マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 強面、筋骨隆々、非常に強い。でもとっても優しい男が異世界でほのぼの暮らすお話

かむら

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#325-2 亀の魔物肉②

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「あら、ムウちゃん」

「クー?」


 シュージが夕食の準備を始めてから1時間ほどが経過し、そろそろ全ての料理ができそうだというタイミングで、グレースが食堂にやってきた。

 そして、グレースはカウンター席でぺたりとお腹をつけてリラックスしているムウの近くの席に座り、ムウの頭を指ですりすりと撫でてあげた。


「夕食はもうすぐできますよ」

「ありがとうございます。 今日のご飯は何ですか?」

「ヒートタートルを使った料理をいくつか作ってみてます」

「ヒートタートルですか。食べた事ないですね」


 優秀な冒険者で各国を巡っているグレースも、ヒートタートルはどうやら食べたことがないらしい。


「えっと、ムウちゃんは気にしないんですね?」

「クー」

「どうやらそうみたいです」


 優しいグレースなので、シュージと同じように亀肉を食べる事をムウは気にしないのかと思ったみたいだが、当のムウはころんと仰向けになってリラックスし始め「大丈夫だよー」といった感じで一鳴きしていた。

 そんなムウにグレースはくすっと微笑むと、ムウのお腹をすりすりと撫でてあげた。


「よし、できましたよー」


 そうこうしていると、シュージが進めていた夕食の準備も終わり、その頃には他のメンバー達も食堂に集まってきていた。

 なので、早速出来上がった料理をテーブルの方へ運んで並べていった。


「今日の夕食はヒートタートルのお刺身と煮込みになります」


 そうして並べられた料理の中には、見慣れないものがあって、シュージはそれがヒートタートルのものであると説明していった。

 その反応的に、どうやら他のメンバー達もヒートタートルを食べたことがない者がほとんどのようだったが、見た目やニオイは普通に美味しそうだったので、シュージが作る料理という信頼感もあって、とりあえず口に運ぶ事にしたようだ。


「んっ、柔らかくて美味しいですね」

「お、本当ですね」


 その中には作った本人であるシュージも含まれていて、早速お刺身を口に運んでみたのだが、魔物肉特有の旨みの強さはありつつ、味は結構あっさりとした赤身肉といった感じで、かなり美味しかった。

 同じ赤身で海の幸であるマグロと比べてもまたちょっと違った美味しさなので、これはこれで寿司のネタにしたりしても美味しそうだなとシュージは内心思っていた。


「クー!」

「はは、気に入ったか?」


 そして、ムウはムウ用のお皿によそわれたヒートタートルのすじに近い部位を使った煮込みをとても美味しそうに食べていた。

 シュージもそれを見つつ、自分でも口に運んでみると、しっかり煮込まれた事で身の部分は舌で切れるくらいほろほろになっていた。

 すじの部分も、いかにもコラーゲンがありそうなぷるぷるとした食感と強い旨みが噛むたびに楽しめ、こちらも非常に絶品となっていた。


「とっても美味しいです」

「ですねぇ」


 隣に座るグレースも、かなりハイペースで箸が進んでおり、見た目に反してかなりの大食漢なので、用意した分はすぐ無くなりそうだなとシュージは内心思っていた。
 

「食わず嫌いはやっぱり良くないですね。こんなに美味しいのなら、こちらの方でも十分需要がありそうです」

「確かにそうですね。このお肉をくれた肉屋の方にもそう伝えておきましょうか」

「クー!」

「お、ムウもお代わりか。分かった」


 ムウもかなりヒートタートルを気に入ったようで、いつもは眠たげにしている目をパッチリと開きながら、シュージにお代わりを要望し、その後もいつも通り和やかに夕食は進んでいくのであった。
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