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#135 お祭り2日目の屋台はフルーツ飴
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東の国、ナグモで行われている祭りは2日目を迎えた。
今日もシュージは屋台を出すのだが、今日は少し早めに切り上げるつもりだ。
というのも、昼過ぎくらいにこの国の剣術大会の予選が行われるそうで、それに参加するディアナを見たり、あとは普通に屋台や出し物を楽しみたいので。
「シュージ、これはここ?」
「あ、そこでいいですよ」
「ノリで来ちゃったけど大丈夫かしら?」
「はは、大丈夫ですよ」
そして今日は、お手伝い要員としてネルとアンネリーゼが来てくれていた。
どうやら、ピュイから屋台の営業体験の話を聞き、興味を持ったらしい。
「でも、昨日と違うもの作ろうとしてる?」
「確か、昨日は焼きそばとたこ焼き? というのを作ったと聞いてたけれど」
「そうですね。 このお祭りは日によって屋台の場所が変わってしまうので、なら出す料理も変えちゃおうと思いまして」
そう言いながら、シュージは今日使うものを収納袋から取り出していく。
「果物?」
「と、これはなんでしょう?」
「これは飴をいい具合に溶かして着色したものですね。 これはお二人でも簡単に作れますから、見ててください」
まずシュージは、小さめの品種のりんごを串に刺し、前日に用意しておいた液状になっている赤色の飴をりんごに絡める。
しっかり全体に絡まったら、スライムシートの上に乗せて飴を乾かしていく。
「これで完成です」
「簡単」
「なんだか綺麗ね?」
「これはりんご飴っていう、僕の故郷の祭りでは定番のものです」
シュージが今日の屋台の商品に選んだのは、りんご飴もとい、フルーツ飴だった。
「他にもいくつかフルーツを用意したので、飴を絡めていきましょう」
「飴も色んな色があるのね」
「楽しそう」
とりあえず今回は、赤、黄、青、緑の四色の飴を用意したので、それを串に刺したりんご、パイナップル、ぶどう、マスカット、みかん、いちごといったフルーツ達に絡めていく。
ちなみに飴はすぐに固まってしまうが、そこはシュージの収納袋を利用して、丁度いい溶かし加減の飴をその状態で保存してあるので、いつでも必要な分だけ取り出せるようになっている。
そして、似たような方法でもう一品作っていく。
「シュージ、それは?」
「こちらはチョコバナナですね」
「名前の通りね。 美味しそう」
それは、こちらも定番のチョコバナナで、先日、シュミットが蒼天の風にお世話になったお礼に、セネルブルグ家から沢山のチョコを貰ったのだ。
今回、それを有効活用させてもらっている。
そして、これらを祭りで売るとなると、前世では発泡スチロールに刺して売ったりしていたが、当然こっちにはないので、代わりにスライムボックスというものを用意した。
これはゴムのような弾力性のある箱状の物体で、結構重さもあってしっかりしていることもあり、チョコバナナなどを刺してもグラついたりしなさそうという事から、今回これを用意した。
試しに何本かフルーツ飴やチョコバナナの串を刺してみたが、バランスが崩れたりは全くしなさそうなので、見栄えが良くなるようにフルーツ飴とチョコバナナを並べていく。
――ドォォォォン……!
そうこうしていると、今日も祭りが始まり、祭りの参加者達が続々とやってき始めた。
「ママー! あれ綺麗!」
「まぁ、本当ね? 食べ物なのかしら?」
「なんか甘い匂いするね?」
「ねっ? あの屋台じゃない?」
すると、物珍しさもあってか、特に子供連れや女性客がシュージの屋台に集まり始めた。
「イカつい兄ちゃん! これなにー?」
「これは果物を飴で包んだお菓子だよ。 りんご、ぶどう、パイナップル、他にも色々あるね」
「ママ、パイナップル欲しい!」
「はいはい。 じゃあ、ママがりんご買うから半分こしましょ」
「こっちの茶色いのはなんですか?」
「こちらはバナナを最近生まれたチョコレートというスイーツで包んだものになります」
「へぇー、一個もらおうかな」
そんな中の無邪気な子供や勇気のある女性が、まず一つずつ買っていった。
「おー! キラキラしてる! ぺろ…… んっ! 甘いー!」
「あら、本当ね!」
「んんっ!? ねぇ、このチョコバナナ? すっごい美味しいよ!」
そして、早速買ったものを食べたお客さん達から、賞賛の声が上がった。
それもそのはず、この国は辛い料理は他国の追随を許さないぐらい発展しているが、甘味に関してはからっきしなのだ。
しかも、今回用意したフルーツ飴もチョコバナナも、そもそも使っている果物はどれもモノがよく、飴は帝国で貰ったとても質の良いものだし、チョコもセネルブルグ家が改良を重ねている最新作だ。
美味しくないわけがない。
今回それらを200ゴルドくらいで売っているが、実際の価値にしたらもっと凄い値段がするだろう。
ただ、果物以外はどれも貰い物なこともあって、安く提供しているのだ。
「凄い人、集まってきた」
「本当ね?」
「頑張って対応していきましょうか」
それから昨日のたこ焼きと焼きそば同様、物珍しさからかフルーツ飴とチョコバナナは飛ぶように売れ、元々昼ぐらいで終わろうと思っていたが、それより前に用意した分があっさり完売してしまうのであった。
今日もシュージは屋台を出すのだが、今日は少し早めに切り上げるつもりだ。
というのも、昼過ぎくらいにこの国の剣術大会の予選が行われるそうで、それに参加するディアナを見たり、あとは普通に屋台や出し物を楽しみたいので。
「シュージ、これはここ?」
「あ、そこでいいですよ」
「ノリで来ちゃったけど大丈夫かしら?」
「はは、大丈夫ですよ」
そして今日は、お手伝い要員としてネルとアンネリーゼが来てくれていた。
どうやら、ピュイから屋台の営業体験の話を聞き、興味を持ったらしい。
「でも、昨日と違うもの作ろうとしてる?」
「確か、昨日は焼きそばとたこ焼き? というのを作ったと聞いてたけれど」
「そうですね。 このお祭りは日によって屋台の場所が変わってしまうので、なら出す料理も変えちゃおうと思いまして」
そう言いながら、シュージは今日使うものを収納袋から取り出していく。
「果物?」
「と、これはなんでしょう?」
「これは飴をいい具合に溶かして着色したものですね。 これはお二人でも簡単に作れますから、見ててください」
まずシュージは、小さめの品種のりんごを串に刺し、前日に用意しておいた液状になっている赤色の飴をりんごに絡める。
しっかり全体に絡まったら、スライムシートの上に乗せて飴を乾かしていく。
「これで完成です」
「簡単」
「なんだか綺麗ね?」
「これはりんご飴っていう、僕の故郷の祭りでは定番のものです」
シュージが今日の屋台の商品に選んだのは、りんご飴もとい、フルーツ飴だった。
「他にもいくつかフルーツを用意したので、飴を絡めていきましょう」
「飴も色んな色があるのね」
「楽しそう」
とりあえず今回は、赤、黄、青、緑の四色の飴を用意したので、それを串に刺したりんご、パイナップル、ぶどう、マスカット、みかん、いちごといったフルーツ達に絡めていく。
ちなみに飴はすぐに固まってしまうが、そこはシュージの収納袋を利用して、丁度いい溶かし加減の飴をその状態で保存してあるので、いつでも必要な分だけ取り出せるようになっている。
そして、似たような方法でもう一品作っていく。
「シュージ、それは?」
「こちらはチョコバナナですね」
「名前の通りね。 美味しそう」
それは、こちらも定番のチョコバナナで、先日、シュミットが蒼天の風にお世話になったお礼に、セネルブルグ家から沢山のチョコを貰ったのだ。
今回、それを有効活用させてもらっている。
そして、これらを祭りで売るとなると、前世では発泡スチロールに刺して売ったりしていたが、当然こっちにはないので、代わりにスライムボックスというものを用意した。
これはゴムのような弾力性のある箱状の物体で、結構重さもあってしっかりしていることもあり、チョコバナナなどを刺してもグラついたりしなさそうという事から、今回これを用意した。
試しに何本かフルーツ飴やチョコバナナの串を刺してみたが、バランスが崩れたりは全くしなさそうなので、見栄えが良くなるようにフルーツ飴とチョコバナナを並べていく。
――ドォォォォン……!
そうこうしていると、今日も祭りが始まり、祭りの参加者達が続々とやってき始めた。
「ママー! あれ綺麗!」
「まぁ、本当ね? 食べ物なのかしら?」
「なんか甘い匂いするね?」
「ねっ? あの屋台じゃない?」
すると、物珍しさもあってか、特に子供連れや女性客がシュージの屋台に集まり始めた。
「イカつい兄ちゃん! これなにー?」
「これは果物を飴で包んだお菓子だよ。 りんご、ぶどう、パイナップル、他にも色々あるね」
「ママ、パイナップル欲しい!」
「はいはい。 じゃあ、ママがりんご買うから半分こしましょ」
「こっちの茶色いのはなんですか?」
「こちらはバナナを最近生まれたチョコレートというスイーツで包んだものになります」
「へぇー、一個もらおうかな」
そんな中の無邪気な子供や勇気のある女性が、まず一つずつ買っていった。
「おー! キラキラしてる! ぺろ…… んっ! 甘いー!」
「あら、本当ね!」
「んんっ!? ねぇ、このチョコバナナ? すっごい美味しいよ!」
そして、早速買ったものを食べたお客さん達から、賞賛の声が上がった。
それもそのはず、この国は辛い料理は他国の追随を許さないぐらい発展しているが、甘味に関してはからっきしなのだ。
しかも、今回用意したフルーツ飴もチョコバナナも、そもそも使っている果物はどれもモノがよく、飴は帝国で貰ったとても質の良いものだし、チョコもセネルブルグ家が改良を重ねている最新作だ。
美味しくないわけがない。
今回それらを200ゴルドくらいで売っているが、実際の価値にしたらもっと凄い値段がするだろう。
ただ、果物以外はどれも貰い物なこともあって、安く提供しているのだ。
「凄い人、集まってきた」
「本当ね?」
「頑張って対応していきましょうか」
それから昨日のたこ焼きと焼きそば同様、物珍しさからかフルーツ飴とチョコバナナは飛ぶように売れ、元々昼ぐらいで終わろうと思っていたが、それより前に用意した分があっさり完売してしまうのであった。
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