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第211話 大学と娘

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色々と考えようとしないようにしていたが真莉愛は大学に入ってから様子がおかしい

やはり慣れない生活か環境の変化で疲れているのだろうか?

急に派手な服装や髪を染めているのはおしゃれに気を使っていて大変良い、少し派手すぎるかも知れないがそれもすぐに落ち着いた

しかしふと思った、もしかして不良の道に進んでいないか?一応調査もさせたが問題はなし

どうやら吉川君とは付き合わなかったようだ

真莉愛が高校の時に男友達として何度かあったが人の目を見ない軟弱さもあり、印象は良くなかった

結婚したいから式場に来てなんて連絡を受けて職場で立ったまま力が抜けた、魂が抜けたのかもしれない

10分は周りの人間が何を言っているかわからなかった、肩を揺さぶられてなんとか意識が帰ってこれた


理由を話してなんとか救急車を呼ばれなかったのは幸いだ


仕事を片付けて式場に行くとなにかの手違いで帰ったらしい、少し遅くなってしまったし彼氏とやらをを紹介されずに良かった

「パパとけこんしゅるー」なんてこの間まで言っていたのに・・私の天使なのに・・・!


紹介された竹山裕也、彼はもともと野球をしていた、ポジションはピッチャー

彼は高校で打撃もいい成績を残していたが相手の強引な守備で膝の靭帯を痛めてしまった

大学へのスポーツ進学のはずがそれも取り消しになった

しかも運の悪いことに高校卒業の前にご両親が同時期に2人共病気をしてしまってそれからがむしゃらに働いていたそうだ

それでも野球は続けていてあまり長くは投げられないが146キロを投げられるし打撃センスも良い、痛みはするときはあるが走ることも出来るそうだ

工場でも真面目で明るい性格で慕われている

精悍な外見通り行動的で真莉愛はストーカーから助けてもらうこともあったそうだ

御両親のために病院にも通っているしまさに好青年と言えるだろう


「よろしくお願いします!お義父さん!」

「誰がお義父さんだ!まだ早い!」

「へへっ」

「お義父さんでいいわよ」

「真莉愛!?」


両親の病気は仕方ない、事故による故障もどうしようもない

彼はその逆境にも屈せず明るく礼儀正しいがそうあれる人間はそうそういない


・・・少しお調子者でもあるようだが


仕事一筋でどう真莉愛と接したら良いかわからない自分との間に入ってくれて最近は真莉愛とよく話せるようになった

以前は私といてもずっと携帯を見ていたのに


イベントのロッククライミング体験の後に名簿を見て驚いた

春日井遙、名前を見て思い出した

以前に一度だけあったことがあった、はず

こんなにも美人なのに大して覚えていないが

ロッククライミングで話した時には全く記憶になかったが確か真莉愛の友達である


それにその春日井君と話していた元杉洋介君、この2人は世界の有名人だ

怪しい新興宗教の幹部で怪我を治す超能力だか気功だか魔法が使えるとか

真偽は定かではないが政治家も動く世界の著名人だ、私とは全く関係ないと思っていたんだがなぁ


イベントは真莉愛が賞を授与するはずが家に来たことのある真莉愛の友達がやることになった

佐久間君だったかな?スーツで真面目そうな女の子、うちの面接で受かったはずなのにうちのブースにはいなかったはずだ

なにか問題があってうちには来ないと聞いていたのにいきなり出てきたのには驚いた

テレビの前で春日井君にキーを渡していて、理由を聞くと真莉愛に任されたらしい

急に任されたのに台本も打ち合わせもなしによくやるものだ、度胸がある


「真莉愛は?」

「どこかに行ってましたよ?急に任されて驚きました」

「理由はなにか言ってたかい?」

「いえ、遥、春日井さんと、いえ、なんでもないです」


何かあったのかもしれないが真莉愛は少し具合が悪かったらしい

もう秋だ、ちょうどよい気温だが待機していたのは屋外スペース

晴れていて私には気持ちの良いぐらいだったがずっとドレスだったし具合が悪くなっていてもおかしくはない

悪いことをしてしまったかもしれないな


体調を取り戻したのかそのままミスコンにでた真莉愛だったが少し心配した

無理しないように言っても楽しみにしていたそうだし好きにさせよう

娘の姿は立派で誇らしいが一緒に見ている裕也君が真莉愛を見るのは少し不快な気もする

自分でも不思議だが親心というものだと思う

真莉愛はない何故か春日井君を苛立たしげに見ていた、喧嘩でもしたのかもしれないな


参加者はみな美しかったが3人は別格だった


MVPの春日井君はもう会場が熱を持っているのが伝わってきたし、1位の方もモデルかと見紛うほどの美人、2位のヨーコルなんとかさんも背丈は低いとはいえとてもチャーミングだった

真莉愛の幼い頃を思い出す


3位がうちの真莉愛だと嬉しくなったのだが真莉愛は見てわかるほどに顔を歪め、どんどん機嫌が悪くなって


いきなり暴挙に出た

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