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第548話 ママへの、両親への感謝
しおりを挟む「治療を受けるわ」
「・・・っ!」
「お父さん、お母さん、ここに来たのは卒業に必要な単位をとれそうなのと、私の魔法で治せそうなの」
「挨拶もあるけどね」
「そうですね、だから元杉神官に、洋介さんにも来てもらいました」
「あ、パパさん、勿論結婚の挨拶と治療は別だからね、お茶かけるのは後でね」
「元杉神官は黙っててください」
「あれ?はい・・・」
ムチで机の背に縛られたままのパパさんを後ろに回って運ぶ、テレビとカーペットと炬燵、ソファーのある場所に、治療を見てもらうのだ
黒葉はママさんの正面に立って、僕は黒葉の後ろに立つ
「奈美ちゃん!」
「翔さん、見ててください」
「・・・わかった、けど異常があったらすぐ言うんだぞ?」
「はい、大丈夫よね?奈美ちゃん」
「うん、良くなることはあっても悪くなることはないから、元杉神官も居ますし」
治療は黒葉が行うこととなっている、黒葉の力で足りなければ僕が手伝う
腕や足なら大きさで負担がわかりやすいけど体の中はそれぞれでわかりにくい、しかも人によっては体全体の不具合も様々で、個人差もある
黒葉も集中して、全力を出し切れば小さな臓器なら治すこともできるようになったけど、どうだろ?
<わたしもいるですぅ!>
「もちろん、忘れてませんよ」
<じゃあ思ったことをしっかり言葉に出して私に捧げてくださいですぅ>
「・・・はい<私を育ててくれたお父さん、お母さん、二人の愛に感謝しています、ここまで育ったのは二人のおかげです、私も愛してます、レアナー様、ここに願います、私の母を、私に幸せを与えてくれたママの身体を治せるだけの力を分け与えてください>」
思ったことや愛を思い出す聖句を魔力に載せてレアナー様に捧げ、代わりにレアナー様の魔力を戴いてそれで人を癒やす祈祷式魔法
これはとても効率が悪いやり方だ、何千も神官が居て彼らの願いを遠くにいるレアナー様に届ける、レアナー様はその一つ一つを聞いて捧げられた魔力よりも少ない量の魔力を神官に渡して単純に使う魔法
人一人が出せるような魔力は知れているから効果も良くないから普通は術式に頼る
だけどこの場にはレアナー様がいて、僕から流れる魔力でも使うことができる
小さな杖を取り出した黒葉はありったけの、出せるだけの魔力をレアナー様に捧げ、代わりにレアナー様から戴いた力を使う
ママさんのお腹に杖を当てて集中している黒葉
「ん、お腹の中が凄くぽかぽかするわ」
「救急車呼ぶか!?」
「大丈夫、気持ちいいぐらいよ」
―――――僕も領地で僕の魔法で爪が弾けたように、黒葉にだって一度に使える力の限界はある
「結構ギリギリで、いや、足りないです、元杉神官、おねがいします」
「わかった」
黒葉に僕から流れる魔力量はほぼ無限だが『一度に使えるだけの瞬間的な魔力量』は無限ではない
黒葉のドレスの空いた背中に手を当てて、僕の力を流す
僕の力は結婚相手にも分け与えることができる
黒葉の魔力源となってるのは僕だけど勝手に流れていってる色んな加護の混じった魔力とは違って僕が調整さえすればそのまま黒葉は治癒を行える
もしものときのための打ち合わせ通りに調整して黒葉の背中に流す
やはり、触れ合ったほうが流せる力の量は大きくなるが・・・・・・
「・・・・・おわりまし、た」
「な、治ったのかしら?」
「どう、です、かね?レア、ナー様」
「<うん、ばっちりですぅ!>」
「え?女神様?ありがとうございます!やだ、貴方!お供えお供え!」
「すまん、動けん」
・・・・・治療が終わるとそのまま黒葉は横に倒れた
「「奈美ちゃん!!?」」
「だ じょ ぶ もとす ・・・」
「力をいっぱい使って疲れただけなんで大丈夫です」
「そうなの!!?本当にありがとうね奈美ちゃん、んちゅー!ちゅっちゅっ!!」
この方法、実に効率が悪い
黒葉は自分に使える限界を超えたので筋肉痛のように身体が痛んで動けないでいる
一応治せはするけど一度に使える量が増えるから治さない方がいい、多分一週間は痛むだろうけど
そもそも僕がやれば早いし効率もいいと思うんだけど黒葉には黒葉なりのけじめってものがあるようでこれまで頑張ってきた
魔法なんて一瞬で簡単に何回も連発できれば良いのにね・・
ママさんは動けないでいる黒葉の顔中にキスをして、膝枕して頭を撫で回し始めた
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