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第212話 娘がわからない
しおりを挟む真莉愛がMVPの春日井君の顔を引っ掻いて流血させ、更にマイクスタンドで襲いかかった
「淫乱糞女、死になさいよ!」
「ビッチ!!」
「しねしねしねしねしぃねぇえええええええええええ!!!!!!」
獣のように暴れる真莉愛が何故怒っているのかわからなかったが2人の間には何かあったのだろう
狂気すら感じるほどに娘が怒っている
さきほど彼女への優勝賞品の授与でいなくなったのも確執があったからなのか?
とにかく暴れる真莉愛を落ち着かせなければ
「真莉愛止めなさい!なんてことするんだ!!?」
「止めないでパパ!このアマぶっ殺してやる!!は な せ ぇ っ !!」
取り押さえられた真莉愛だが全く落ち着く様子がない
昔から溜め込み過ぎると爆発することはあった
だけどこんな人前で、それもカメラの前でこんなことになるなんて一体何があったんだ
「あー、あー、坂上真莉愛さん、私は貴女を訴えます」
「遥ァァアアア!!!!!!」
私や裕也君にスタッフで取り押さえていると春日井君がマイクで弁護士がどうとまで言ってくる
相手は宗教組織の幹部
そのボディガードだろう、屈強そうな外国人が私と春日井君の間に割って入った
一体何がどうなってるんだ?
ロッククライミングで彼女と接したけど短い時間でも優しい人だということがよくわかった
とても悪さを出来るような子ではないしその眼は後ろめたさもまったくなく真剣そのものだ
では真莉愛が悪さをしたのか?それも信じられない
彼女の提案で真莉愛の携帯を見ることになり、控室に行くと佐久間君が手伝ってくれた
褒められた行為ではないが娘の狂乱の原因がわかるかもしれない
「パパ助けてよぉっ!裕也もっ!!その女ぶっ殺してよ!!」
「少しだまりなさい!」
「だって!パパ!!」
「いきなり人様の顔に傷つけて何を言ってるんだ!それに自分が悪くないというのなら堂々としなさい!!」
いつも甘やかしてしまう私でもこれだけの大騒ぎに黙ってはいられない
これ以上暴れさせるのは娘のためにならない
「でもスマホは・・そう、壊れたの!今見れなくて!!」
「控室から彼女のカバンをとってきました!」
「ガリ勉女!余計なことすんなブサイクが!!!キィエエエエエエエエエエ!!!!!!!!」
佐久間くんが娘のカバンを差し出してきた
先程のロッククライミングの賞品授与でもマリアの代わりに出てきていたし真莉愛の味方なのではないのか?
裕也君と大学の腕章をつけた男たちで娘を別の部屋に連れて行った
真莉愛のことは心配だけどこれは真莉愛のためなんだ
もしも事実無根であればこちらも弁護士を立ててやるから
娘が正しいと信じたいという気持ちもあった
だけど頬から血をにじませる春日井君からも嘘とは思えない本気の怒気を感じる
真莉愛の携帯はロックがかかっていたがすぐに解除された
私も知っているが娘のパスワードはハートマークか1234ばかりだから知人たちからすればロックの意味がないだろう
スマホのロックの解除をした佐久間君との仲が良かったことが伺い知れる
「なんなんだこれは!!!!???」
そこには見たくない真莉愛の一面が見れた
ロックを外すと外国人さんが慣れた手付きでパソコンに携帯を繋いで中を見せてくれた
真莉愛は春日井くんが大病で死にそうになっている時に春日井君の聞くに耐えないほどの悪評を流した上で吉川春樹を寝取っていた
裏垢とやらではそのことをせせら笑っていたし人間として最低だ
春日井くんは無事に回復したが真莉愛は何が許せないのか様々なサイトで春日井くんの悪口を書き続けている
今日も幾つかのサイトで彼女のことを見るに堪えないような投稿をしている
頭が真っ白だ、吉川春樹のこともそうだけど謝りようもないほどに酷いことを春日井君にしている
真莉愛は優しいしこんな事をする人物とはどうしても一致しない
「だ、誰か第三者でこのことを知っている人は?」
「私はこのことで遥と仲が悪くなって坂上さんに詰め寄ったら内定が取り消されました」
は?え?佐久間君?だからブースにいなかったのか?そんなの、私は知らないぞ!?
い、いや、まだだ
「他には!?他に第三者で知っている人は?」
「この学校のOBの三上先輩は近くの結婚式場でスタッフをしていましたが彼女が暴れて会社をクビになったそうです」
「三上さんはうちで働いてるから信じてもらえないかもね、でも学祭にきてるし呼ぶよ」
・・・・・だめだ、信じられない、娘はいったい何をやってるんだ?!
「携帯を触ってるのはあなた方のボディガードなんだろう!?だったらその携帯も真莉愛のものかわからないじゃないか!!!??」
自分で言っていて無理があった
真莉愛のゴテゴテと飾り付いた携帯なのは私もわかっているし、パソコンに繋いでからの操作はずっと見ていたが普通の操作だった
信じたくない、信じられない
しばらくして身なりのきちんとした三上さんが部屋に入ってきた
「私は結婚式場のスタッフでしたが吉川と坂上が暴れてせい・・元杉くんに暴行を働いて確かにクビになりましたね、私があの日式場で対応したのは覚えていませんか?」
覚えている
しっかり礼儀正しく、所作のしっかりした丁寧なスタッフだと・・・
会社のものにも見習わせたいと感心した記憶がある
式場に呼ばれて真莉愛がいなかったがそういうことなのか?
「俺、真莉愛に春樹が真莉愛をレイプしてその後脅して関係が続いてるって聞いて、春樹と喧嘩して・・・なんだよこれ」
いつの間にか横にいた裕也君も信じられないといった顔をしている
娘のそんな話初めて聞いた
脳裏に真莉愛が大丈夫なのかとよぎったがきっとそれも嘘なのだろう、裏垢にも春日井くんから吉川くんを寝取ってやったと嘲笑った内容の投稿がある
遥のお世話になっているこの大学の教授もやってきていたので話を聞く
掲示板などへの書き込みは知らなかったそうだが三上さんの一件も誹謗中傷も真実らしい
何が気に食わなかったのか娘の逆恨みと言える行動の結果、ネットに記載されている春日井君の情報には彼女が「素行不良で単位やお金目的で誰とでも寝る淫乱」であるなどとというような本当に品性の欠片もない下劣な情報が載ることとなった
彼女は真莉愛の書き込みによって毎日のように心無いメールが来るようだ
「だから私は彼女を許せませんし、洋介との結婚のためにも彼女を訴えないといけません」
「・・・・・」
なにか言わないと、しかし言葉が喉元までも出てこない
私も彼女の立場なら弁護士費用や金銭の問題は全て無視してでもそうしなければならないというのがわかる
娘はそれだけのことをしていたんだ
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