百合姉妹で異世界転生!イチャイチャしたい!

甘照

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ばればれ

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 その後も一悶着あったが鍛錬は問題なく進み、『フー・シー・ス』の練度も少しは上がった。その他にも私が明日どういう役割を担っているのかについて教わったりした

 そして、ルビアのいる建物に乗り込む前日の夜。

***

「あぁ、またこの夢」

 見慣れた私の部屋。
 そしてベッドの上を見ると。

「…ルビ!」

 私が呼び掛けると、ベッドの上に膝を丸めて座っていたプラチナブロンドの美少女がこっちを向いた。ついさっきまで泣いていたのか、瞼は赤く腫れていた。しかし、私に気付くとその顔は大きく綻んだ。

「イブ!!」

 今までで聞いたこともない大声でルビアは私の名前を呼び、胸元に飛び込んできた。その小さな身体を優しく抱擁し、口付けを交わした。そして抱擁したまま、しばらくの間お互いの肩に顔を寄せて、それぞれの体温を交わした。

 そして、どちらからともなく服を脱ぎ捨て、裸になって再び熱く抱擁をする。

「ん…ルビの体…気持ちいいよ」

「イブの体もあったくて、すべすべしてて気持ちいい」

 今度はお互いに顔を見合わせ、数秒の間表情を観察する。

「ふふ。イブ、今ちょっと照れた。唇が震えてた」

「なっ、照れてないよ!そ、そういうルビこそ、いつもより頬が赤いんじゃないの?」

 言い返してみるが、ルビアはひとつも動揺する様子を見せず、いつも通り端正な顔、真っすぐな瞳でこちらを見てくる。照れると言うより、そんな目で見られるとついにやついてしまう。にやつきを抑えようとすると、唇が震える。

「イブ、可愛い」

 ルビアはそういうと、勢いよく舌を私の口中にねじ込んできた。ルビアはいつもおっとりしていて、喋り方も抑揚が少ないけど、行為に関しては積極的なことが多い。と言うか、私の驚嘆顔を楽しんでる節がある。その証拠に、現在進行形で戸惑っている私の表情を見て、彼女の目元は分かりやすく笑っている。

「んっ、んぅちゅっ。んちゅ」

 いやらしい音を立てて、ルビアは私の舌を弄ぶ。しばらく濃厚なキスを交わしてから、糸を引いてルビアは唇を離した。息は切れ、苦しいはずなのに、胸の奥は満たされていく。
 ルビアは少しの間蕩けた表情を浮かべていたが、すぐに複雑なものに変わった。

「…イブ、浮気、してない?」

 虚をつかれ、つい一瞬固まってしまった。センダンとの絡みが浮気に入るのか少し考えてしまったからだ。いや、隠すつもりはない。ないんだけど、まだ心の準備と言うか…って言うかここは夢の中だし。実際に会ったら話す…でも遅くないよね?夢の中と現実で、二回も言うの嫌だし。

「…ううん。してるわけないじゃん。私はルビア一筋だよ」

「…ふーん」

 と言うか、一体何を思ってセンダンの存在に気付いたのか。いや、これは私の夢の中だし、私が深層心理で抱えてる罪悪感が夢になっただけのはず。うんうん。

 ルビアは尚も疑うような表情のまま、ゆっくりと私から離れ、ベッドに戻った。

「ル…ルビア?もうちょっと抱き着かない?チューとか、ほら、ここもいっぱい触って欲しいの」

 私は股を開いて陰部を晒すも、ルビアはこちらを見向きもしてくれない。私が泣きそうな顔をし始めると、ルビアは溜息をついてベッドの端に腰を下ろし、素足を私の眼前に垂らした。

「足なら触っていい。それ以外はダメ」

「ルビ…怒ってる?」

「怒ってない。いいから、舐めて」

 確かに、声音から怒気は感じない。だけど、どう見ても怒ってる。今までで一番。
 とりあえず、目の前に言える美味しそうな脹脛《ふくらはぎ》を一舐め。勿論本来なら無味無臭…いや、匂いも味も若干あるけど、愛する者の身体なら何でもおいしい。太腿まで舌先を滑らせていき、その奥に潜む果実に―

「ダメ」

 思い切り顔面を手で押さえられる。
 ほら、やっぱり怒ってる。

 ルビアは少しの間、何やら考え込むように真顔になって、やがて意を決したのかこちらに真っすぐ目線を向けた。

「…それよりイブ、魔法ってどうやって使うの」

「魔法?魔法はね、『グラナタム』って唱えると白く光る円みたいなのが現れて、それから『フー・シー・ス』とか、魔法の呪文を唱えると呪文通りの魔法が発動するんだよ」

「『ノー・ゼン・ハレン』って魔法、知ってる?」

「ううん。聞いたことない。私も魔法についてあまり覚えてないし、どこで知ったの?」

「アザレアのひとり、女の人。ご飯の中にあった紙に書いてあった」

 妙だ。ルビアを捕まえたアザレアがわざわざ魔法を教えるとはどういった了見なのか。それより、私は『ノー・ゼン・ハレン』なんて魔法を知らない。私の夢なのに。遠い過去にどこかで見たのかな。

「…ねぇルビ、ここって…んっ」

 キスをされた。柔らかくて、少しだけひんやりしていて、甘い唇。色々と頭の中に気になることが浮かんだけど、幸福感で全てどうでもよくなってしまう。
 顔を離して瞳に映りこんだルビアの表情は、どこか寂しげで、痛々しくて、その華奢な身体をどうしても抱き締めたくて手を伸ばすが、その手はまたも弾かれてしまう。

「嫌。そんな上辺だけの抱擁、受けない。伸ばすなら、最後まで伸ばして、私を助けて」

 悲痛な表情を浮かべたルビアに手を伸ばしたが、視界は次第に掠れていき、意識はそこで潰えた。

*** 
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