(仮)世界の名を持つ姫

碧猫 

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おやすみ中

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 王達の集まりに参加してから、十日。ゼロに休めって言われて、お家でゆっくりお休み中。

 お休みの間は、ゼロがずっと面倒見てくれてる。ちょっと過保護が行きすぎてるところがあって窮屈だけど、一緒にいられるのは、悪くないって思うの。

「エレシェフィール、フォルが来るって」

「ふにゅ。お洋服着替える?」

「そのままで良いだろ。あいつがそんな事気にしたの見た事ねぇし」

 なんだか、むぅってなるのはなんなんだろう。ゼロはおにぃちゃんのような人だから、おにぃちゃんがばっかお友達いっぱいでずるいって事なのかな。

「……着替えは良いが、少しは感情を表に出さねぇように努力しろ」

「……やなの」

 あの集まりに参加した後から、ゼロとの距離が縮まった気がするの。それに、寂しいと思われてるのかな。他の王達が、見舞いだって言って来るの。だから、暇な時間は少なくて良いの。

 今日は、あの日以降、忙しいらしくて、来てくれなかったフォルが来てくれる。二日くらい前にフィルが来た時は、フォルは色々と忙しくて来れないって言って一人だったの。

 イヴィとか、心配だとか言って毎日のように来ては、貢ぎ物を置いて行ってくれていたのに。

 ケーキとか、クレープとか、アイスとか。毎回楽しみに待っているの。

 でも、ゼロにそれを言ったら「餌付けされんな」って言われたの。そんな事ないと思うけど。というかえずけってなぁに?

 良く分からないけど言い方的に、良くない事だと思うの。でも、イヴィは、とっても良い人なの。

「ごめん。中々会いに来れなくて」

 フォルが会いに来てくれた。やっとなの。
 
「良いの。みんなが来てくれて暇してなかったから。あのね、これでも、ちょっぴり仲良くなったの。みんなと、普通にお話できるくらいにはなったの」

「そうなんだ。おめでとう……」

 どうしたんだろう。なんだか悩んでいるみたい。

「……ゼロ、君から見てどう?」

「まだ心配ではあるが、いつまでも黙っとくわけにもいかねぇだろ」

「それは……そう、だけど」

「俺もすぐに全部話すのは反対だ。けど、少しは知っておいた方が良いだろうからな。特に、身の安全に関わる部分は」

 身の安全に関わる?

 真剣そうな顔してるから、きっと、とっても大事なお話なんだと思うの。良く分からないけど。

 それに、フォルは話したくなさそう。ゼロも、話したくなさそう。

「……うん。そう、だね。エレシェフィール、大事な話があるんだ。聞いてほしい」

「みゅ。聞くの」

「エクシェフィー家って聞いた事ある?」

 聞いた事あるも何も、私の生まれた場所なの。らしいだけど。記憶ないから。

 私が頷くと、フォルは、お話続けてくれた。

「君は、エクシェフィー家の子じゃない。幼い頃、攫われて、自分達の家の子だと偽るために、血を入れられたんだ」

「ふぇ。じゃあ、本当の家族って」

「その話はまた今度。君は、エクシェフィーの血に拒否反応を見せている。だから、僕らがいないと、動く事なんてできないんだ」

「俺が定期的に、魔力と血を貰って、フォルが、拒否反応が出ないようにしてる」

 ふみゅ?

 でも、それなら、いつかは治る気がするの。だって、血がなければ、拒否反応は起こらないはずだから。

「どうして、ずっとなの?治らないの?」

「エクシェフィーの血は、消えないんだ。この辺の詳しい話は、君は理解できないだろうから省くけど」

 むずかしいお話だと理解したの。

「それで、その血があるから、ってどうすれば良いの?」

「普段通りで良いよ。でも、神域とか呼ばれてる、この外には出ないで。ここは僕らが常に守ってあげられる。でも、ここから出たら、守れなくなるかもしれないから」

 えっと、前にね、お勉強したの。神域は、王達の加護がとっても強いの。王達のための場所なの。だから、私一人守るなんて簡単なんだと思うの。

 って事まではお勉強しているの。なんでとかその辺は知らない。きっとお話ししてもくれない。

「でも、ここでなら自由にして大丈夫。恋とかもできるよ?でも、恋するなら、相手は僕にして欲しいかなぁ」

「か、考えておくの。そんなに自由で良いなら、魔法を学びたいの。生活に活かせるような魔法だけでも良いから。使ってみたい」

 私、無意識に魔法を使う事はあるらしいんだけど、自分からは使った事がないの。

 王達は、魔法のプロ。みんなに聞けば、魔法が学べるって思うの。

 そう思うと、愛姫ってとっても恵まれてる気がする。

「良いけど……一応聞いて良い?座学を序盤にやらないとって知ってる?」

「……みゅ?ざがく……座学……ふみゃ⁉︎」

 お勉強きらい。フォルが神妙な顔でこんな事を聞いたのは、知っているって思っていたんだと思うの。それすら知らない無知って思われたと思うの。

「フォル、エレは勉強させようとすると逃げ回るから、こんな事も知らねぇんだ」

「そうだったんだ。あの頃は勉強なんてまだ後で良いってくらいの年齢だったからね。エレシェフィール、好きだと思えれば、意外と頑張れるものだから、まずはやってみようよ。やってもむりなら、その時は教えて」

 ゼロより優しいの。ゼロは、やだって言うのに追いかけ回して、むりやりやらしてきたから。

 フォルとならがんばれそう。

 その笑顔が、そう思わせたの。

「ふみゅ。がんばる」

「うん。じゃあ、早速、どこまで知っているか確認させてもらうよ。エレシェフィール、君は、魔力を視る事ができる?」

 魔力を視る?そういえば、王達は、魔力を視る事ができるって聞いた事がある気がするの。

 みんなに気に入られるために、色々と教えてもらっていたから。その時に。

「できない」

「まずはそこからだね。魔力を感じる事もそれならできないでしょ?魔力を感じれれば、視るには簡単だから」

 視るのは、普通はできないって聞いたんだけど。やっぱり、ちょっと感覚がおかしい気がする。

「自然の魔力を感じてみようか。自然の魔力は、どこに多いと思う?」

「……お花とか?きれいな」

「そうだね。そこも正解だよ。水とか、自然にあるもの全てに魔力が存在している。空気中にもね。初めにしてもらうのは、空気中の魔力を感じる事。そのための方法とかは……教えるより自分で考えた方が良いかな。その方が、魔力への理解が深まるだろうから」

 良く分からないの。座学なくなったって事なのかな。

「今日はこの後用事があるから帰るけど、また近いうちに来るよ。その間に、少しくらいできるようになっているのを期待してる」

 フォルが、おでこにちゅってしたの。なんだか、ふわふわする。良く分からないけど。

「……みゅぅ」

 フォルが帰っても、おでこのちゅの事で頭いっぱい。ふわふわ。

「……エレシェフィール、お前ヒントもらったの気付いてるか?」

「ヒント?なぁに?」

「さっきのキス。あの時、エレシェフィールに加護を与えていた。何か感じなかったか?」

 加護ってそんなに簡単に与えられるんだ。ってそんな事は良いから、何か……

「ふわふわ」

「それ以外に」

「分かんないの」

「先言っとくが、これできねぇと、魔法使う事できねぇからな?さっきの感覚を思い出してみろ」

 そう言われても、ふわふわ以外に……嬉しい。安心。ぽかぽか。これって何か関係あるのかな。

 もしかして、加護を与えてくれたから感じるものなのかな。それなら、この感覚を知っていれば、魔法を使う前段階の魔力を視るもできるかも。

「……なぁ、そんな単純じゃねぇからな?それで分かれば誰でもできてるだろ」

「それはそうかもだけど……じゃあ、なんなの?」

「外に行けば少し分かるだろ」

 外に何があるんだろう。って思ったけど、ついていくの。
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