マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 強面、筋骨隆々、非常に強い。でもとっても優しい男が異世界でほのぼの暮らすお話

かむら

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#188 簡単美味しいバラ肉のチーズ巻き

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 中々癖のある人物であったミノリの姉であるサキナとシュージは、ようやく挨拶を交わしていた。


「ああ、君がミノリが言ってた用務員の人か」

「おや、ご存知でしたか」

「大分前に一度ミノリと会った時に聞かされたよ。 めちゃくちゃ美味い料理作ってくれるってね」

「ありがたいですねぇ」

「大分前って、2ヶ月くらいしか経ってないけど……」

「はっはっは。 ミノリ、お姉ちゃんはな、本音を言えば1秒たりともミノリと離れたくないんだ」

「えぇ……」

「けどな、ミノリだってもう立派になったから、こうして数ヶ月に一度の逢瀬で我慢してる」

「まともなようでまともじゃない事言わないでくれな? この歳になったらもう、数年会わないとかザラだろ……」

「はは。 まぁ、折角来たんですし、ゆっくりしていってください」

「ああ、そうさせてもらおう」

「では、ちょうどお昼時ですし、ご飯を用意しますね。 何か食べたいものはありますか?」

「ミノリが好きなものがいいな」

「えっ、なんで?」

「ミノリの好物が私の好物だからだ!」

「嬉しいような嬉しくないような……」

「それに、ミノリが好物を食べて喜んでる姿を見たい!」

「やっぱり嬉しくない!」

「はは、ではチーズ料理を作りましょうか」


 動機はいささか不純なものの、ミノリの好物が良いというのは本心なようなので、今日の昼食はチーズ料理に決定した。

 早速シュージは厨房に入り、ライスの準備をして、今日使うオークのバラ肉と大葉、そしてモッツァレラチーズを冷蔵庫から取り出した。

 それから、モッツァレラチーズを棒状にカットし、バラ肉を真っ直ぐ広げたら、そこに大葉とモッツァレラチーズを載せてクルクルと巻いていく。


「はぁ……」

「おや、サキナさん。 ミノリさんは一緒じゃないんですね?」


 そんなふうにのんびり作業していると、ちょっと落ち込んだ様子のサキナも食堂にやってきた。
 

「ミノリはご飯ができるまでもう少しあるから、仕事の続きするって…… 鍛冶場には来るなってさ……」

「おや、そうでしたか」

「まぁ、時間は沢山あるから今は我慢しよう。 何を作ってるんだい?」

「簡単に言えば、チーズを肉で巻いたものですね」

「へぇ、美味しそうじゃないか。 確かにミノリはチーズが好きだから、喜ぶだろうね」

「昔から好きなんですね」

「そうだね。 小さい頃のミノリはむしろミノリの方からお姉ちゃんお姉ちゃんって抱きついてくれたんだけどなぁ……」

「はは。まぁ、誰しも大人になるものですからね。 大人になると、あんまり人前で家族と仲良くするのは恥ずかしいって思う方もいるでしょう」

「そうかぁ…… でも、ミノリを前にすると、私はミノリに抱きつきたい衝動が抑えられないっ……!」

「ミノリさんも嫌では無いとは思いますが、人前では控えた方がいいかもしれませんねぇ。 2人きりの時にお願いしてみては?」

「くっ、我慢しろということか……」

「ちゃんと我慢した後に2人きりでお願いすれば、断らないんじゃ無いですかね? 何なら、ミノリさんの方からしてもらったりとかもお願いすればしてくれるかもしれません」

「ミノリから……! それは是非してもらいたい……! もう何年もしてくれてない気がするし……」

「それは普段からサキナさんからいってるので、自分からいかなくても勝手に来ると思われてるんじゃないですか?」

「な、なるほど…… 君は頭がいいな!」


 ちょっと考えれば分かることだとは思うが、どうやらサキナはミノリが関わると一気にポンコツ化するらしい。


「確かに押してダメなら引くべきか…… 」

「まぁ、変に態度を変えても怪しまれる可能性もありますから、変に取り繕わない方が良い可能性もあったり」

「むむむ…… なんて難しいんだ……!」


 何だか迷走し始めたサキナを横目に、沢山巻いたバラ肉を食べやすいサイズに切り分けて、油を敷いたフライパンに繋ぎ目が接地するように並べて焼いていく。

 繋ぎ目が離れなくなるぐらい焼けたら、転がしながら全体に火を通し、酒、醤油、みりん、はちみつを入れてザッと絡めたら、バラ肉のチーズ巻きの完成だ。

 あとは横にキャベツの千切りを添え、味噌汁とライスを並べれば、立派な昼ごはんの完成だ。


「いい匂いするね」

「出来上がりましたよ」

「もうかい? ……おお、これが君の料理か。見るからに美味しそうだ」


 そんな昼食が丁度出来上がったタイミングで、他のメンバー達も続々と食堂にやって来た。

 一部の者からすると見慣れない女性であるサキナに関しては、ミノリの姉でSランク冒険者だという事をサキナが自己紹介して伝えていった。

 そしてそのまま、各自食べる分を自分で取り分け、食事を始めていく。


「これ美味いっ♡ チーズと一緒に肉も食べれて幸せ!」

「あぁっ♡ 幸せそうにしてるミノリ可愛い……♡」

「もう…… お姉ちゃんはもっと食事に集中しろ!」

「それはもちろんしてるさ。 びっくりするぐらい美味いよ。 その上でミノリが美味しそうに食べているのを見てるんだ!」

「見なくていいっ」

「まぁでも、本当に美味いね! ミノリが絶賛するのも、ディアナがここを拠点にするのもよく分かるよ」

「そう言ってもらえると嬉しいですねぇ」

「工業国でも、早くシュージのレシピ広まればいいのに」

「まだ行った事もないですからね」

「もし来るなら案内しよう。 私はそこそこ顔が利くしね」

「お、それはとても助かりますね」

「その時は是非ミノリも一緒に来てくれ!」

「お姉ちゃんが大人しくしてくれたら考える」

「むむむ……」


 そんな微笑ましいやり取りを眺めつつ、今日も美味しい昼食を食べ進めるシュージなのであった。
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