3 / 438
1巻
1-3
しおりを挟む
それからキリカを始め、後から来たメンバーにもたまごサンドは大好評だった。
誰もマヨネーズは知らなかったため、近いうちにマヨネーズやたまごサンドを商業ギルドに登録しに行くことになった。
そして、ギルドメンバー全員が、この美味しい朝ご飯に感動したようで、負担じゃなければぜひまた作ってほしいという話になる。
シュージは全く負担とは思っておらず、自分の分を作るついでなので、その申し出を快く了承した。
◇ ◇ ◇
朝ご飯を食べ終え、まだギリギリ朝と呼べるくらいの時間に、シュージは見習い組の3人とヤタサの街の市場までやってきていた。
この市場は、大通りの両側に様々な出店が並んでいる。
食材から装飾品まで、お店によって様々なものが売られていて、見て回るのに相当時間がかかりそうな賑わいを見せていた。
「活気が凄いですね」
シュージの呟きにカインが応える。
「そうだね。店によって値段や品質も変わるから、結構お買い物も大変だよ」
普段は見習い組が、金銭感覚や目利きの訓練を兼ねて、決められた金額でしっかりとした食材を買うように言われているそうだ。
1週間分の食材を一気に買い込むらしく、シュージ達に渡された金額も相当なものだった。
体が資本の冒険者が多くいるため、食材はあればあるだけ消費されるそうだ。
ちなみに、大量の食材を買い込むにあたって、シュージ達には収納袋というものも渡されていた。
収納袋は入れたものを異空間へ転送し、量にして100キロくらいまで保管することができるらしい。
魔道具と呼ばれる優れ物だ。
ただ、当然便利なだけあって貴重なもので、収納袋1つで50万ゴルドもするという。
中にはもっと開口部が大きいものや、内部の時間がゆっくり進むようになるなどグレードの高いものもあるらしいが、その辺りは莫大な値段になるので、買うとしても今使っているサイズが一番良いらしい。
「お、ここが俺達がいつも買ってる肉屋だぜ!」
リックがシュージにそう声をかけた。
市場をキョロキョロと見渡しながら歩いているうちに、行きつけだという肉屋に到着したのだ。
「おう、坊主達じゃねぇか……って、おぉっ!? な、なんか厳つい兄ちゃんもいるな?」
肉屋にいた店主のおじさんは、シュージの厳つい風貌を見て驚きの声を上げた。
「あ、どうも。僕は蒼天の風で働くことになったシュージと申します」
「中々すげぇ体してるなぁ」
「はは、恐縮です」
「おっちゃん、いつもと同じ感じの肉で頼む!」
「おう、分かった」
気を取り直して、リックが店主のおじさんにそう注文すると、店主のおじさんは色々な肉を準備し始めた。
「リック、何の肉を買うんですか?」
シュージがリックに質問をした。
「えっと、ビッグコッコとグレートバッファローにオークとか!」
「全部魔物の肉なんですか?」
「そうだぜ? シュージは魔物の肉食わないのか?」
「そうですね……魔物を食べる習慣がない所から来まして」
シュージの言葉を聞いて、今度はメイが口を開く。
「魔物肉は安価で手に入るものも多く、焼いて食べるだけでも美味しいんですよ」
「そうなんですね」
シュージがさらに話を聞くと、昨日使った塩漬け肉も豚の魔物であるオークの肉から作られたものだった。
(そう言われてみると確かに、何だか地球で売られていた塩漬け肉であるベーコンなどよりも、旨味が強かった気がした)
そんな説明を受けつつ、シュージがお店の中を見渡していると、店の奥のバケツが目に入った。
「あ、店主さん。その奥のバケツに入ってるのって……」
「ん? ああ、肉を切り分けた時の骨だな。すまんな、見苦しくて」
店主が気まずそうに言った。
「ああいえ。それも売り物だったりしますか?」
「いや、こいつらは捨てるな。犬の餌ぐらいにはなるかもしれんが」
「もし良ければ、譲ってもらうことって可能ですかね?」
「これをか? 全然いいぞ。処分する手間がかからないから、ありがたいぐらいだ」
「ありがとうございます」
ということで、シュージは沢山の肉と骨を手に入れた。
かなり鮮度も良く、種類にもばらつきがあるので、これらを使って色々と出汁を取ってみようとシュージは考えていた。
やはり、美味しい食事に出汁は欠かせないので。
(それに、すじ肉もちゃんと料理すれば、美味しく食べられるものもあるだろう)
「シュージ様、それらは一体何に使うのですか?」
メイが、普通は捨ててしまう部位を手に入れて喜んでいるシュージを見て、不思議そうに尋ねた。
「出汁という調味料のようなものを作るのに使うのですが、知りませんか?」
「ダシ、ですか? 聞いたことないですね」
「これが中々美味しいんですよ」
質問してきたメイを始め、リックやカインも出汁を知らない。
(この世界には出汁を取るという文化はないのだろうか)
そんなことを思いつつ、シュージは見習い組達に案内されながら市場を練り歩き、いつもお世話になっているお店を教えてもらったり、シュージが個人的に買いたいと思ったものも、自費でいくつか購入した。
先日倒したブラックウルフの報酬や、給料の半分が前払いで既に渡されており、懐にはそこそこ余裕があるのだ。
中でも掘り出し物だったのは、市場のかなり端っこにあった海産物や干物などを扱う出店で見つけた、乾燥させた海藻類や煮干しだ。
それに加え、海沿いの一部の地域で作られているらしい味噌と醤油に魚醤なんかもあったので、シュージはかなりの量を購入した。
この辺りは内陸ということもあり、あまり海産物を食べる習慣がなくて売れなかったらしく、値段もかなりお安くなっていた。
ただ、日本での価値を知っているシュージからすると、申し訳なく感じるくらい安かったので、ポテンシャルのある食材だということをもっと広めてあげたいなと考えていた。
レシピ登録という制度を利用して美味しさを広められれば、こんな市場の端っこで細々と商売をしなくて済むかもしれない。
店は週に1回この時間に出しているそうなので、今度この店の商品で作った軽食でも差し入れてあげようと密かに思うシュージだった。
そんなこんなで、有意義な買い物を終え、皆んなで仲良くギルドに帰るのであった。
第3話 異世界食材
買い物から帰ったシュージは、キッチンで軽く仕込みをしつつ、ギルド内の掃除に取りかかることにした。
先程市場で手に入れたオークとビッグコッコ、グレートバッファローの3種類の骨に、お湯で軽く火を通したり、水で洗ったりしてから、それぞれ鍋に長ネギと生姜に似た野菜と共に放り込み、じっくり弱火で煮込んでいく。
20分おきくらいにアク取りをしつつ、空いた時間を掃除に充てる。
まずは、ロビーや受付周りを掃除することにして、先代の用務員さんが残してくれたメモを頼りに掃除用具などの準備をしていく。
ちなみに、服は用務員用の制服があったので、シュージはありがたくそれを着させてもらっている。
それは前世で清掃員が着ていたようなつなぎの制服で、しかも何着かもらえたので、掃除をする時と料理をする時に着替えれば衛生面もバッチリだろう。
ということでシュージは、黙々と掃除を始めた。
バケツとモップを使って床の掃除をし、机などは綺麗な布巾、床や壁の落ちにくい汚れは雑巾でゴシゴシと擦っていく。
こういう細々とした作業はシュージの性分に合っていて、格闘技をやっている時なんかよりも心にゆとりを持って取り組むことができていた。
「ただいま帰りましたわ」
すると、ロビー周りの掃除が一段落したタイミングで、女性の声が入り口の方から聞こえてきた。
そちらに顔を向けると、そこには綺麗な金髪を縦ロールにし、吊り目で強気そうな、10代後半くらいの少女が立っていた。
「あら? 見慣れない方がいるわね?」
そんな少女の問いに、シュージは答える。
「あ、どうも。昨日から用務員として雇われました、シュージと申します」
「へぇ、昨日の今日で掃除なんて殊勝な心がけね。私はアンネリーゼよ。稀代の天才大魔法使いなんだから、敬いなさい?」
「お、アンちゃんお帰りなさい」
アンネリーゼとシュージが話していると、受付の裏からキリカがひょこっと出てきた。
すると、アンネリーゼが焦った様子を見せる。
「ちょっと、初対面の人がいるんだからちゃんとアンネリーゼと……!」
「はいはい、依頼は終わった? 1人だったけど、ポカしてない?」
「ふふん、私にかかればちょろいものですわ!」
「そっかそっか、偉いね~」
「ふわぁ……って、頭なでなでするんじゃないわよ!」
「えー、嫌なの?」
「い、嫌とは言ってないですわっ。そんなに私のツヤツヤサラサラな髪を撫でたいなら、好きにするといいわっ」
口調や雰囲気からして、ちょっと気難しい子かなと若干思ったシュージだったが、キリカとのやり取りを見ていると、何だか微笑ましい気持ちになった。
「全く……シュージも、気軽に私をなでなでとかしちゃダメですわよ!」
アンネリーゼの言葉に、シュージは少し戸惑いながら答える。
「それはしませんが……」
「その大っきい手でなでなでとか、ダメですわよ!」
「は、はい?」
そう言い残すと、アンネリーゼはギルドの階段を駆け上がっていった。
「えっと、どういうことなんでしょう?」
「ふふ、可愛いでしょう? アンちゃんは褒められたがりなんです。今の言葉も、本心ではシュージさんの大っきな手でわしわし撫でて褒めてほしいってことですよ」
アンネリーゼの気持ちをキリカがそう代弁する。
「な、なるほど?」
「アンちゃんはまだまだ若いのに、魔法使いとしての腕と才能は特別高いんです。このギルドでも一番と言っていいくらい。……でも、ちょっと過去に色々あって、素直に甘えられない難しい子なんですよ。だから、アンちゃんのことは存分に甘やかしてあげてください」
「ふむ……分かりました」
キリカの言葉にシュージは素直に頷いた。
「多分、泊まりがけでの依頼で疲れてると思いますから、まずは美味しい昼ご飯とかで労ってあげるといいかもしれませんねっ♪」
「はは、そういうことなら任せてください。沢山食材がありますから、昨日よりも手の込んだものを作れると思います」
「それは私も楽しみになっちゃいますね」
丁度掃除も一段落したということで、早速シュージは昼ご飯を作ることにした。
◇ ◇ ◇
「あ、シュージ様。お昼ご飯の準備ですか?」
シュージが昼食を作ろうと厨房に向かうと、食堂にいたメイに声をかけられた。
「そうですね、今からしようかと」
「手伝いますよ」
「助かります。リックとカインはいないんですかね?」
「2人は前衛職なので、ジル様に稽古を付けてもらってます。私は魔法の座学をしてました」
「皆さん頑張ってて偉いですね」
シュージが褒めると、メイは嬉しそうな表情を浮かべる。
「えへへ……えっと、今日は何を作るんですか?」
「折角色んな出汁が取れたので、今回は鶏ガラスープを使った料理を作ろうかと」
「鶏ガラスープ、ですか? あ、この沢山の大鍋の中にある?」
「そうです。ちょっと味見してみましょうか」
シュージは大鍋の蓋を開け、鶏ガラスープを小さな皿に少し注ぎ、メイに差し出した。
「良ければ飲んでみてください」
「はいっ。……んっ! 凄い美味しいスープです!」
「うん、かなり美味しいですね」
今回、シュージは鶏っぽい見た目だというビッグコッコのガラから出汁を取っていた。
魔物食材は地球の食材に比べて旨みが強い傾向があるようで、それはビッグコッコの骨から出る旨味も例外ではなかった。
鶏ガラスープを味わっていたメイが口を開く。
「これ単体でも美味しいですけどね?」
「まぁ、そうですね。ですが、これは色んな料理に使えるんですよ。そうしたら、メイは白菜……こちらではホワイトリーフでしたね。それを洗って切っておいてもらえますか? 白くて硬い部分はちょっと細めに、柔らかい葉っぱの部分はざく切りでお願いします」
「分かりました」
シュージがメイにそう言いながら渡したホワイトリーフは、形は白菜そのもので、葉先が緑色からオレンジ色へとグラデーションになっているのが特徴的な野菜だ。
メイにそのホワイトリーフを切ってもらっている間に、シュージは大鍋の鶏ガラスープを網目の細かいざるでこし、大きめのボウルに移した。
そして、薄切りのオーク肉を取り出し、軽く塩胡椒で下味を付けて、一口大にカットしたらフライパンで焼いていく。
オーク肉に火が通ってきたら、メイに切ってもらったホワイトリーフを、まずは芯の硬い部分から入れ、硬い部分が柔らかくなってきたら、葉の部分も入れる。
追加で今朝市場で買ってきた、地球でいうところのエノキタケに似たホソダケというキノコをバラして入れていく。
ホソダケの見た目はシュージが見慣れているエノキタケとほぼ同じで、軸の部分が少し黄色がかっているのが特徴的だ。
味の特徴も買う時に聞いたが、エノキタケと大差なさそうだったので、そのまま使っていく。
「よし、そうしたらメイ。調味料を入れていきますよ。まずは料理酒をざーっとかけてみてください」
「えっと、どれくらいですか?」
「細かな量はちょっと秘密にしますね。料理をする時に、目分量で入れるというスキルは便利なので、感覚を養っていきましょう。もしそれ以上はダメだという時はちゃんと止めますから」
「分かりましたっ!」
シュージには見習い組達に料理を教えるという役割もあるので、今回メイには目分量で調味料を入れてみてもらった。
「うーん、これくらいですかね?」
「うん、悪くないですよ。ただ、今回の料理だと少し多めに入れたいので、これくらいですかね」
シュージは追加で料理酒を入れた。
「難しいです……」
「はは、そうですね。まぁ、困ったら気持ち少なめに入れるのをおすすめします。後から足すのはいくらでもできますから」
「なるほどっ」
その後もメイに目分量のことを教えつつ、酒とごま油、そして鶏ガラスープをフライパンに投入していった。
「よし、いい感じですね。そうしたら仕上げに……」
シュージがフライパンに液体を投入しようとすると、メイが質問をする。
「シュージ様、その白い液体は?」
「これは水で溶いた片栗粉ですね」
「片栗粉を水で……どういう意味があって使うんですか?」
「あれ、こちらではあんかけや唐揚げなどはあまり作りませんか?」
「うーん、どっちも聞いたことがない料理ですね」
「そうなんですね。まぁ、不味くはならないので安心してください」
メイとそんな会話をしつつ、フライパンに水溶き片栗粉を流し入れて、ダマにならないように混ぜ合わせていく。
ここまでの調理で、ホワイトリーフから出た水分や鶏ガラスープが水溶き片栗粉と混ざり合い、とろっとしたあんに徐々に変化していった。
「わぁ……とろとろしてます」
フライパンの中を見て、メイがそう声を上げた。
「これで完成ですね。味見してみましょうか?」
「いいんですか?」
「味見も調理した者の特権ですよ」
「ふふ、そうですね」
完成したオーク肉とホワイトリーフのあんかけを小鉢によそい、シュージとメイは箸でそれらを口に運んだ。
オーク肉とホワイトリーフの旨味があんと一緒に口の中にふんわりと広がり、シャキッとしたホソダケの食感もまたいいアクセントになっている。
「ん~っ! 凄い美味しいですっ!」
「上手くできてますね。これは米が欲しくなるな……」
「コメ、ですか?」
「はい。僕の故郷ではパンに並ぶ主食だったんです。白くてつぶつぶとした柔らかい食感の食べ物で……」
シュージの説明を聞いて、メイが思いついたように言う。
「ああ、ライスのことですかね?」
「えっ、あるんですか?」
「全く同じかは分かりませんけど、私の故郷とか、他にも食べる所はありますよ。あんまりメジャーじゃなくて、この辺りでは家畜の餌として売られてますね」
「それはぜひ手に入れたいですね……!」
「私も久しぶりに食べたいですね。言われてみれば確かに、パンよりもライスの方が合いそうです」
「何ならこの後、買いに行ったっていいですね」
思わぬ嬉しい情報に、シュージの行動欲が早くも刺激されていた。
「シュージ様、朝から動きっぱなしですけど、疲れないんですか?」
「これぐらいなら全然平気ですよ。むしろ、新しい発見が多くてとても楽しいくらいですから」
「そうですか、それなら良かったです」
その後、デザートにりんごを切って、食べたい人はパンも食べられるようにして、出来た料理達を食堂のテーブルに運んでいった。
その頃には、今ギルドにいる人達が、アンネリーゼ以外全員集まっていた。
「おや、皆さん早いですね」
シュージの呟きに、メイが笑いながら答える。
「もう皆んな、シュージ様の料理にゾッコンみたいですよ」
それから各自、自分が食べる分のあんかけを大皿からよそってもらっていたところで、アンネリーゼも食堂にやってきた。
「あ、あら? 何でこんなに人が集まってるのかしら?」
戸惑いの声を上げるアンネリーゼ。
その姿を見つけたキリカが声をかける。
「あっ、アンちゃん!」
「な、何よキリカ、そんなにニコニコして……」
「アンちゃん、シュージさんの料理はとっても美味しいんだよ! 早く食べてみて!」
「シュージの料理? まぁ、分かったわ」
アンネリーゼはよく分からなそうな表情を浮かべていたが、言われた通りオーク肉とホワイトリーフのあんかけをよそい、キリカの隣に座った。
「見たことない料理ですわね……なんだかとろとろしてて……」
「これ、すっごい美味しいよ、アンちゃん!」
「そ、そんなにですの? では、私も……」
アンネリーゼは上品にナイフとフォークを使って、オーク肉とホワイトリーフを口に運んだ。
「……! まぁ、これは……本当に美味しいですわ」
それを見ていたシュージが口を開く。
「お気に召して良かったです」
アンネリーゼはシュージに質問をする。
「このとろとろしたものは何なのかしら?」
アンネリーゼのそんな質問にも、シュージは丁寧に答えていく。
「それは水で溶いた片栗粉を使ったあんというものです。それをかけているからあんかけと呼びますね」
「あんかけ……ふふ、なんだか親近感が湧く名前ですわね」
実際、先程キリカがアンネリーゼをアンちゃんと呼んでいて、それを聞いてあんかけ食べたいと思ったから作ったというのは、シュージの心の中に留めておいた。
「とても美味しいですわ、シュージ」
「ありがとうございます」
そんな風に言ってくれたアンネリーゼを始め、他のメンバーにもあんかけはとても好評で、余分に作っておいた分もあっという間になくなったのであった。
誰もマヨネーズは知らなかったため、近いうちにマヨネーズやたまごサンドを商業ギルドに登録しに行くことになった。
そして、ギルドメンバー全員が、この美味しい朝ご飯に感動したようで、負担じゃなければぜひまた作ってほしいという話になる。
シュージは全く負担とは思っておらず、自分の分を作るついでなので、その申し出を快く了承した。
◇ ◇ ◇
朝ご飯を食べ終え、まだギリギリ朝と呼べるくらいの時間に、シュージは見習い組の3人とヤタサの街の市場までやってきていた。
この市場は、大通りの両側に様々な出店が並んでいる。
食材から装飾品まで、お店によって様々なものが売られていて、見て回るのに相当時間がかかりそうな賑わいを見せていた。
「活気が凄いですね」
シュージの呟きにカインが応える。
「そうだね。店によって値段や品質も変わるから、結構お買い物も大変だよ」
普段は見習い組が、金銭感覚や目利きの訓練を兼ねて、決められた金額でしっかりとした食材を買うように言われているそうだ。
1週間分の食材を一気に買い込むらしく、シュージ達に渡された金額も相当なものだった。
体が資本の冒険者が多くいるため、食材はあればあるだけ消費されるそうだ。
ちなみに、大量の食材を買い込むにあたって、シュージ達には収納袋というものも渡されていた。
収納袋は入れたものを異空間へ転送し、量にして100キロくらいまで保管することができるらしい。
魔道具と呼ばれる優れ物だ。
ただ、当然便利なだけあって貴重なもので、収納袋1つで50万ゴルドもするという。
中にはもっと開口部が大きいものや、内部の時間がゆっくり進むようになるなどグレードの高いものもあるらしいが、その辺りは莫大な値段になるので、買うとしても今使っているサイズが一番良いらしい。
「お、ここが俺達がいつも買ってる肉屋だぜ!」
リックがシュージにそう声をかけた。
市場をキョロキョロと見渡しながら歩いているうちに、行きつけだという肉屋に到着したのだ。
「おう、坊主達じゃねぇか……って、おぉっ!? な、なんか厳つい兄ちゃんもいるな?」
肉屋にいた店主のおじさんは、シュージの厳つい風貌を見て驚きの声を上げた。
「あ、どうも。僕は蒼天の風で働くことになったシュージと申します」
「中々すげぇ体してるなぁ」
「はは、恐縮です」
「おっちゃん、いつもと同じ感じの肉で頼む!」
「おう、分かった」
気を取り直して、リックが店主のおじさんにそう注文すると、店主のおじさんは色々な肉を準備し始めた。
「リック、何の肉を買うんですか?」
シュージがリックに質問をした。
「えっと、ビッグコッコとグレートバッファローにオークとか!」
「全部魔物の肉なんですか?」
「そうだぜ? シュージは魔物の肉食わないのか?」
「そうですね……魔物を食べる習慣がない所から来まして」
シュージの言葉を聞いて、今度はメイが口を開く。
「魔物肉は安価で手に入るものも多く、焼いて食べるだけでも美味しいんですよ」
「そうなんですね」
シュージがさらに話を聞くと、昨日使った塩漬け肉も豚の魔物であるオークの肉から作られたものだった。
(そう言われてみると確かに、何だか地球で売られていた塩漬け肉であるベーコンなどよりも、旨味が強かった気がした)
そんな説明を受けつつ、シュージがお店の中を見渡していると、店の奥のバケツが目に入った。
「あ、店主さん。その奥のバケツに入ってるのって……」
「ん? ああ、肉を切り分けた時の骨だな。すまんな、見苦しくて」
店主が気まずそうに言った。
「ああいえ。それも売り物だったりしますか?」
「いや、こいつらは捨てるな。犬の餌ぐらいにはなるかもしれんが」
「もし良ければ、譲ってもらうことって可能ですかね?」
「これをか? 全然いいぞ。処分する手間がかからないから、ありがたいぐらいだ」
「ありがとうございます」
ということで、シュージは沢山の肉と骨を手に入れた。
かなり鮮度も良く、種類にもばらつきがあるので、これらを使って色々と出汁を取ってみようとシュージは考えていた。
やはり、美味しい食事に出汁は欠かせないので。
(それに、すじ肉もちゃんと料理すれば、美味しく食べられるものもあるだろう)
「シュージ様、それらは一体何に使うのですか?」
メイが、普通は捨ててしまう部位を手に入れて喜んでいるシュージを見て、不思議そうに尋ねた。
「出汁という調味料のようなものを作るのに使うのですが、知りませんか?」
「ダシ、ですか? 聞いたことないですね」
「これが中々美味しいんですよ」
質問してきたメイを始め、リックやカインも出汁を知らない。
(この世界には出汁を取るという文化はないのだろうか)
そんなことを思いつつ、シュージは見習い組達に案内されながら市場を練り歩き、いつもお世話になっているお店を教えてもらったり、シュージが個人的に買いたいと思ったものも、自費でいくつか購入した。
先日倒したブラックウルフの報酬や、給料の半分が前払いで既に渡されており、懐にはそこそこ余裕があるのだ。
中でも掘り出し物だったのは、市場のかなり端っこにあった海産物や干物などを扱う出店で見つけた、乾燥させた海藻類や煮干しだ。
それに加え、海沿いの一部の地域で作られているらしい味噌と醤油に魚醤なんかもあったので、シュージはかなりの量を購入した。
この辺りは内陸ということもあり、あまり海産物を食べる習慣がなくて売れなかったらしく、値段もかなりお安くなっていた。
ただ、日本での価値を知っているシュージからすると、申し訳なく感じるくらい安かったので、ポテンシャルのある食材だということをもっと広めてあげたいなと考えていた。
レシピ登録という制度を利用して美味しさを広められれば、こんな市場の端っこで細々と商売をしなくて済むかもしれない。
店は週に1回この時間に出しているそうなので、今度この店の商品で作った軽食でも差し入れてあげようと密かに思うシュージだった。
そんなこんなで、有意義な買い物を終え、皆んなで仲良くギルドに帰るのであった。
第3話 異世界食材
買い物から帰ったシュージは、キッチンで軽く仕込みをしつつ、ギルド内の掃除に取りかかることにした。
先程市場で手に入れたオークとビッグコッコ、グレートバッファローの3種類の骨に、お湯で軽く火を通したり、水で洗ったりしてから、それぞれ鍋に長ネギと生姜に似た野菜と共に放り込み、じっくり弱火で煮込んでいく。
20分おきくらいにアク取りをしつつ、空いた時間を掃除に充てる。
まずは、ロビーや受付周りを掃除することにして、先代の用務員さんが残してくれたメモを頼りに掃除用具などの準備をしていく。
ちなみに、服は用務員用の制服があったので、シュージはありがたくそれを着させてもらっている。
それは前世で清掃員が着ていたようなつなぎの制服で、しかも何着かもらえたので、掃除をする時と料理をする時に着替えれば衛生面もバッチリだろう。
ということでシュージは、黙々と掃除を始めた。
バケツとモップを使って床の掃除をし、机などは綺麗な布巾、床や壁の落ちにくい汚れは雑巾でゴシゴシと擦っていく。
こういう細々とした作業はシュージの性分に合っていて、格闘技をやっている時なんかよりも心にゆとりを持って取り組むことができていた。
「ただいま帰りましたわ」
すると、ロビー周りの掃除が一段落したタイミングで、女性の声が入り口の方から聞こえてきた。
そちらに顔を向けると、そこには綺麗な金髪を縦ロールにし、吊り目で強気そうな、10代後半くらいの少女が立っていた。
「あら? 見慣れない方がいるわね?」
そんな少女の問いに、シュージは答える。
「あ、どうも。昨日から用務員として雇われました、シュージと申します」
「へぇ、昨日の今日で掃除なんて殊勝な心がけね。私はアンネリーゼよ。稀代の天才大魔法使いなんだから、敬いなさい?」
「お、アンちゃんお帰りなさい」
アンネリーゼとシュージが話していると、受付の裏からキリカがひょこっと出てきた。
すると、アンネリーゼが焦った様子を見せる。
「ちょっと、初対面の人がいるんだからちゃんとアンネリーゼと……!」
「はいはい、依頼は終わった? 1人だったけど、ポカしてない?」
「ふふん、私にかかればちょろいものですわ!」
「そっかそっか、偉いね~」
「ふわぁ……って、頭なでなでするんじゃないわよ!」
「えー、嫌なの?」
「い、嫌とは言ってないですわっ。そんなに私のツヤツヤサラサラな髪を撫でたいなら、好きにするといいわっ」
口調や雰囲気からして、ちょっと気難しい子かなと若干思ったシュージだったが、キリカとのやり取りを見ていると、何だか微笑ましい気持ちになった。
「全く……シュージも、気軽に私をなでなでとかしちゃダメですわよ!」
アンネリーゼの言葉に、シュージは少し戸惑いながら答える。
「それはしませんが……」
「その大っきい手でなでなでとか、ダメですわよ!」
「は、はい?」
そう言い残すと、アンネリーゼはギルドの階段を駆け上がっていった。
「えっと、どういうことなんでしょう?」
「ふふ、可愛いでしょう? アンちゃんは褒められたがりなんです。今の言葉も、本心ではシュージさんの大っきな手でわしわし撫でて褒めてほしいってことですよ」
アンネリーゼの気持ちをキリカがそう代弁する。
「な、なるほど?」
「アンちゃんはまだまだ若いのに、魔法使いとしての腕と才能は特別高いんです。このギルドでも一番と言っていいくらい。……でも、ちょっと過去に色々あって、素直に甘えられない難しい子なんですよ。だから、アンちゃんのことは存分に甘やかしてあげてください」
「ふむ……分かりました」
キリカの言葉にシュージは素直に頷いた。
「多分、泊まりがけでの依頼で疲れてると思いますから、まずは美味しい昼ご飯とかで労ってあげるといいかもしれませんねっ♪」
「はは、そういうことなら任せてください。沢山食材がありますから、昨日よりも手の込んだものを作れると思います」
「それは私も楽しみになっちゃいますね」
丁度掃除も一段落したということで、早速シュージは昼ご飯を作ることにした。
◇ ◇ ◇
「あ、シュージ様。お昼ご飯の準備ですか?」
シュージが昼食を作ろうと厨房に向かうと、食堂にいたメイに声をかけられた。
「そうですね、今からしようかと」
「手伝いますよ」
「助かります。リックとカインはいないんですかね?」
「2人は前衛職なので、ジル様に稽古を付けてもらってます。私は魔法の座学をしてました」
「皆さん頑張ってて偉いですね」
シュージが褒めると、メイは嬉しそうな表情を浮かべる。
「えへへ……えっと、今日は何を作るんですか?」
「折角色んな出汁が取れたので、今回は鶏ガラスープを使った料理を作ろうかと」
「鶏ガラスープ、ですか? あ、この沢山の大鍋の中にある?」
「そうです。ちょっと味見してみましょうか」
シュージは大鍋の蓋を開け、鶏ガラスープを小さな皿に少し注ぎ、メイに差し出した。
「良ければ飲んでみてください」
「はいっ。……んっ! 凄い美味しいスープです!」
「うん、かなり美味しいですね」
今回、シュージは鶏っぽい見た目だというビッグコッコのガラから出汁を取っていた。
魔物食材は地球の食材に比べて旨みが強い傾向があるようで、それはビッグコッコの骨から出る旨味も例外ではなかった。
鶏ガラスープを味わっていたメイが口を開く。
「これ単体でも美味しいですけどね?」
「まぁ、そうですね。ですが、これは色んな料理に使えるんですよ。そうしたら、メイは白菜……こちらではホワイトリーフでしたね。それを洗って切っておいてもらえますか? 白くて硬い部分はちょっと細めに、柔らかい葉っぱの部分はざく切りでお願いします」
「分かりました」
シュージがメイにそう言いながら渡したホワイトリーフは、形は白菜そのもので、葉先が緑色からオレンジ色へとグラデーションになっているのが特徴的な野菜だ。
メイにそのホワイトリーフを切ってもらっている間に、シュージは大鍋の鶏ガラスープを網目の細かいざるでこし、大きめのボウルに移した。
そして、薄切りのオーク肉を取り出し、軽く塩胡椒で下味を付けて、一口大にカットしたらフライパンで焼いていく。
オーク肉に火が通ってきたら、メイに切ってもらったホワイトリーフを、まずは芯の硬い部分から入れ、硬い部分が柔らかくなってきたら、葉の部分も入れる。
追加で今朝市場で買ってきた、地球でいうところのエノキタケに似たホソダケというキノコをバラして入れていく。
ホソダケの見た目はシュージが見慣れているエノキタケとほぼ同じで、軸の部分が少し黄色がかっているのが特徴的だ。
味の特徴も買う時に聞いたが、エノキタケと大差なさそうだったので、そのまま使っていく。
「よし、そうしたらメイ。調味料を入れていきますよ。まずは料理酒をざーっとかけてみてください」
「えっと、どれくらいですか?」
「細かな量はちょっと秘密にしますね。料理をする時に、目分量で入れるというスキルは便利なので、感覚を養っていきましょう。もしそれ以上はダメだという時はちゃんと止めますから」
「分かりましたっ!」
シュージには見習い組達に料理を教えるという役割もあるので、今回メイには目分量で調味料を入れてみてもらった。
「うーん、これくらいですかね?」
「うん、悪くないですよ。ただ、今回の料理だと少し多めに入れたいので、これくらいですかね」
シュージは追加で料理酒を入れた。
「難しいです……」
「はは、そうですね。まぁ、困ったら気持ち少なめに入れるのをおすすめします。後から足すのはいくらでもできますから」
「なるほどっ」
その後もメイに目分量のことを教えつつ、酒とごま油、そして鶏ガラスープをフライパンに投入していった。
「よし、いい感じですね。そうしたら仕上げに……」
シュージがフライパンに液体を投入しようとすると、メイが質問をする。
「シュージ様、その白い液体は?」
「これは水で溶いた片栗粉ですね」
「片栗粉を水で……どういう意味があって使うんですか?」
「あれ、こちらではあんかけや唐揚げなどはあまり作りませんか?」
「うーん、どっちも聞いたことがない料理ですね」
「そうなんですね。まぁ、不味くはならないので安心してください」
メイとそんな会話をしつつ、フライパンに水溶き片栗粉を流し入れて、ダマにならないように混ぜ合わせていく。
ここまでの調理で、ホワイトリーフから出た水分や鶏ガラスープが水溶き片栗粉と混ざり合い、とろっとしたあんに徐々に変化していった。
「わぁ……とろとろしてます」
フライパンの中を見て、メイがそう声を上げた。
「これで完成ですね。味見してみましょうか?」
「いいんですか?」
「味見も調理した者の特権ですよ」
「ふふ、そうですね」
完成したオーク肉とホワイトリーフのあんかけを小鉢によそい、シュージとメイは箸でそれらを口に運んだ。
オーク肉とホワイトリーフの旨味があんと一緒に口の中にふんわりと広がり、シャキッとしたホソダケの食感もまたいいアクセントになっている。
「ん~っ! 凄い美味しいですっ!」
「上手くできてますね。これは米が欲しくなるな……」
「コメ、ですか?」
「はい。僕の故郷ではパンに並ぶ主食だったんです。白くてつぶつぶとした柔らかい食感の食べ物で……」
シュージの説明を聞いて、メイが思いついたように言う。
「ああ、ライスのことですかね?」
「えっ、あるんですか?」
「全く同じかは分かりませんけど、私の故郷とか、他にも食べる所はありますよ。あんまりメジャーじゃなくて、この辺りでは家畜の餌として売られてますね」
「それはぜひ手に入れたいですね……!」
「私も久しぶりに食べたいですね。言われてみれば確かに、パンよりもライスの方が合いそうです」
「何ならこの後、買いに行ったっていいですね」
思わぬ嬉しい情報に、シュージの行動欲が早くも刺激されていた。
「シュージ様、朝から動きっぱなしですけど、疲れないんですか?」
「これぐらいなら全然平気ですよ。むしろ、新しい発見が多くてとても楽しいくらいですから」
「そうですか、それなら良かったです」
その後、デザートにりんごを切って、食べたい人はパンも食べられるようにして、出来た料理達を食堂のテーブルに運んでいった。
その頃には、今ギルドにいる人達が、アンネリーゼ以外全員集まっていた。
「おや、皆さん早いですね」
シュージの呟きに、メイが笑いながら答える。
「もう皆んな、シュージ様の料理にゾッコンみたいですよ」
それから各自、自分が食べる分のあんかけを大皿からよそってもらっていたところで、アンネリーゼも食堂にやってきた。
「あ、あら? 何でこんなに人が集まってるのかしら?」
戸惑いの声を上げるアンネリーゼ。
その姿を見つけたキリカが声をかける。
「あっ、アンちゃん!」
「な、何よキリカ、そんなにニコニコして……」
「アンちゃん、シュージさんの料理はとっても美味しいんだよ! 早く食べてみて!」
「シュージの料理? まぁ、分かったわ」
アンネリーゼはよく分からなそうな表情を浮かべていたが、言われた通りオーク肉とホワイトリーフのあんかけをよそい、キリカの隣に座った。
「見たことない料理ですわね……なんだかとろとろしてて……」
「これ、すっごい美味しいよ、アンちゃん!」
「そ、そんなにですの? では、私も……」
アンネリーゼは上品にナイフとフォークを使って、オーク肉とホワイトリーフを口に運んだ。
「……! まぁ、これは……本当に美味しいですわ」
それを見ていたシュージが口を開く。
「お気に召して良かったです」
アンネリーゼはシュージに質問をする。
「このとろとろしたものは何なのかしら?」
アンネリーゼのそんな質問にも、シュージは丁寧に答えていく。
「それは水で溶いた片栗粉を使ったあんというものです。それをかけているからあんかけと呼びますね」
「あんかけ……ふふ、なんだか親近感が湧く名前ですわね」
実際、先程キリカがアンネリーゼをアンちゃんと呼んでいて、それを聞いてあんかけ食べたいと思ったから作ったというのは、シュージの心の中に留めておいた。
「とても美味しいですわ、シュージ」
「ありがとうございます」
そんな風に言ってくれたアンネリーゼを始め、他のメンバーにもあんかけはとても好評で、余分に作っておいた分もあっという間になくなったのであった。
309
あなたにおすすめの小説
隠れ居酒屋・越境庵~異世界転移した頑固料理人の物語~
呑兵衛和尚
ファンタジー
調理師・宇堂優也。
彼は、交通事故に巻き込まれて異世界へと旅立った。
彼が異世界に向かった理由、それは『運命の女神の干渉外で起きた事故』に巻き込まれたから。
神々でも判らない事故に巻き込まれ、死亡したという事で、優也は『異世界で第二の人生』を送ることが許された。
そして、仕事にまつわるいくつかのチート能力を得た優也は、異世界でも天職である料理に身をやつすことになるのだが。
始めてみる食材、初めて味わう異世界の味。
そこは、優也にとっては、まさに天国ともいえる世界であった。
そして様々な食材や人々と出会い、この異世界でのライフスタイルを謳歌し始めるのであった。
※【隠れ居酒屋・越境庵】は隔週更新です。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~
黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!
異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~
タカノ
ファンタジー
異世界へ転移し、聖女として崇められ、愛する家族に囲まれて88歳で大往生した……はずだった。 目が覚めると、そこは現代日本。 孤児の中学2年生、小金沢ヒナ(14)に戻っていた。
時間は1秒も進んでおらず、待っていたのは明日のご飯にも困る極貧生活。 けれど、ヒナの中身は酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃん(88歳)のまま!
「もう一度、あの豊かで安らかな老後(スローライフ)を手に入れてみせる!」
ヒナは決意する。異世界で極めた国宝級の【補助魔法】と【回復魔法】をフル活用して、現代社会で大金を稼ぐことを。 ただし、魔法は自分自身には使えないし、中学生が目立つと色々面倒くさい。 そこでヒナがビジネスパートナー(手駒)に選んだのは――
公園で絶望していた「リストラされた冴えないおっさん」と、 借金取りに追われる「ワケあり最強美女」!?
おっさんを裏から魔法で強化して『カリスマ社長』に仕立て上げ、 美女をフルバフで『人間兵器』に変えてトラブルを物理的に粉砕。 表向きはニコニコ笑う美少女中学生、裏では彼らを操るフィクサー。
「さあ善さん、リオちゃん。稼ぎますよ。すべては私の平穏な老後のために!」
精神年齢おばあちゃんの少女が、金と魔法と年の功で無双する、痛快マネー・コメディ開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。