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#56 誕生日パーティー③
ミーユイアの誕生日パーティーが始まってから1時間少し経過した頃。
参加者達は夢中になって出された食事を楽しんでいたのだが、ほとんどの料理が追加分も無くなってしまい、強制的に食事に一段落がつく形となった。
「いやー、こんなに食事に没頭したのは初めてですな」
「ぜひ我が家のシェフにもこれらの料理の作り方をご教授していただきたいな」
それでも参加者達はそんな声を上げるくらい非常に満足しており、どの料理が美味しかった、あの複雑な味の正体はなんなんだろうかといった感想をそこかしこで話し合っていた。
『皆様、食事は楽しんでいただけましたでしょうか?』
すると、舞踏場内には主催であるミーユイアの魔法で拡声された言葉が響き渡った。
参加者達はその言葉に対して、満面の笑みと割れんばかりの拍手で応え、非常に満足したことを伝えた。
『ふふ、良かったですわ。 それで、今回用意しましたこれらの料理は、ある一人の市井に住まう料理人の方が考案し、今回のパーティーのために腕を振るってくれたものなのです。 そのお方は素晴らしい人格者で、今回の料理に使用した新たな調味料であったりレシピを近いうちに一般公開してくださいます。 皆様がこれらの料理を日常的に食べられるようになるのも、そう遠くない未来と言えるでしょう』
ミーユイアがそう言うと、参加者達は一斉に色めき立った。
この素晴らしい料理が、今回のような特別な場だけでなく、毎日食べられるようになるのかと。
『ですので、考案者の方に直接コンタクトを取ったり、何か要望を出したりするのはお控えください。 その方は一人の人間で、できることには限りがあります。 私達はその方を温かく見守り、もたらしてくれるものにひたすら感謝をしましょう』
ただ、考案者であるカスミへの直接的な干渉は、ミーユイア…… つまり王家からしないようにとしっかりとした釘が刺された。
参加者の中には、自分の家のパーティーにも協力して欲しいと思っている者も少なくはなかったが、ミーユイアの言葉を受けてそれは諦めざるを得なかった。
それでも少し待てばレシピも材料も一般公開されるとのことだったので、気持ちを切り替えてミーユイアの忠告に賛同の拍手を送った。
『ミーユイア、大義であった』
そんなミーユイアの言葉を引き継ぐような形で、今度は王であるダスロウが話を始めた。
『まずは改めて12歳の誕生日おめでとう』
『ありがとうございますわ』
『今回出された料理の素晴らしさはもちろん、それを生かす会場作りやその他主催としての働きも見事だった。 其方はもう、一人前の王族だ。 これからも王族として、他の貴族達の模範となるような振る舞いを期待している』
『はい。 王族の名に恥じないよう、研鑽を続けて参ります』
そんなダスロウとミーユイアのやり取りに、参加者達は再び大きな拍手を送った。
『……と、堅苦しいのはここまでにしよう。 今日はめでたい誕生日だ。 ここからは主役として楽しんでくれ』
『はいっ!』
『では、ミーユイアのためのデザートを』
ダスロウがそう高らかに宣言すると、まずは3種類のデザートが運ばれてきた。
「おお、これもまた見たことがない」
「焼き菓子でしょうか?」
参加者達の間を縫って運ばれてきたのは、カスミが以前チェアリィに食べてもらったアップルパイと焼きプリンタルト。
それに加えて、貝殻のような形をしたマドレーヌも並べられていた。
どれも女性でも一口で食べられるような可愛いサイズであるものの、存在感のあるバターの香ばしい香りと、砂糖の程よく甘い匂いが辺りに漂い始めた。
『まずは主役であるミーユイアに食べてもらおう』
ダスロウがそう言うと、アップルパイ、焼きプリンタルト、マドレーヌが一つずつ載せられた皿が、誕生日席としてステージ前に用意された席に座ったミーユイアの前に運ばれた。
「では、いただきます。 ……ん~っ♡! これ、とっ…… ても美味しいですわっ♡!」
まずミーユイアは焼きプリンタルトから口に運んだのだが、卵と牛乳をふんだんに使って作られた濃厚なプリン液の甘さと、バーナーでしっかりと炙られた表面のカラメル部分のほろ苦さのバランスが絶妙で、そのプリン液を囲むタルトのサクサクとした食感も良いアクセントになっていた。
その焼きプリンタルトをじっくり味わったミーユイアは、アップルパイとマドレーヌも口に運び、心底幸せそうな表情を浮かべて周りで見ていた他の参加者達の期待感を煽っていく。
『それでは、他の者も食べてみてくれ』
そうして主役であるミーユイアがじっくり味わって食べ終えたところで、他の参加者達にも3種のデザートが載った皿が配られていった。
「こ、これは美味いっ!」
「デザートは仕方なく口にすることも多かったが、これなら喜んで食べられるぞ」
「こんなデザートがあるなんてっ……♡」
すると、それを口にした参加者達からは、先程食べた料理と同じくらいの驚きと歓喜が入り混じった声が上がった。
特に甘いものが好きな女性陣は、先程の料理よりも感動している者も多かった。
「お疲れ様です、皆さん」
そんな中、ドレスに着替えたカスミがこっそりと舞踏場に入ってきて、ビフレストの面々に合流していた。
「カスミこそ、お疲れ様だ」
「カスミちゃん、さっきの料理全部美味しかったよ!」
「このデザートも最高~……」
「ふふ、それは良かったです」
ビフレストの面々もデザートを食べていたタイミングで、先程の料理と併せてカスミに口々に賛辞を送ってきた。
「カスミは本当に凄いにゃー。 こんなに美味しいお菓子をまだまだ作れるにゃんて」
「もっと食いてぇな、これ」
「じゃあ、また作りますね」
カスミからすると、目の前のビフレストの面々もそうだし、周りで自分が作ったデザートを感動しながら食べてくれている参加者達の姿が何よりも嬉しくて、自然と笑顔になってしまう。
そんなカスミがおもむろに誕生日席にいるミーユイアの方を見ると、同じくらいのタイミングでミーユイアもカスミに気付き、パァッと花咲くような笑顔を向けてきた。
カスミがそんなミーユイアに笑顔を浮かべつつ頷きを返していると、再びダスロウが話し始めた。
『皆々、この3種のデザートだけでも十分過ぎる程だが、実はもう一つあるようだ。 まだ我々王家ですら誰も完成形を見ていないが、それが本日のメインと言ってもいい』
ダスロウがそう言うと、参加者達はざわつき始めた。
今食べたものを差し置いて、まだメインと呼べるものがあるのかと。
『では、運んできてくれ』
それからダスロウの呼びかけと共に、料理長のムッダとその他数名の執事とメイドが、天幕がかかったワゴンをゆっくりと運んできた。
「あの中には何があるんだ?」
「デザートではあるんでしょうね」
天幕で隠されている中身に誰もが期待を寄せる中、そのワゴンはミーユイアの前まで運ばれ、中のものが傷付かないよう、丁寧に天幕が外されていった。
「わぁっ……♡!」
そうなると天幕の中身がミーユイアの目の前で露わになったのだが、普段は大人びた態度や口調を心掛けているミーユイアでも、その天幕の中身を見た瞬間、年相応の可愛らしい少女の反応を見せた。
「な、なんだあれは……!」
「綺麗……♡ 芸術品のようだわ……♡」
ワゴンから少し離れた位置にいる参加者達にも見える天幕の中身は、鮮やかなベリー色をした、3段にも及ぶ大きな大きなケーキだった。
外側のベリー色のコーティングもそうだが、段差になっている部分には所狭しと様々なベリーがあしらわれていて、リースやリボンのように見える可愛らしい模様が、白とベリー色のクリームで至る所に作られているのもより華やかさを際立たせていた。
『これは…… なんと素晴らしい』
これには王であるダスロウですら言葉を失ってしまうくらい見惚れ、少しの間、その場にいる者はその見事な3段ケーキをうっとりとした表情で眺め続けるのであった。
参加者達は夢中になって出された食事を楽しんでいたのだが、ほとんどの料理が追加分も無くなってしまい、強制的に食事に一段落がつく形となった。
「いやー、こんなに食事に没頭したのは初めてですな」
「ぜひ我が家のシェフにもこれらの料理の作り方をご教授していただきたいな」
それでも参加者達はそんな声を上げるくらい非常に満足しており、どの料理が美味しかった、あの複雑な味の正体はなんなんだろうかといった感想をそこかしこで話し合っていた。
『皆様、食事は楽しんでいただけましたでしょうか?』
すると、舞踏場内には主催であるミーユイアの魔法で拡声された言葉が響き渡った。
参加者達はその言葉に対して、満面の笑みと割れんばかりの拍手で応え、非常に満足したことを伝えた。
『ふふ、良かったですわ。 それで、今回用意しましたこれらの料理は、ある一人の市井に住まう料理人の方が考案し、今回のパーティーのために腕を振るってくれたものなのです。 そのお方は素晴らしい人格者で、今回の料理に使用した新たな調味料であったりレシピを近いうちに一般公開してくださいます。 皆様がこれらの料理を日常的に食べられるようになるのも、そう遠くない未来と言えるでしょう』
ミーユイアがそう言うと、参加者達は一斉に色めき立った。
この素晴らしい料理が、今回のような特別な場だけでなく、毎日食べられるようになるのかと。
『ですので、考案者の方に直接コンタクトを取ったり、何か要望を出したりするのはお控えください。 その方は一人の人間で、できることには限りがあります。 私達はその方を温かく見守り、もたらしてくれるものにひたすら感謝をしましょう』
ただ、考案者であるカスミへの直接的な干渉は、ミーユイア…… つまり王家からしないようにとしっかりとした釘が刺された。
参加者の中には、自分の家のパーティーにも協力して欲しいと思っている者も少なくはなかったが、ミーユイアの言葉を受けてそれは諦めざるを得なかった。
それでも少し待てばレシピも材料も一般公開されるとのことだったので、気持ちを切り替えてミーユイアの忠告に賛同の拍手を送った。
『ミーユイア、大義であった』
そんなミーユイアの言葉を引き継ぐような形で、今度は王であるダスロウが話を始めた。
『まずは改めて12歳の誕生日おめでとう』
『ありがとうございますわ』
『今回出された料理の素晴らしさはもちろん、それを生かす会場作りやその他主催としての働きも見事だった。 其方はもう、一人前の王族だ。 これからも王族として、他の貴族達の模範となるような振る舞いを期待している』
『はい。 王族の名に恥じないよう、研鑽を続けて参ります』
そんなダスロウとミーユイアのやり取りに、参加者達は再び大きな拍手を送った。
『……と、堅苦しいのはここまでにしよう。 今日はめでたい誕生日だ。 ここからは主役として楽しんでくれ』
『はいっ!』
『では、ミーユイアのためのデザートを』
ダスロウがそう高らかに宣言すると、まずは3種類のデザートが運ばれてきた。
「おお、これもまた見たことがない」
「焼き菓子でしょうか?」
参加者達の間を縫って運ばれてきたのは、カスミが以前チェアリィに食べてもらったアップルパイと焼きプリンタルト。
それに加えて、貝殻のような形をしたマドレーヌも並べられていた。
どれも女性でも一口で食べられるような可愛いサイズであるものの、存在感のあるバターの香ばしい香りと、砂糖の程よく甘い匂いが辺りに漂い始めた。
『まずは主役であるミーユイアに食べてもらおう』
ダスロウがそう言うと、アップルパイ、焼きプリンタルト、マドレーヌが一つずつ載せられた皿が、誕生日席としてステージ前に用意された席に座ったミーユイアの前に運ばれた。
「では、いただきます。 ……ん~っ♡! これ、とっ…… ても美味しいですわっ♡!」
まずミーユイアは焼きプリンタルトから口に運んだのだが、卵と牛乳をふんだんに使って作られた濃厚なプリン液の甘さと、バーナーでしっかりと炙られた表面のカラメル部分のほろ苦さのバランスが絶妙で、そのプリン液を囲むタルトのサクサクとした食感も良いアクセントになっていた。
その焼きプリンタルトをじっくり味わったミーユイアは、アップルパイとマドレーヌも口に運び、心底幸せそうな表情を浮かべて周りで見ていた他の参加者達の期待感を煽っていく。
『それでは、他の者も食べてみてくれ』
そうして主役であるミーユイアがじっくり味わって食べ終えたところで、他の参加者達にも3種のデザートが載った皿が配られていった。
「こ、これは美味いっ!」
「デザートは仕方なく口にすることも多かったが、これなら喜んで食べられるぞ」
「こんなデザートがあるなんてっ……♡」
すると、それを口にした参加者達からは、先程食べた料理と同じくらいの驚きと歓喜が入り混じった声が上がった。
特に甘いものが好きな女性陣は、先程の料理よりも感動している者も多かった。
「お疲れ様です、皆さん」
そんな中、ドレスに着替えたカスミがこっそりと舞踏場に入ってきて、ビフレストの面々に合流していた。
「カスミこそ、お疲れ様だ」
「カスミちゃん、さっきの料理全部美味しかったよ!」
「このデザートも最高~……」
「ふふ、それは良かったです」
ビフレストの面々もデザートを食べていたタイミングで、先程の料理と併せてカスミに口々に賛辞を送ってきた。
「カスミは本当に凄いにゃー。 こんなに美味しいお菓子をまだまだ作れるにゃんて」
「もっと食いてぇな、これ」
「じゃあ、また作りますね」
カスミからすると、目の前のビフレストの面々もそうだし、周りで自分が作ったデザートを感動しながら食べてくれている参加者達の姿が何よりも嬉しくて、自然と笑顔になってしまう。
そんなカスミがおもむろに誕生日席にいるミーユイアの方を見ると、同じくらいのタイミングでミーユイアもカスミに気付き、パァッと花咲くような笑顔を向けてきた。
カスミがそんなミーユイアに笑顔を浮かべつつ頷きを返していると、再びダスロウが話し始めた。
『皆々、この3種のデザートだけでも十分過ぎる程だが、実はもう一つあるようだ。 まだ我々王家ですら誰も完成形を見ていないが、それが本日のメインと言ってもいい』
ダスロウがそう言うと、参加者達はざわつき始めた。
今食べたものを差し置いて、まだメインと呼べるものがあるのかと。
『では、運んできてくれ』
それからダスロウの呼びかけと共に、料理長のムッダとその他数名の執事とメイドが、天幕がかかったワゴンをゆっくりと運んできた。
「あの中には何があるんだ?」
「デザートではあるんでしょうね」
天幕で隠されている中身に誰もが期待を寄せる中、そのワゴンはミーユイアの前まで運ばれ、中のものが傷付かないよう、丁寧に天幕が外されていった。
「わぁっ……♡!」
そうなると天幕の中身がミーユイアの目の前で露わになったのだが、普段は大人びた態度や口調を心掛けているミーユイアでも、その天幕の中身を見た瞬間、年相応の可愛らしい少女の反応を見せた。
「な、なんだあれは……!」
「綺麗……♡ 芸術品のようだわ……♡」
ワゴンから少し離れた位置にいる参加者達にも見える天幕の中身は、鮮やかなベリー色をした、3段にも及ぶ大きな大きなケーキだった。
外側のベリー色のコーティングもそうだが、段差になっている部分には所狭しと様々なベリーがあしらわれていて、リースやリボンのように見える可愛らしい模様が、白とベリー色のクリームで至る所に作られているのもより華やかさを際立たせていた。
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