。
「よーし! お客呼びこんでくるよー!」
「はは、頼みますね」
「任せてー!」
とりあえずピュイには呼び子とお会計をやってもらう事にしたので、早速ピュイはそのよく通る声で呼び込みを始めた。
「皆さーん! 美味しい美味しいたこ焼きと焼きそばがあるよー! 食べなきゃ絶対損するよー!」
「たこ焼きと焼きそばってなんや?」
「あの屋台か? 確かに、美味そうな匂いがするな」
ピュイの呼び込みは中々効果的で、直ぐにお客が何人かシュージの屋台に集まり始めた。
「兄ちゃん、一つずつ貰うで」
「ありがとうございます。 辛いのと辛くないのがありますが、どちらにしますか?」
「選べるんやな。 そりゃもちろん、辛い方で」
「はい、こちらです。 出来立てで熱いので、食べる際は少しお気をつけて」
早速二人組の男性客がたこ焼きと焼きそばを買っていった。
ちなみに値段はどちらも150ゴルドとかなり安めに設定してある。
とは言え、原価を考えるとこれでも十分お釣りが来るほどだ。
実は日本のお祭りで出ている屋台飯は、原価よりも結構高めに設定されてることが多い。
まぁ、人件費や屋台のレンタル料もあるので、多少高めになるのは仕方ない。
だが今回のシュージの屋台はレンタル料も無いので、ほぼ原価くらいの値段で提供することができている。
「見たことないもんやな? ……んんっ! 熱っ! 美味っ! なんやこれ、めちゃくちゃ美味いやん!」
「こっちの麺も美味いぞ! 味が濃いのに、めちゃくちゃ食べやすい!」
「「何より良い辛さだ!!」」
早速たこ焼きと焼きそばを食べた男達から、絶賛の声が上がった。
それもそのはずで、たこ焼きは旨味の強い旨辛ソースと、こちらではまだあまり流通していないマヨネーズがかかっていて、同時に大きくぶつ切りされたモノの良いタコと、ふわふわの出汁の効いた生地、細かく刻まれた紅生姜など、様々な食材がこの一口サイズの丸っこい物体に詰め込まれており、一口で虜になる魅力がこのたこ焼きには詰まっていた。
更に焼きそばの方も、しっかり解された中華麺が旨辛ソースと絡み合い、しかも、この国で手に入れた様々なスパイスを粉末状にして混ぜ合わせた特製スパイスも使っているので、焼けたソースと沢山のスパイスが味覚も嗅覚も刺激してきて、普通の料理とは比較にならない美味しさを生み出していた。
そんなたこ焼きと焼きそばは食べた者達の噂によってどんどん評判が広がっていき、瞬く間に客が集まり出した。
ちなみに、今回もお一人様一つずつまでの看板は立てさせてもらっている。
美味しいと言ってもらえるのは嬉しいが、他の屋台にも沢山美味しいものは売っており、シュージの屋台でお腹いっぱいになってしまうのは勿体無いと思うので。
「こ、こんなに来るのー!?」
「はは、ありがたいですねぇ」
やがて列ができ始めたシュージの屋台では、ピュイが軽く目を回しながらお会計を頑張ってくれ、シュージも用意した食材をフル活用しながらどんどんたこ焼きと焼きそばを作っていくのであった。
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