12 / 62
#12 残念な猫人さん
カスミ達が色々と話している中、慌ただしく何者かがリビングに入ってきた。
「誰か、お金貸してにゃー!」
その人物は、オレンジ色の髪をショートヘアをしており、身長は155センチくらい、体つきもとてもスレンダーで、顔立ちも可愛らしい女性だった。
だが、綺麗な顔立ちやスタイルも良いが、何より目を引くのは、頭に生えている猫耳と腰から伸びている細長いオレンジ色の尻尾だろう。
(猫耳だ……! 本物の……!)
そんな正真正銘の猫耳を生やした人物を見て、カスミはちょっと感動していた。
だが、現在彼女は涙目でお金を貸して欲しいと中々にダメな発言をしており、しかも服装はビキニアーマーのような装備を付けているだけという、中々に薄着で奇抜な格好をしていた。
「はぁぁ…… 全くお前は……」
「ほに゙ゃ゙っ゙!?」
そんな猫耳女性を確認したクリスタがおもむろに立ち上がったかと思うと、猫耳女性のこめかみを手で掴み、いわゆるアイアンクローをしながらギリギリと体を持ち上げた。
「いっ、痛い痛い痛いにゃー!!」
「この前も貸したが、その金はどうした……?」
「あ、え、えっとぉ……」
クリスタの追及に、分かりやすくしどろもどろになる猫耳女性。
「まさか、スったなんて言わないよな……?」
「いぃぃぃっ!? く、食い込んでるにゃ! 割れるにゃー!?」
「それもいいかもなぁ」
「よ、良くないにゃー!? に゙ゃ゙っ゙……!? あびゃぁぁぁぁっ!?」
「あわわ……」
「はーい、カスミちゃんは見ちゃだめだよー」
ミシミシと人から出てはいけない音が猫耳女性から響き始めたのを見ていたカスミだったが、後ろからレネが手で目隠しをしてきて結末は見れなかった。
ただ、小さくパキッと何かが折れるような音が聞こえたたような気はした。
怖かったので、それは聞こえないふりをしたが。
「全く……」
「うにゃー……」
それから少しして、怒る気も失せたのか、クリスタが猫耳女性をぺいっと地面に放り捨てると、猫耳女性は地面に倒れ伏して呻き声を上げるだけの生き物になってしまった。
「あ、あの、クリスタさん、その方は……?」
「ああ、こいつは一応うちのパーティーのローニャだ。 斥候としての腕は確かだが、ギャンブル狂いのバカ猫だ」
「薄着なのも多分、賭場で身ぐるみ剥がれたから~……」
クリスタに続いてフィオがそんな情報を付け足してくる。
「そ、そうなんですね」
(皆さんがローニャさんの話する時に歯切れ悪かったのは、こういう事かぁ……)
以前チラッとローニャについて聞かされた時、カスミに紹介するのを躊躇うような素振りを見せていたのは、ギャンブル狂いという褒められない趣味を持つからなのだろう。
「カスミの情操教育に悪いから、どこかに捨ててくるか」
「す、捨てないで欲しいにゃー! お金も服も無いのにゃー!」
クリスタに捨てると言われた途端、ローニャはがばっと身を起こしてクリスタの足にしがみついた。
「凄い冒険者なら、依頼でお金を稼げば……」
「ローニャを1人で依頼に行かせると、依頼先に近い街とかでギャンブルするから禁止してるんだよね」
「私達がある程度管理しないと野垂れ死ぬってローニャも分かってるから、私達のパーティーから抜けられない~……」
「あー、そうなんですね……」
レネとフィオが口々にローニャのダメなところをカスミに聞かせてきて、カスミとしては苦笑いを浮かべるしかなかった。
どうやらカスミが思っている以上に、ローニャはダメ人間のようだ。
「あ、あれ、知らない子がいるにゃ?」
そんな中、地面で寝そべりつつも、クリスタの後ろにいたカスミにローニャが気付いた。
「今気づいたのか…… この子はカスミ。 先日私が森で保護して、一緒に暮らす事になった」
「は、初めまして、ローニャさん。 カスミと申します」
クリスタの説明に合わせて、カスミは自己紹介をし、ぺこりと頭を下げた。
「おー、礼儀正しい子にゃ。 ローニャにゃ! よろしくにゃ~」
カスミが挨拶すると、ローニャはニコニコしながら同じように挨拶を返してくれた。
「早速お前がダメ人間だということが知れてしまったな。 私達は隠しておいてやったのに」
「だ、ダメ人間じゃにゃいにゃ!」
「普通の人間は他人から金を借りたら返すものだが?」
「あ、あぅぅ……」
ダメ人間じゃないと咄嗟に言い返したローニャだったが、続くクリスタの言葉に撃沈してしまう。
「一応仲間だからと温情をかけてきたが、今後はカスミの教育に悪いから、金は貸さん。 そして返せ」
「そ、そんにゃあ……」
あまりにも自業自得なので、優しいカスミも崩れ落ちるローニャにはなにも言葉をかけられなかった。
「あ、あの、ローニャさん。 これ、お近づきの印です」
「にゃ……? んん? これ、凄い良い匂いするにゃ!」
ただ、せめて元気を出してもらおうと、カスミは先程作って取っておいたクッキーを5枚ほどローニャにあげた。
「これ、クッキーにゃ?」
「そうです」
「ご飯も食べてなかったからありがたいにゃ! いただくにゃ!」
ギャンブルに没頭していたからか、お金がないからかは定かではないが、お腹が空いていたらしいローニャは、カスミにもらったクッキーを嬉々として口に運んでいった。
「んんんっ!? にゃ、にゃにこれっ!? 美味しすぎるにゃー!」
すると、ローニャはクッキーを口に運んですぐに、そのあまりの美味しさに、驚きの声を上げた。
「こ、これ、カスミが作ったにゃ?」
「そうですっ」
「凄いにゃ! こんな美味しい甘いもの、初めて食べたにゃ!」
ローニャはそう言いながら、幸せそうにクッキーを頬張っていった。
「あ、もう無くなっちゃったにゃー」
結果、5枚のクッキーはあっという間にローニャのお腹の中に消えた。
「また作りますね?」
「うん! また欲しいにゃー!」
「カスミちゃん、あんまり甘やかしちゃダメだよ~……」
「ローニャ、カスミに変な事をしたら、本当に許さんからな……?」
フィオもクリスタも、ローニャにはとても辛辣だった。
「わ、分かってるにゃ! 流石のローニャも子供にたかったりはしないにゃ!」
「これを機にギャンブル辞めなよー?」
「うっ…… でも、あの勝った時の快感が忘れられないのにゃ……!」
レネの言葉に、ローニャはいかにもギャンブル依存症の者が言うようなセリフを返した。
「でも、今回みたいに日を跨いで行ったりしたら、カスミちゃんのご飯もおやつも食べ損ねるよ?」
「そ、それは嫌にゃ!」
レネのそんな言葉に、ローニャは首をぶんぶん横に振りながらカスミが作ったものが食べられないのは嫌だと言う。
「えっと、外出てても用意しておきますよ? 冷蔵庫で冷やしておけば半日くらいは保ちますし」
「カスミは天使にゃ!」
「ダメだ」
そんなローニャに対して、いなくても後で食べるなら作ると言ったカスミだったが、クリスタがそれに待ったをかけた。
「カスミの料理は誰しもが食べたがるであろう貴重なものだ。 それを取っておいて冷やすなど、言語道断。 今回のクッキーみたいな例外はあれど、基本はその場にいない奴のために作る必要はないぞ」
「クリスタ、悪魔にゃ!」
「ほう、まだ言い返す気力があるのか。 次はチョークスリーパーで……」
「ごめんなさいにゃ! それでいいですにゃ!」
言い返そうとしたローニャだったが、クリスタがスッと腕を伸ばしてきたのを見て、慌てて敬礼のポーズを取ってごめんなさいをした。
結局、ローニャが家にいない時は、ローニャの分のご飯もお菓子も作らないという方針になった。
「うぅ、カスミのご飯食べたいにゃ…… でも、ギャンブルすぐに辞められる気がしないにゃ……」
「ローニャさんがギャンブルに行くのは精神的な満足感を求めてだと思うので、行かなくても良いくらいローニャさんの事満足させられるよう頑張りますね」
「やっぱりカスミは天使にゃー!」
カスミの言葉を聞いたローニャは、早くもカスミを気に入ったようで、ぎゅーっとハグをしてきた。
そうしてまた一段と賑やかになったパーティーハウスでは、カスミのやりたい事についての話し合いがローニャも交えて引き続き行われるのであった。
「誰か、お金貸してにゃー!」
その人物は、オレンジ色の髪をショートヘアをしており、身長は155センチくらい、体つきもとてもスレンダーで、顔立ちも可愛らしい女性だった。
だが、綺麗な顔立ちやスタイルも良いが、何より目を引くのは、頭に生えている猫耳と腰から伸びている細長いオレンジ色の尻尾だろう。
(猫耳だ……! 本物の……!)
そんな正真正銘の猫耳を生やした人物を見て、カスミはちょっと感動していた。
だが、現在彼女は涙目でお金を貸して欲しいと中々にダメな発言をしており、しかも服装はビキニアーマーのような装備を付けているだけという、中々に薄着で奇抜な格好をしていた。
「はぁぁ…… 全くお前は……」
「ほに゙ゃ゙っ゙!?」
そんな猫耳女性を確認したクリスタがおもむろに立ち上がったかと思うと、猫耳女性のこめかみを手で掴み、いわゆるアイアンクローをしながらギリギリと体を持ち上げた。
「いっ、痛い痛い痛いにゃー!!」
「この前も貸したが、その金はどうした……?」
「あ、え、えっとぉ……」
クリスタの追及に、分かりやすくしどろもどろになる猫耳女性。
「まさか、スったなんて言わないよな……?」
「いぃぃぃっ!? く、食い込んでるにゃ! 割れるにゃー!?」
「それもいいかもなぁ」
「よ、良くないにゃー!? に゙ゃ゙っ゙……!? あびゃぁぁぁぁっ!?」
「あわわ……」
「はーい、カスミちゃんは見ちゃだめだよー」
ミシミシと人から出てはいけない音が猫耳女性から響き始めたのを見ていたカスミだったが、後ろからレネが手で目隠しをしてきて結末は見れなかった。
ただ、小さくパキッと何かが折れるような音が聞こえたたような気はした。
怖かったので、それは聞こえないふりをしたが。
「全く……」
「うにゃー……」
それから少しして、怒る気も失せたのか、クリスタが猫耳女性をぺいっと地面に放り捨てると、猫耳女性は地面に倒れ伏して呻き声を上げるだけの生き物になってしまった。
「あ、あの、クリスタさん、その方は……?」
「ああ、こいつは一応うちのパーティーのローニャだ。 斥候としての腕は確かだが、ギャンブル狂いのバカ猫だ」
「薄着なのも多分、賭場で身ぐるみ剥がれたから~……」
クリスタに続いてフィオがそんな情報を付け足してくる。
「そ、そうなんですね」
(皆さんがローニャさんの話する時に歯切れ悪かったのは、こういう事かぁ……)
以前チラッとローニャについて聞かされた時、カスミに紹介するのを躊躇うような素振りを見せていたのは、ギャンブル狂いという褒められない趣味を持つからなのだろう。
「カスミの情操教育に悪いから、どこかに捨ててくるか」
「す、捨てないで欲しいにゃー! お金も服も無いのにゃー!」
クリスタに捨てると言われた途端、ローニャはがばっと身を起こしてクリスタの足にしがみついた。
「凄い冒険者なら、依頼でお金を稼げば……」
「ローニャを1人で依頼に行かせると、依頼先に近い街とかでギャンブルするから禁止してるんだよね」
「私達がある程度管理しないと野垂れ死ぬってローニャも分かってるから、私達のパーティーから抜けられない~……」
「あー、そうなんですね……」
レネとフィオが口々にローニャのダメなところをカスミに聞かせてきて、カスミとしては苦笑いを浮かべるしかなかった。
どうやらカスミが思っている以上に、ローニャはダメ人間のようだ。
「あ、あれ、知らない子がいるにゃ?」
そんな中、地面で寝そべりつつも、クリスタの後ろにいたカスミにローニャが気付いた。
「今気づいたのか…… この子はカスミ。 先日私が森で保護して、一緒に暮らす事になった」
「は、初めまして、ローニャさん。 カスミと申します」
クリスタの説明に合わせて、カスミは自己紹介をし、ぺこりと頭を下げた。
「おー、礼儀正しい子にゃ。 ローニャにゃ! よろしくにゃ~」
カスミが挨拶すると、ローニャはニコニコしながら同じように挨拶を返してくれた。
「早速お前がダメ人間だということが知れてしまったな。 私達は隠しておいてやったのに」
「だ、ダメ人間じゃにゃいにゃ!」
「普通の人間は他人から金を借りたら返すものだが?」
「あ、あぅぅ……」
ダメ人間じゃないと咄嗟に言い返したローニャだったが、続くクリスタの言葉に撃沈してしまう。
「一応仲間だからと温情をかけてきたが、今後はカスミの教育に悪いから、金は貸さん。 そして返せ」
「そ、そんにゃあ……」
あまりにも自業自得なので、優しいカスミも崩れ落ちるローニャにはなにも言葉をかけられなかった。
「あ、あの、ローニャさん。 これ、お近づきの印です」
「にゃ……? んん? これ、凄い良い匂いするにゃ!」
ただ、せめて元気を出してもらおうと、カスミは先程作って取っておいたクッキーを5枚ほどローニャにあげた。
「これ、クッキーにゃ?」
「そうです」
「ご飯も食べてなかったからありがたいにゃ! いただくにゃ!」
ギャンブルに没頭していたからか、お金がないからかは定かではないが、お腹が空いていたらしいローニャは、カスミにもらったクッキーを嬉々として口に運んでいった。
「んんんっ!? にゃ、にゃにこれっ!? 美味しすぎるにゃー!」
すると、ローニャはクッキーを口に運んですぐに、そのあまりの美味しさに、驚きの声を上げた。
「こ、これ、カスミが作ったにゃ?」
「そうですっ」
「凄いにゃ! こんな美味しい甘いもの、初めて食べたにゃ!」
ローニャはそう言いながら、幸せそうにクッキーを頬張っていった。
「あ、もう無くなっちゃったにゃー」
結果、5枚のクッキーはあっという間にローニャのお腹の中に消えた。
「また作りますね?」
「うん! また欲しいにゃー!」
「カスミちゃん、あんまり甘やかしちゃダメだよ~……」
「ローニャ、カスミに変な事をしたら、本当に許さんからな……?」
フィオもクリスタも、ローニャにはとても辛辣だった。
「わ、分かってるにゃ! 流石のローニャも子供にたかったりはしないにゃ!」
「これを機にギャンブル辞めなよー?」
「うっ…… でも、あの勝った時の快感が忘れられないのにゃ……!」
レネの言葉に、ローニャはいかにもギャンブル依存症の者が言うようなセリフを返した。
「でも、今回みたいに日を跨いで行ったりしたら、カスミちゃんのご飯もおやつも食べ損ねるよ?」
「そ、それは嫌にゃ!」
レネのそんな言葉に、ローニャは首をぶんぶん横に振りながらカスミが作ったものが食べられないのは嫌だと言う。
「えっと、外出てても用意しておきますよ? 冷蔵庫で冷やしておけば半日くらいは保ちますし」
「カスミは天使にゃ!」
「ダメだ」
そんなローニャに対して、いなくても後で食べるなら作ると言ったカスミだったが、クリスタがそれに待ったをかけた。
「カスミの料理は誰しもが食べたがるであろう貴重なものだ。 それを取っておいて冷やすなど、言語道断。 今回のクッキーみたいな例外はあれど、基本はその場にいない奴のために作る必要はないぞ」
「クリスタ、悪魔にゃ!」
「ほう、まだ言い返す気力があるのか。 次はチョークスリーパーで……」
「ごめんなさいにゃ! それでいいですにゃ!」
言い返そうとしたローニャだったが、クリスタがスッと腕を伸ばしてきたのを見て、慌てて敬礼のポーズを取ってごめんなさいをした。
結局、ローニャが家にいない時は、ローニャの分のご飯もお菓子も作らないという方針になった。
「うぅ、カスミのご飯食べたいにゃ…… でも、ギャンブルすぐに辞められる気がしないにゃ……」
「ローニャさんがギャンブルに行くのは精神的な満足感を求めてだと思うので、行かなくても良いくらいローニャさんの事満足させられるよう頑張りますね」
「やっぱりカスミは天使にゃー!」
カスミの言葉を聞いたローニャは、早くもカスミを気に入ったようで、ぎゅーっとハグをしてきた。
そうしてまた一段と賑やかになったパーティーハウスでは、カスミのやりたい事についての話し合いがローニャも交えて引き続き行われるのであった。
あなたにおすすめの小説
『病弱な幼馴染を優先してください』と言った妻が消えた翌日、夫は領地の会計書類が全て白紙になっていることに気づいた
歩人
ファンタジー
侯爵家に嫁いで五年。ルチアは夫エミルの領地会計・社交・使用人管理を全て一人で担ってきた。だがエミルはいつも幼馴染のアリーチェを優先する。「アリーチェは体が弱いんだ、お前とは違う」——その言葉を百回聞いた日、ルチアは微笑んで離縁届に署名した。「ええ、私は丈夫ですから。どうぞ幼馴染様をお大事に」。翌朝、エミルが目にしたのは——税務報告の締切、領民からの陳情の山、そして紅茶の淹れ方すら知らない自分。三ヶ月後、かつて「地味な妻」と呼ばれたルチアは、辺境伯の財務顧問として辣腕を振るっていた。
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】財務大臣が『経済の話だけ』と毎日訪ねてきます。婚約破棄後、前世の経営知識で辺境を改革したら、こんな溺愛が始まりました
チャビューヘ
恋愛
三度目の婚約破棄で、ようやく自由を手に入れた。
王太子から「冷酷で心がない」と糾弾され、大広間で婚約を破棄されたエリナ。しかし彼女は泣かない。なぜなら、これは三度目のループだから。前世は過労死した41歳の経営コンサル。一周目は泣き崩れ、二周目は慌てふためいた。でも三周目の今回は違う。「ありがとうございます、殿下。これで自由になれます」──優雅に微笑み、誰も予想しない行動に出る。
エリナが選んだのは、誰も欲しがらない辺境の荒れ地。人口わずか4500人、干ばつで荒廃した最悪の土地を、金貨100枚で買い取った。貴族たちは嘲笑う。「追放された令嬢が、荒れ地で野垂れ死にするだけだ」と。
だが、彼らは知らない。エリナが前世で培った、経営コンサルタントとしての圧倒的な知識を。三圃式農業、ブランド戦略、人材採用術、物流システム──現代日本の経営ノウハウを、中世ファンタジー世界で全力展開。わずか半年で領地は緑に変わり、住民たちは希望を取り戻す。一年後には人口は倍増、財政は奇跡の黒字化。「辺境の奇跡」として王国中で噂になり始めた。
そして現れたのが、王国一の冷徹さで知られる財務大臣、カイル・ヴェルナー。氷のような視線、容赦ない数字の追及。貴族たちが震え上がる彼が、なぜか月に一度の「定期視察」を提案してくる。そして月一が週一になり、やがて──「経済政策の話がしたいだけです」という言い訳とともに、毎日のように訪ねてくるようになった。
夜遅くまで経済理論を語り合い、気づけば星空の下で二人きり。「あなたは、何者なんだ」と問う彼の瞳には、もはや氷の冷たさはない。部下たちは囁く。「閣下、またフェルゼン領ですか」。本人は「重要案件だ」と言い張るが、その頬は微かに赤い。
一方、エリナを捨てた元婚約者の王太子リオンは、彼女の成功を知って後悔に苛まれる。「俺は…取り返しのつかないことを」。かつてエリナを馬鹿にした貴族たちも掌を返し、継母は「戻ってきて」と懇願する。だがエリナは冷静に微笑むだけ。「もう、過去のことです」。ざまあみろ、ではなく──もっと前を向いている。
知的で戦略的な領地経営。冷徹な財務大臣の不器用な溺愛。そして、自分を捨てた者たちへの圧倒的な「ざまぁ」。三周目だからこそ完璧に描ける、逆転と成功の物語。
経済政策で国を変え、本物の愛を見つける──これは、消去法で選ばれただけの婚約者が、自らの知恵と努力で勝ち取った、最高の人生逆転ストーリー。
【完結】身勝手な旦那様と離縁したら、異国で我が子と幸せになれました
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
腹を痛めて産んだ子を蔑ろにする身勝手な旦那様、離縁してくださいませ!
完璧な人生だと思っていた。優しい夫、大切にしてくれる義父母……待望の跡取り息子を産んだ私は、彼らの仕打ちに打ちのめされた。腹を痛めて産んだ我が子を取り戻すため、バレンティナは離縁を選ぶ。復讐する気のなかった彼女だが、新しく出会った隣国貴族に一目惚れで口説かれる。身勝手な元婚家は、嘘がバレて自業自得で没落していった。
崩壊する幸せ⇒異国での出会い⇒ハッピーエンド
元婚家の自業自得ざまぁ有りです。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/07……アルファポリス、女性向けHOT4位
2022/10/05……カクヨム、恋愛週間13位
2022/10/04……小説家になろう、恋愛日間63位
2022/09/30……エブリスタ、トレンド恋愛19位
2022/09/28……連載開始
空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される
木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。
婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。
やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。
「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。
「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった
今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。
しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。
それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。
一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。
しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。
加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。
レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。