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#1 子供になっちゃった!?
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「はぁ……」
ここはとある町の商店街にある小さなケーキ屋。
そこに勤める日向香澄(ひなたかすみ)は、誰も来ないカウンターの前でため息を吐いていた。
というのも、この店は経営難から明日閉店する事が決まっているのだ。
(小さい頃、おじいちゃんとおばあちゃんが買ってきてくれるこの店のケーキが好きで、パティシエになってこの店に就職したのに……)
香澄が小さい頃、病気と事故で両親が亡くなってしまったため、香澄は祖父と祖母に育てられたのだが、祖父と祖母はよくこの店のケーキを買ってきてくれていた。
その美味しさと見た目の華やかさに魅入られた香澄は、専門学校に通い、晴れてパティシエとなり、この店に就職した。
しかし、就職してから五年後くらいのタイミングで、近くに大型のデパートができてしまい、大部分の客はそこで売られている安価なケーキを求めてこの店から離れてしまった。
昨今、不況続きで、各家庭の懐状況も怪しい中、香澄の店のケーキもそれなりに値上がりしてしまっているのもあり、工場で大量生産される安価なケーキの方が人気が出てしまうのは仕方のない事なのかもしれない。
(味も見た目も絶対こっちの方がいいのに……)
もちろん、香澄の店は一つずつケーキを手作りしている。
しかも、香澄はパティシエの専門学校に通っていた際に、コンクールで賞を貰った事があるくらい腕が良いので、味や見た目は最高級品と言っていいくらいの代物だ。
「お客さん来たかの?」
「あっ、オーナー…… いえ、朝に常連の方々が来た以降は来てないです……」
「そうかい」
そんな香澄に声を掛けてきたのは、この店のオーナーの老年の男性で、香澄が小さい頃から顔馴染みの人物だ。
「すまんね、香澄ちゃん。 閉める事になっちまって」
「いえ…… しょうがない事ですから」
「香澄ちゃんの腕は確かなんだけどなぁ…… 次の勤め先、まだ決まってないのかい?」
「あー…… なんか、このお店が本当に閉まっちゃうまで、次を探す気になれなくて……」
「香澄ちゃんがうちの店を最後まで好きでいてくれて本当に嬉しいよ。 もし次が見つからないようなら、知り合いの菓子屋をいくつか知っとるから、紹介させてくれ」
「あはは、ありがとうございます。 私も、学生時代の伝手を使って探してみます」
そんな風にオーナーと話したり、閉店間際にやって来た常連の客何組かの対応をしたら、この店の最後の営業時間が終わった。
「閉め作業はやっとくから、香澄ちゃんは上がっとくれ」
「分かりました。 ……オーナー、お世話になりました」
「こちらこそだよ。 最後まで残ってくれたのが香澄ちゃんで、本当に良かった」
そうオーナーに言われた香澄は、思わず涙を溢してしまい、泣き止むまでオーナーに背中を摩ってもらった。
その涙も枯れ、最後に店の扉の前で深々とお辞儀をしてから、香澄は帰路についた。
(……明日から、どうしよっかな)
終わってしまったあの店でのパティシエ生活に後ろ髪を引かれながら、香澄は未来の事を考える。
だが、悲しみに満たされた頭では考えもまとまらず、ふらふらとした足取りで自宅のマンションへと歩くことしかできなかった。
(……おじいちゃん、おばあちゃんも、もういないし、あの店も無くなっちゃった)
祖母は4年前、祖父は去年に亡くなってしまい、その2人との思い出の場所であったケーキ屋も無くなってしまった。
(……何も残ってないや)
そう自嘲しながら何とか自宅に辿り着いた香澄は、パパッとシャワーを浴び、食欲はなかったのでそのままベッドに入って眠りにつくのであった。
*
「んっ…… え……?」
その次の日。
香澄が眠りから覚め、目を開けると、飛び込んできたのは快晴の青空。
自宅で寝ていたら見るはずのない景色に驚いた香澄が体を起こすと、辺りには木々や草花が生い茂っており、ここがどこかの森の中である事を理解させられた。
(こ、ここどこっ……? 夢……?)
最初に疑ったのはこれが夢だということだったが、頬をつねっても痛いだけで、仄かに香る草花の匂いと地面の感触が、これが夢じゃない事を訴えかけてくる。
「ウゥ~……」
「えっ……?」
そんな状況に香澄が混乱していると、背後から獣が唸るような声が聞こえてきた。
慌てて振り返ると、そこには大型犬よりも一回り大きいくらいの赤い体毛をした狼がおり、その鋭い牙を剥き出しにしながら香澄の方へと迫ってきていた。
「ひっ……!?」
その狼の目は、完全に獲物を見る目で、そんな目を向けられた経験のない香澄は、地面に尻餅をついたまま後退ろうとした。
「ガァッ!!」
「きゃあっ!?」
だが、獲物を逃がしてなるものかと、狼が凄まじい勢いで飛びかかってきた。
香澄はそれを無意識に横っ飛びで回避しようとしたが、狼の鋭く大きな爪が太もも辺りに掠り、その部分が浅く切り裂かれた。
「痛っ……!」
浅いとはいえ、普通に生活していたら付きようのない大きさの傷と、そこから滴る血液を見て、香澄の顔から血の気が引いていく。
さらには傷口から痛みも伝わってきて、香澄はその場から動けなくなってしまう。
「グルゥ……」
「嫌っ…… だ、誰かぁ……」
そんな香澄を嘲笑うかのように、赤い狼はゆっくりと香澄に近づいてくると、その顎門を大きく開いて香澄の頭に噛みつこうとしてきた。
「はぁっ!」
「グル……?」
だが、その牙が香澄に届く寸前。
香澄の後方から何かが猛スピードで駆け寄ってきたかと思うと、次の瞬間には狼の首がバターのように斬り落とされた。
「よっ! ……ふぅ、大丈夫か?」
「あっ……?」
そう香澄に声を掛けてきたのは、色白な肌に綺麗な金髪を携え、頭の横から長く尖った耳を生やした美しい女性だった。
その女性は狼の血などが香澄に付かないよう、狼の体や首を香澄に触れる前に蹴り飛ばしてくれた。
「あ、あり、が……」
「ああ、怖かっただろう。 無理に話さなくていいよ」
「……っ。 ふぇ……!」
「おー、よしよし、もう大丈夫だぞー」
「うぁぁぁぁんっ……!」
先程までは考える隙も無かったが、助けられた事で少し落ち着いた頭は、もう少し遅かったら死んでいたという恐怖を自覚し、それは涙という形となって体に現れた。
それを見ていた香澄を助けてくれた女性は、香澄の事を抱え上げ、背中や頭を優しく撫でてくれた。
そんな優しさを受けた事によっても香澄の涙腺は崩壊し、それからしばらく香澄は助けてくれた女性の腕の中で泣き続けた。
――それから10分ほど経ちった頃。
「す、すみませんでした……」
「良いんだ。 落ち着いたかい?」
見知らぬ女性の腕の中で脇目も振らずに泣いてしまった恥ずかしさで、香澄は目だけじゃなく顔まで真っ赤にしてしまっていた。
「にしても、何でこんな子供が魔の森に?」
「子供……?」
「うん? 君の事だぞ?」
「えっ……?」
(わ、私、もう30なんだけど…… って、えっ……?)
子供と言われて違和感を感じた香澄だったが、ふと自分の手を見てみると、やけに小さい。
しかも、色々動転していて気付いていなかったが、香澄は今、助けられた女性に片手で抱っこされていた。
「ご、こめんなさい、もう下ろして大丈夫ですっ……」
「そうかい?」
香澄がそう言って地面に降ろしてもらうと、助けられた女性の目線は自分より遥か上にあった。
「あ、あれ、ごめんなさい、身長いくつですか……?」
「身長? 170だけど」
「あ、あれっ……?」
てっきりその女性がめちゃくちゃ大きいのかと思ったが、告げられた身長は女性にしては高い方ではあるものの、驚く程ではない。
そんな彼女と香澄の目線の高さを比べると、目測でも50~60センチは離れていそうだった。
それに驚きつつ、自分の小さな手で顔に触れてみると、やたらとぷにぷにしていて瑞々しい。
(わ、私、子供になってる……!?)
以上の事から、ようやく香澄も自分の姿が子供になってしまっている事を自覚するのであった。
ここはとある町の商店街にある小さなケーキ屋。
そこに勤める日向香澄(ひなたかすみ)は、誰も来ないカウンターの前でため息を吐いていた。
というのも、この店は経営難から明日閉店する事が決まっているのだ。
(小さい頃、おじいちゃんとおばあちゃんが買ってきてくれるこの店のケーキが好きで、パティシエになってこの店に就職したのに……)
香澄が小さい頃、病気と事故で両親が亡くなってしまったため、香澄は祖父と祖母に育てられたのだが、祖父と祖母はよくこの店のケーキを買ってきてくれていた。
その美味しさと見た目の華やかさに魅入られた香澄は、専門学校に通い、晴れてパティシエとなり、この店に就職した。
しかし、就職してから五年後くらいのタイミングで、近くに大型のデパートができてしまい、大部分の客はそこで売られている安価なケーキを求めてこの店から離れてしまった。
昨今、不況続きで、各家庭の懐状況も怪しい中、香澄の店のケーキもそれなりに値上がりしてしまっているのもあり、工場で大量生産される安価なケーキの方が人気が出てしまうのは仕方のない事なのかもしれない。
(味も見た目も絶対こっちの方がいいのに……)
もちろん、香澄の店は一つずつケーキを手作りしている。
しかも、香澄はパティシエの専門学校に通っていた際に、コンクールで賞を貰った事があるくらい腕が良いので、味や見た目は最高級品と言っていいくらいの代物だ。
「お客さん来たかの?」
「あっ、オーナー…… いえ、朝に常連の方々が来た以降は来てないです……」
「そうかい」
そんな香澄に声を掛けてきたのは、この店のオーナーの老年の男性で、香澄が小さい頃から顔馴染みの人物だ。
「すまんね、香澄ちゃん。 閉める事になっちまって」
「いえ…… しょうがない事ですから」
「香澄ちゃんの腕は確かなんだけどなぁ…… 次の勤め先、まだ決まってないのかい?」
「あー…… なんか、このお店が本当に閉まっちゃうまで、次を探す気になれなくて……」
「香澄ちゃんがうちの店を最後まで好きでいてくれて本当に嬉しいよ。 もし次が見つからないようなら、知り合いの菓子屋をいくつか知っとるから、紹介させてくれ」
「あはは、ありがとうございます。 私も、学生時代の伝手を使って探してみます」
そんな風にオーナーと話したり、閉店間際にやって来た常連の客何組かの対応をしたら、この店の最後の営業時間が終わった。
「閉め作業はやっとくから、香澄ちゃんは上がっとくれ」
「分かりました。 ……オーナー、お世話になりました」
「こちらこそだよ。 最後まで残ってくれたのが香澄ちゃんで、本当に良かった」
そうオーナーに言われた香澄は、思わず涙を溢してしまい、泣き止むまでオーナーに背中を摩ってもらった。
その涙も枯れ、最後に店の扉の前で深々とお辞儀をしてから、香澄は帰路についた。
(……明日から、どうしよっかな)
終わってしまったあの店でのパティシエ生活に後ろ髪を引かれながら、香澄は未来の事を考える。
だが、悲しみに満たされた頭では考えもまとまらず、ふらふらとした足取りで自宅のマンションへと歩くことしかできなかった。
(……おじいちゃん、おばあちゃんも、もういないし、あの店も無くなっちゃった)
祖母は4年前、祖父は去年に亡くなってしまい、その2人との思い出の場所であったケーキ屋も無くなってしまった。
(……何も残ってないや)
そう自嘲しながら何とか自宅に辿り着いた香澄は、パパッとシャワーを浴び、食欲はなかったのでそのままベッドに入って眠りにつくのであった。
*
「んっ…… え……?」
その次の日。
香澄が眠りから覚め、目を開けると、飛び込んできたのは快晴の青空。
自宅で寝ていたら見るはずのない景色に驚いた香澄が体を起こすと、辺りには木々や草花が生い茂っており、ここがどこかの森の中である事を理解させられた。
(こ、ここどこっ……? 夢……?)
最初に疑ったのはこれが夢だということだったが、頬をつねっても痛いだけで、仄かに香る草花の匂いと地面の感触が、これが夢じゃない事を訴えかけてくる。
「ウゥ~……」
「えっ……?」
そんな状況に香澄が混乱していると、背後から獣が唸るような声が聞こえてきた。
慌てて振り返ると、そこには大型犬よりも一回り大きいくらいの赤い体毛をした狼がおり、その鋭い牙を剥き出しにしながら香澄の方へと迫ってきていた。
「ひっ……!?」
その狼の目は、完全に獲物を見る目で、そんな目を向けられた経験のない香澄は、地面に尻餅をついたまま後退ろうとした。
「ガァッ!!」
「きゃあっ!?」
だが、獲物を逃がしてなるものかと、狼が凄まじい勢いで飛びかかってきた。
香澄はそれを無意識に横っ飛びで回避しようとしたが、狼の鋭く大きな爪が太もも辺りに掠り、その部分が浅く切り裂かれた。
「痛っ……!」
浅いとはいえ、普通に生活していたら付きようのない大きさの傷と、そこから滴る血液を見て、香澄の顔から血の気が引いていく。
さらには傷口から痛みも伝わってきて、香澄はその場から動けなくなってしまう。
「グルゥ……」
「嫌っ…… だ、誰かぁ……」
そんな香澄を嘲笑うかのように、赤い狼はゆっくりと香澄に近づいてくると、その顎門を大きく開いて香澄の頭に噛みつこうとしてきた。
「はぁっ!」
「グル……?」
だが、その牙が香澄に届く寸前。
香澄の後方から何かが猛スピードで駆け寄ってきたかと思うと、次の瞬間には狼の首がバターのように斬り落とされた。
「よっ! ……ふぅ、大丈夫か?」
「あっ……?」
そう香澄に声を掛けてきたのは、色白な肌に綺麗な金髪を携え、頭の横から長く尖った耳を生やした美しい女性だった。
その女性は狼の血などが香澄に付かないよう、狼の体や首を香澄に触れる前に蹴り飛ばしてくれた。
「あ、あり、が……」
「ああ、怖かっただろう。 無理に話さなくていいよ」
「……っ。 ふぇ……!」
「おー、よしよし、もう大丈夫だぞー」
「うぁぁぁぁんっ……!」
先程までは考える隙も無かったが、助けられた事で少し落ち着いた頭は、もう少し遅かったら死んでいたという恐怖を自覚し、それは涙という形となって体に現れた。
それを見ていた香澄を助けてくれた女性は、香澄の事を抱え上げ、背中や頭を優しく撫でてくれた。
そんな優しさを受けた事によっても香澄の涙腺は崩壊し、それからしばらく香澄は助けてくれた女性の腕の中で泣き続けた。
――それから10分ほど経ちった頃。
「す、すみませんでした……」
「良いんだ。 落ち着いたかい?」
見知らぬ女性の腕の中で脇目も振らずに泣いてしまった恥ずかしさで、香澄は目だけじゃなく顔まで真っ赤にしてしまっていた。
「にしても、何でこんな子供が魔の森に?」
「子供……?」
「うん? 君の事だぞ?」
「えっ……?」
(わ、私、もう30なんだけど…… って、えっ……?)
子供と言われて違和感を感じた香澄だったが、ふと自分の手を見てみると、やけに小さい。
しかも、色々動転していて気付いていなかったが、香澄は今、助けられた女性に片手で抱っこされていた。
「ご、こめんなさい、もう下ろして大丈夫ですっ……」
「そうかい?」
香澄がそう言って地面に降ろしてもらうと、助けられた女性の目線は自分より遥か上にあった。
「あ、あれ、ごめんなさい、身長いくつですか……?」
「身長? 170だけど」
「あ、あれっ……?」
てっきりその女性がめちゃくちゃ大きいのかと思ったが、告げられた身長は女性にしては高い方ではあるものの、驚く程ではない。
そんな彼女と香澄の目線の高さを比べると、目測でも50~60センチは離れていそうだった。
それに驚きつつ、自分の小さな手で顔に触れてみると、やたらとぷにぷにしていて瑞々しい。
(わ、私、子供になってる……!?)
以上の事から、ようやく香澄も自分の姿が子供になってしまっている事を自覚するのであった。
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