5 / 62
#5 異世界初料理
調味料が手に入り、作りたいものも決まったので、カスミは早速料理を始める事にした。
もう日も沈んで丁度夕食時という時間帯になったので、とりあえず今日のところは手早く作れる料理を作っていく。
まずは冷蔵庫にあった豚肉っぽい塊肉を取り出し、食べやすいサイズに包丁でカットする。
「おー、カスミちゃん、包丁使うの上手いねー!」
「確かに手際がいいな。 料理ができるというのは本当なようだ」
その包丁さばきを見て、レネとクリスタがそんな風に言ってくる。
「ありがとうございますっ。 それで、もう切り始めちゃいましたけど、このお肉って豚肉ですよね?」
「豚肉と言えば豚肉かな? 豚の魔物のオークの肉だけど」
カスミの質問に、レネはそう答えてきた。
「えっ、魔物のお肉なんですか……!」
「カスミは魔物の肉を食べた事ないのか?」
「そうですね…… 食べた事ないです」
「普通の家畜の肉もあるにはあるが、魔物の肉の方が断然美味いぞ」
(確かに、このお肉も切った感じ凄い柔らかいし上等そう…… まぁ、美味しいなら良いよねっ)
魔物の肉と聞いて少々面食らったカスミだったが、クリスタ曰く美味しいそうなので、そのまま料理を続ける事にした。
今日夕食を食べるのはここにいるカスミ達3人と、部屋で寝ているというもう1人の住人らしいので、今日の夕食に使うオーク肉とナスは食べやすいサイズに、キャベツは千切りにして人数分用意していく。
あと、冷蔵庫の片隅に転がっていた生姜も刻んでおく。
「おお、千切りが上手いな」
「私達より全然上手くない?」
「そうだな。 少し心配してたが、大丈夫そうだ」
心配で見守っていたクリスタとレネも、カスミの料理の腕前を見て一安心していた。
「えっと、普段は誰が料理を作ってるんですか?」
「私かレネか猫人のメンバーだな。 羊人のやつは作れなくもないが面倒くさがりで寝てばっかだし、龍人のやつはからっきしだ」
「そうなんですねっ」
作業をしながらのカスミの質問には、クリスタがそんな風に答える。
そうこうしているうちに、これから使う食材達は切り終えたので、まずは鍋で湯を沸かし、そこに先程スキルで出した和風顆粒出汁とナスを加えてナスに火が通るまで煮ておく。
「今入れた粉みたいのはなんだ?」
「えっと、魚とか海藻の旨味を取り出したものを粉状にしたものです」
「ふむ、そんなものがあるんだな」
カスミが使う見たことのない調味料に、クリスタは終始興味深そうにしていた。
(この世界、やっぱりあんまり料理が発達してないのかな……? 醤油とかも無いし出汁って概念もないみたいだし……)
この世界の食文化にカスミは若干の不安を覚えつつ、鍋でナスを煮ている間に、フライパンに油を引いて温め、オーク肉に片栗粉を軽く塗してから焼いていく。
「なんでその粉付けたのー?」
「こうすると柔らかく仕上がるんです」
「へー、凄いね?」
レネもちょこちょこ質問をしてくるので、カスミはそれにも丁寧に答える。
その間にも、薄切りにしたオーク肉はあっという間に焼き上がり、両面良い焼き色が付いた。
そうしたら、酒、砂糖、醤油、みりん、すりおろした生姜を合わせて作ったタレをオーク肉に回しかけ、少しとろみがつくくらいまで絡めて煮詰めていく。
「な、なんだこの匂いはっ。 美味しそう過ぎるっ」
「凄い色んな調味料を一度に使うんだね!」
そうすると、フライパンからは食欲をそそるいい匂いが辺りに広がっていったのだが、クリスタとレネはその匂いだけでかなり興奮していた。
(もしかして、調味料を合わせるっていう概念がそもそも無いのかな?)
色んな調味料を使って料理するカスミを見て驚くクリスタとレネの様子から、カスミはそう当たりをつけた。
元々この家にあった調味料が塩と砂糖と胡椒くらいしかなかった事を鑑みても、その推察はあながち間違いじゃないような気がカスミはしていた。
「なにこの匂い~……?」
すると、カスミ達のいるキッチンに誰かが近づいてきた。
そちらにカスミが目を向けてみると、そこにはワンピースタイプの薄手のパジャマを着た身長155センチくらいの眠そうな目元をした美少女がおり、頭の横からはゴツゴツとした羊のツノを生やしていた。
「あ、フィオだ。 珍しいね、起きたんだ?」
「良い匂いがして起きた~…… ん~……? その子だれ~……?」
レネがフィオと呼んだ美少女は、カスミを見て不思議そうな表情を浮かべた。
「あっ、カスミと申しますっ。 今日からこのお家でお世話にならせてもらう事になりましたっ」
「お~…… 礼儀正しいね~…… 私はフィオだよ~…… よろしくね~……」
フィオは眠そうにしながらもそう言うと、ふにゃりとカスミに対して微笑んでくれた。
どうやら、悪感情は抱かれなかったようだ。
「で、何作ってるの~……?」
「カスミが今日の夕食を作ってくれてるんだ。 何を作ってるのかは私達も分からん」
フィオの質問にはクリスタが答えてくれた。
「へ~…… なんか、見た事ないものいっぱいあるね~…… 鑑定してみよ~……」
フィオはそう言うと、キッチンの上にある調味料達をじっと見つめた。
「へぇ~…… ふんふん、どれも手間のかかる調味料だね~……」
「えっと、フィオさんは何を……?」
「フィオは鑑定というスキルを持ってるの! 人とか物とかの詳細な情報が見れるんだ!」
何をしているんだろうとカスミが疑問を抱いていると、レネがそう教えてくれた。
「物はともかく、人の隠し事とかは分かんないけどね~…… 年齢とかスキルとかは分かるけど~……」
「そうしたら、後でカスミのスキルを鑑定してもらうか」
クリスタがそんなことを提案してきた。
「分かりましたっ。 ……あ、もうすぐご飯できますよ」
「お、それなら皿の準備をしよう」
とりあえず、鑑定についての話は後回しにし、出来上がった今日のメインであるオーク肉の生姜焼きを、キャベツの千切りと共に大きめのお皿に盛り付ける。
そして、ナスを煮ていた鍋の方には味噌を溶かし入れて味噌汁を完成させ、手頃なお椀に注いでいった。
(お米があれば一番だったけど、無さそうだから、物足りない人にはパンを食べてもらおう)
そんなこんなで完成した料理を、リビングのテーブルに運んで、早速皆で食べる事にした。
「わぁ、どれも美味しそう!」
「とっても良い匂い~……」
「カスミ、いただくな?」
「はいっ」
カスミの許しを得たクリスタ、レネ、フィオの3人は、まずは一番食欲をそそる匂いを放っているオーク肉の生姜焼きから口に運んでいった。
「あむ…… お、おぉっ……!? な、なんだこれはっ……!」
「お、おいひぃー!」
「これは、未知の美食~……!」
すると、クリスタもレネもフィオも、口の中に広がった凄まじい旨味に目を見開きながら驚きの声を上げ、その後は飲み込むのが勿体無いと言わんばかりに、ゆっくりと噛み締めて生姜焼きを味わい始めた。
(わっ、確かに凄いこのお肉美味しい! 地球のブランド品よりも全然美味しいかも……)
カスミもカスミでオーク肉の生姜焼きを口に運んでみたのだが、魔物肉の凄まじい美味しさに驚いていた。
赤みの部分からは噛めば噛むほど旨味が出てくるし、脂身もそれなりにあるが全くクドくなく、間違いなくこれまで食べた豚肉の中で一番の美味しさだった。
(確かに、このお肉なら塩と胡椒だけでも十分だね…… キャベツとナスも地球のより美味しいし、食材の美味しさのせいで逆に調理技術が発展しなかったのかも?)
「キャベツと一緒に食べるとまた美味しいな……!」
「このスープも美味しい!」
「柔らかナスとよく合ってる~…… うまうま~……」
カスミがそう思っている間も、クリスタ、レネ、フィオは幸せそうな表情でオーク肉を噛み締めていた。
(まぁ、何はともあれ、クリスタさん達が喜んでくれて良かったなっ)
とりあえず、第一目標であるクリスタ達を喜ばせて恩を返すという目標は達成できたので、安心してカスミも自ら作った美味しい夕食を楽しんでいった。
すると、美味しいご飯は箸も進むもので、全員割とすぐに用意された分のご飯は食べ終えるのであった。
「あぁ、もう無くなってしまったか」
「足りませんでしたか?」
「正直に言うと、もっと食べたいな」
カスミの問いかけにクリスタはそう答えた。
「では、明日からはお代わりも作りますね」
どうやら普通の一人前の量ではクリスタ達にはちょっと物足りなかったようなので、明日からはもう少し量を作ろうとカスミは心に決めた。
「こんな美味しい料理を作ってもらえるなら、むしろこっちがお金を払わないといけないくらいだな」
「いえいえ、ここに住まわせてもらえるだけでも十分ですから」
「そうか。 ありがとな、カスミ」
「あっ……」
クリスタはそう礼を言いながら、カスミの頭を撫でてくれた。
「おっと、子供扱いは嫌だったか?」
「い、いえ、とっても嬉しいですっ」
「ふふ、そうか。 カスミの髪はツヤツヤで触り心地が良いな」
(誰かにこんな風に褒められながら頭撫でられたのなんて、いつ振りだろう…… なんか、凄い嬉しいなっ)
「クリスタずるーい! 私もカスミちゃん撫でるー!」
「カスミ、とっても美味しいご飯だったよ~…… えらいえらい~……」
クリスタに引き続き、レネとフィオもカスミの頭を撫でながら褒め称えてくれた。
「わぁっ……! え、えへへ…… ありがとうございますっ」
その後もカスミは皆に褒められ可愛がられ、とても温かい時間を過ごすのであった。
もう日も沈んで丁度夕食時という時間帯になったので、とりあえず今日のところは手早く作れる料理を作っていく。
まずは冷蔵庫にあった豚肉っぽい塊肉を取り出し、食べやすいサイズに包丁でカットする。
「おー、カスミちゃん、包丁使うの上手いねー!」
「確かに手際がいいな。 料理ができるというのは本当なようだ」
その包丁さばきを見て、レネとクリスタがそんな風に言ってくる。
「ありがとうございますっ。 それで、もう切り始めちゃいましたけど、このお肉って豚肉ですよね?」
「豚肉と言えば豚肉かな? 豚の魔物のオークの肉だけど」
カスミの質問に、レネはそう答えてきた。
「えっ、魔物のお肉なんですか……!」
「カスミは魔物の肉を食べた事ないのか?」
「そうですね…… 食べた事ないです」
「普通の家畜の肉もあるにはあるが、魔物の肉の方が断然美味いぞ」
(確かに、このお肉も切った感じ凄い柔らかいし上等そう…… まぁ、美味しいなら良いよねっ)
魔物の肉と聞いて少々面食らったカスミだったが、クリスタ曰く美味しいそうなので、そのまま料理を続ける事にした。
今日夕食を食べるのはここにいるカスミ達3人と、部屋で寝ているというもう1人の住人らしいので、今日の夕食に使うオーク肉とナスは食べやすいサイズに、キャベツは千切りにして人数分用意していく。
あと、冷蔵庫の片隅に転がっていた生姜も刻んでおく。
「おお、千切りが上手いな」
「私達より全然上手くない?」
「そうだな。 少し心配してたが、大丈夫そうだ」
心配で見守っていたクリスタとレネも、カスミの料理の腕前を見て一安心していた。
「えっと、普段は誰が料理を作ってるんですか?」
「私かレネか猫人のメンバーだな。 羊人のやつは作れなくもないが面倒くさがりで寝てばっかだし、龍人のやつはからっきしだ」
「そうなんですねっ」
作業をしながらのカスミの質問には、クリスタがそんな風に答える。
そうこうしているうちに、これから使う食材達は切り終えたので、まずは鍋で湯を沸かし、そこに先程スキルで出した和風顆粒出汁とナスを加えてナスに火が通るまで煮ておく。
「今入れた粉みたいのはなんだ?」
「えっと、魚とか海藻の旨味を取り出したものを粉状にしたものです」
「ふむ、そんなものがあるんだな」
カスミが使う見たことのない調味料に、クリスタは終始興味深そうにしていた。
(この世界、やっぱりあんまり料理が発達してないのかな……? 醤油とかも無いし出汁って概念もないみたいだし……)
この世界の食文化にカスミは若干の不安を覚えつつ、鍋でナスを煮ている間に、フライパンに油を引いて温め、オーク肉に片栗粉を軽く塗してから焼いていく。
「なんでその粉付けたのー?」
「こうすると柔らかく仕上がるんです」
「へー、凄いね?」
レネもちょこちょこ質問をしてくるので、カスミはそれにも丁寧に答える。
その間にも、薄切りにしたオーク肉はあっという間に焼き上がり、両面良い焼き色が付いた。
そうしたら、酒、砂糖、醤油、みりん、すりおろした生姜を合わせて作ったタレをオーク肉に回しかけ、少しとろみがつくくらいまで絡めて煮詰めていく。
「な、なんだこの匂いはっ。 美味しそう過ぎるっ」
「凄い色んな調味料を一度に使うんだね!」
そうすると、フライパンからは食欲をそそるいい匂いが辺りに広がっていったのだが、クリスタとレネはその匂いだけでかなり興奮していた。
(もしかして、調味料を合わせるっていう概念がそもそも無いのかな?)
色んな調味料を使って料理するカスミを見て驚くクリスタとレネの様子から、カスミはそう当たりをつけた。
元々この家にあった調味料が塩と砂糖と胡椒くらいしかなかった事を鑑みても、その推察はあながち間違いじゃないような気がカスミはしていた。
「なにこの匂い~……?」
すると、カスミ達のいるキッチンに誰かが近づいてきた。
そちらにカスミが目を向けてみると、そこにはワンピースタイプの薄手のパジャマを着た身長155センチくらいの眠そうな目元をした美少女がおり、頭の横からはゴツゴツとした羊のツノを生やしていた。
「あ、フィオだ。 珍しいね、起きたんだ?」
「良い匂いがして起きた~…… ん~……? その子だれ~……?」
レネがフィオと呼んだ美少女は、カスミを見て不思議そうな表情を浮かべた。
「あっ、カスミと申しますっ。 今日からこのお家でお世話にならせてもらう事になりましたっ」
「お~…… 礼儀正しいね~…… 私はフィオだよ~…… よろしくね~……」
フィオは眠そうにしながらもそう言うと、ふにゃりとカスミに対して微笑んでくれた。
どうやら、悪感情は抱かれなかったようだ。
「で、何作ってるの~……?」
「カスミが今日の夕食を作ってくれてるんだ。 何を作ってるのかは私達も分からん」
フィオの質問にはクリスタが答えてくれた。
「へ~…… なんか、見た事ないものいっぱいあるね~…… 鑑定してみよ~……」
フィオはそう言うと、キッチンの上にある調味料達をじっと見つめた。
「へぇ~…… ふんふん、どれも手間のかかる調味料だね~……」
「えっと、フィオさんは何を……?」
「フィオは鑑定というスキルを持ってるの! 人とか物とかの詳細な情報が見れるんだ!」
何をしているんだろうとカスミが疑問を抱いていると、レネがそう教えてくれた。
「物はともかく、人の隠し事とかは分かんないけどね~…… 年齢とかスキルとかは分かるけど~……」
「そうしたら、後でカスミのスキルを鑑定してもらうか」
クリスタがそんなことを提案してきた。
「分かりましたっ。 ……あ、もうすぐご飯できますよ」
「お、それなら皿の準備をしよう」
とりあえず、鑑定についての話は後回しにし、出来上がった今日のメインであるオーク肉の生姜焼きを、キャベツの千切りと共に大きめのお皿に盛り付ける。
そして、ナスを煮ていた鍋の方には味噌を溶かし入れて味噌汁を完成させ、手頃なお椀に注いでいった。
(お米があれば一番だったけど、無さそうだから、物足りない人にはパンを食べてもらおう)
そんなこんなで完成した料理を、リビングのテーブルに運んで、早速皆で食べる事にした。
「わぁ、どれも美味しそう!」
「とっても良い匂い~……」
「カスミ、いただくな?」
「はいっ」
カスミの許しを得たクリスタ、レネ、フィオの3人は、まずは一番食欲をそそる匂いを放っているオーク肉の生姜焼きから口に運んでいった。
「あむ…… お、おぉっ……!? な、なんだこれはっ……!」
「お、おいひぃー!」
「これは、未知の美食~……!」
すると、クリスタもレネもフィオも、口の中に広がった凄まじい旨味に目を見開きながら驚きの声を上げ、その後は飲み込むのが勿体無いと言わんばかりに、ゆっくりと噛み締めて生姜焼きを味わい始めた。
(わっ、確かに凄いこのお肉美味しい! 地球のブランド品よりも全然美味しいかも……)
カスミもカスミでオーク肉の生姜焼きを口に運んでみたのだが、魔物肉の凄まじい美味しさに驚いていた。
赤みの部分からは噛めば噛むほど旨味が出てくるし、脂身もそれなりにあるが全くクドくなく、間違いなくこれまで食べた豚肉の中で一番の美味しさだった。
(確かに、このお肉なら塩と胡椒だけでも十分だね…… キャベツとナスも地球のより美味しいし、食材の美味しさのせいで逆に調理技術が発展しなかったのかも?)
「キャベツと一緒に食べるとまた美味しいな……!」
「このスープも美味しい!」
「柔らかナスとよく合ってる~…… うまうま~……」
カスミがそう思っている間も、クリスタ、レネ、フィオは幸せそうな表情でオーク肉を噛み締めていた。
(まぁ、何はともあれ、クリスタさん達が喜んでくれて良かったなっ)
とりあえず、第一目標であるクリスタ達を喜ばせて恩を返すという目標は達成できたので、安心してカスミも自ら作った美味しい夕食を楽しんでいった。
すると、美味しいご飯は箸も進むもので、全員割とすぐに用意された分のご飯は食べ終えるのであった。
「あぁ、もう無くなってしまったか」
「足りませんでしたか?」
「正直に言うと、もっと食べたいな」
カスミの問いかけにクリスタはそう答えた。
「では、明日からはお代わりも作りますね」
どうやら普通の一人前の量ではクリスタ達にはちょっと物足りなかったようなので、明日からはもう少し量を作ろうとカスミは心に決めた。
「こんな美味しい料理を作ってもらえるなら、むしろこっちがお金を払わないといけないくらいだな」
「いえいえ、ここに住まわせてもらえるだけでも十分ですから」
「そうか。 ありがとな、カスミ」
「あっ……」
クリスタはそう礼を言いながら、カスミの頭を撫でてくれた。
「おっと、子供扱いは嫌だったか?」
「い、いえ、とっても嬉しいですっ」
「ふふ、そうか。 カスミの髪はツヤツヤで触り心地が良いな」
(誰かにこんな風に褒められながら頭撫でられたのなんて、いつ振りだろう…… なんか、凄い嬉しいなっ)
「クリスタずるーい! 私もカスミちゃん撫でるー!」
「カスミ、とっても美味しいご飯だったよ~…… えらいえらい~……」
クリスタに引き続き、レネとフィオもカスミの頭を撫でながら褒め称えてくれた。
「わぁっ……! え、えへへ…… ありがとうございますっ」
その後もカスミは皆に褒められ可愛がられ、とても温かい時間を過ごすのであった。
あなたにおすすめの小説
『病弱な幼馴染を優先してください』と言った妻が消えた翌日、夫は領地の会計書類が全て白紙になっていることに気づいた
歩人
ファンタジー
侯爵家に嫁いで五年。ルチアは夫エミルの領地会計・社交・使用人管理を全て一人で担ってきた。だがエミルはいつも幼馴染のアリーチェを優先する。「アリーチェは体が弱いんだ、お前とは違う」——その言葉を百回聞いた日、ルチアは微笑んで離縁届に署名した。「ええ、私は丈夫ですから。どうぞ幼馴染様をお大事に」。翌朝、エミルが目にしたのは——税務報告の締切、領民からの陳情の山、そして紅茶の淹れ方すら知らない自分。三ヶ月後、かつて「地味な妻」と呼ばれたルチアは、辺境伯の財務顧問として辣腕を振るっていた。
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】財務大臣が『経済の話だけ』と毎日訪ねてきます。婚約破棄後、前世の経営知識で辺境を改革したら、こんな溺愛が始まりました
チャビューヘ
恋愛
三度目の婚約破棄で、ようやく自由を手に入れた。
王太子から「冷酷で心がない」と糾弾され、大広間で婚約を破棄されたエリナ。しかし彼女は泣かない。なぜなら、これは三度目のループだから。前世は過労死した41歳の経営コンサル。一周目は泣き崩れ、二周目は慌てふためいた。でも三周目の今回は違う。「ありがとうございます、殿下。これで自由になれます」──優雅に微笑み、誰も予想しない行動に出る。
エリナが選んだのは、誰も欲しがらない辺境の荒れ地。人口わずか4500人、干ばつで荒廃した最悪の土地を、金貨100枚で買い取った。貴族たちは嘲笑う。「追放された令嬢が、荒れ地で野垂れ死にするだけだ」と。
だが、彼らは知らない。エリナが前世で培った、経営コンサルタントとしての圧倒的な知識を。三圃式農業、ブランド戦略、人材採用術、物流システム──現代日本の経営ノウハウを、中世ファンタジー世界で全力展開。わずか半年で領地は緑に変わり、住民たちは希望を取り戻す。一年後には人口は倍増、財政は奇跡の黒字化。「辺境の奇跡」として王国中で噂になり始めた。
そして現れたのが、王国一の冷徹さで知られる財務大臣、カイル・ヴェルナー。氷のような視線、容赦ない数字の追及。貴族たちが震え上がる彼が、なぜか月に一度の「定期視察」を提案してくる。そして月一が週一になり、やがて──「経済政策の話がしたいだけです」という言い訳とともに、毎日のように訪ねてくるようになった。
夜遅くまで経済理論を語り合い、気づけば星空の下で二人きり。「あなたは、何者なんだ」と問う彼の瞳には、もはや氷の冷たさはない。部下たちは囁く。「閣下、またフェルゼン領ですか」。本人は「重要案件だ」と言い張るが、その頬は微かに赤い。
一方、エリナを捨てた元婚約者の王太子リオンは、彼女の成功を知って後悔に苛まれる。「俺は…取り返しのつかないことを」。かつてエリナを馬鹿にした貴族たちも掌を返し、継母は「戻ってきて」と懇願する。だがエリナは冷静に微笑むだけ。「もう、過去のことです」。ざまあみろ、ではなく──もっと前を向いている。
知的で戦略的な領地経営。冷徹な財務大臣の不器用な溺愛。そして、自分を捨てた者たちへの圧倒的な「ざまぁ」。三周目だからこそ完璧に描ける、逆転と成功の物語。
経済政策で国を変え、本物の愛を見つける──これは、消去法で選ばれただけの婚約者が、自らの知恵と努力で勝ち取った、最高の人生逆転ストーリー。
【完結】身勝手な旦那様と離縁したら、異国で我が子と幸せになれました
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
腹を痛めて産んだ子を蔑ろにする身勝手な旦那様、離縁してくださいませ!
完璧な人生だと思っていた。優しい夫、大切にしてくれる義父母……待望の跡取り息子を産んだ私は、彼らの仕打ちに打ちのめされた。腹を痛めて産んだ我が子を取り戻すため、バレンティナは離縁を選ぶ。復讐する気のなかった彼女だが、新しく出会った隣国貴族に一目惚れで口説かれる。身勝手な元婚家は、嘘がバレて自業自得で没落していった。
崩壊する幸せ⇒異国での出会い⇒ハッピーエンド
元婚家の自業自得ざまぁ有りです。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/07……アルファポリス、女性向けHOT4位
2022/10/05……カクヨム、恋愛週間13位
2022/10/04……小説家になろう、恋愛日間63位
2022/09/30……エブリスタ、トレンド恋愛19位
2022/09/28……連載開始
空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される
木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。
婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。
やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。
「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。
「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった
今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。
しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。
それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。
一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。
しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。
加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。
レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。