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第11話 客人
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なっ、お父さんが言った通りだっただろうと言わんばかりのいい顔で父は私を見つめてくる。
いや、お父さん貴方は何もわかってなどいません。
現にこの人、私のことをちっとも好いてなどいません……だなんて、ノア本人がいるのでこの場では言えない。
とりあえず、ノアの目的がわからない。
てっきり占い師がらみだと思ったのに、なぜ私と婚約の話を彼がウソをついてまで進めようとするの?
結局滞在するなら我が家にしなさいと父がいらないことを言ったものだから、さぁ大変……
我が家にとんでもないお客様が当分滞在することが決まった。
ヴィスコッティ家はスクロールを販売しているの、ノアが転移魔法を万が一使えないとしてもスクロールを使って朝、夕でヴィスコッティ領とマクミラン領を往復すればいいだけなのに……
父の余計なひと言のせいで、まさかのノアが屋敷に滞在が決定。
メイド達は慌ただしく部屋の準備を行うし。
まぁ、私の加護のことを知っている父が、私の部屋の真下のゲストルームをノアと従者に使うように言ってくれたから。
夜は二人の会話を存分に盗み聞きできそうなところだけは、父を褒めてあげなければ……
結局早馬を飛ばして慌てて帰ってきた母と夕食を一緒になぜか取る羽目になったが、ノアがマクミラン領にきた理由と思える話は切り出さなかった。
ノアと従者の男ヴィンセントは夕食を終えると早々にゲストルームに戻った。
私は加護を使い、二人の会話を盗み見する。
「お嬢様、これは我が領にもお嬢様の人生にも大きく関わることですから、しっかりとご判断くださいませ」
セバスが神妙な顔でそう言う。
私はそれにうなづいた。
しばらくすると、下の階で二人が会話を始めたようで、文字がふわふわと浮かび現れた。
『公爵様になんて説明するんですか、マクミラン姫君とのご婚約だなんて話聞いてませんよ。しかも、マクミラン姫君は婿をご希望してるんですよ……もしこのままご婚約が進んだらどうするんですか!』
やっぱりである……
どうやら、婚約の話しは打ち合わせには当然なく、ノアがあの場で独断で決定して行ったこと。
かつ私を嫁にもらうならともかく、魔力高いノアを公爵家がわざわざ婿に出すだなんてことになるとまずいというわけね……
『うるさいヴィンセント、じゃぁ聞くがお前だったらあの場でどうやって公爵の気持ちを害さない方法をとったんだ? お聞かせ願いたいね』
『マクミラン姫君のリアクションを一緒にみていたでしょう。婚約目的できたのではないということをマイルドに言えばよかったのです。あれもこれも、ノア様がなんとしても怪しげな占い師なんかと、どーーーーーしてももう一勝負しないと気が済まないって言うからですよ』
やっぱり、占い師がらみだった!!
そして、声は聞こえないところをみると、下の部屋では声を押し殺しつつ思いっきり従者で言い争いをしているのだからなんか面白い。
『今回の目的自体が、転移スクロールを使った移動届けの閲覧だ。そんな機密普通は閲覧させてくれるわけがない。第一ヴィンセントが、私のツラだけは無駄に抜群にいいから、マクミラン姫君に媚を売って仲良くなってこっそり見せてもらえばいいと言ったんじゃないか』
『えーえー、いいましたとも。マクミラン領でぱったりと途絶えた占い師の行方を見つけない限りあんたが仕事しないって言い張ったからですよ。
マクミラン姫君と仲良くなってこっそり転移スクロールの移動届けを見せてもらえないか頼んではいかがですか? とはいいましたよ。でもマクミラン姫君と婚約して婿にいけだなんて一言も申しておりません』
あまりにも赤裸々に語る主従。
ホントホントの羅列に思わず盗み見してるこちらが笑ってしまう。
なるほど、私はマクミラン領に帰る際に確かに転移スクロールを使用した。
どういう仕組みなのかはわからないけれど、ノアは転移スクロールを作る側。
占い師である私の転移先がマクミランということまで、恐ろしいことにつきとめたのだろう。
でも、その先はわからなかったと……
占い師のことは、父にも母にも秘密にしているのはもちろんのこと。
私はマクミラン領でも占い師の秘密がばれないように細心の注意をはらっていたのだ。
スクロールからマクミラン領に転移したことはわかったようだけれど、登記や占い師の顧客から私につながる情報はちっとも得られなかったのだろう。
ノアは占い師の正体が私であることまでたどり着けていない。
ノアの滞在は私を婚約者としてどうか試してくださいというものだ。
今回一番大事なことはノアとしては、私と成婚するつもりがないということだ。転移スクロールの移動記録の閲覧はしたいが、本当に私と結婚ってことになると彼は困るのだ。
だからズルズル今の期間さえ曖昧にかわし続ければ、私と本当に婚約などするつもりのないノアは、自分から私に求婚しておいてごめんなさいという失礼なことをするか。
私のほうから上手く、自分をあしらうような態度をするかのどちらかをとらざるを得ない。
そうなれば、ノアは転移スクロールの移動記録などみることは叶わない。
いや、お父さん貴方は何もわかってなどいません。
現にこの人、私のことをちっとも好いてなどいません……だなんて、ノア本人がいるのでこの場では言えない。
とりあえず、ノアの目的がわからない。
てっきり占い師がらみだと思ったのに、なぜ私と婚約の話を彼がウソをついてまで進めようとするの?
結局滞在するなら我が家にしなさいと父がいらないことを言ったものだから、さぁ大変……
我が家にとんでもないお客様が当分滞在することが決まった。
ヴィスコッティ家はスクロールを販売しているの、ノアが転移魔法を万が一使えないとしてもスクロールを使って朝、夕でヴィスコッティ領とマクミラン領を往復すればいいだけなのに……
父の余計なひと言のせいで、まさかのノアが屋敷に滞在が決定。
メイド達は慌ただしく部屋の準備を行うし。
まぁ、私の加護のことを知っている父が、私の部屋の真下のゲストルームをノアと従者に使うように言ってくれたから。
夜は二人の会話を存分に盗み聞きできそうなところだけは、父を褒めてあげなければ……
結局早馬を飛ばして慌てて帰ってきた母と夕食を一緒になぜか取る羽目になったが、ノアがマクミラン領にきた理由と思える話は切り出さなかった。
ノアと従者の男ヴィンセントは夕食を終えると早々にゲストルームに戻った。
私は加護を使い、二人の会話を盗み見する。
「お嬢様、これは我が領にもお嬢様の人生にも大きく関わることですから、しっかりとご判断くださいませ」
セバスが神妙な顔でそう言う。
私はそれにうなづいた。
しばらくすると、下の階で二人が会話を始めたようで、文字がふわふわと浮かび現れた。
『公爵様になんて説明するんですか、マクミラン姫君とのご婚約だなんて話聞いてませんよ。しかも、マクミラン姫君は婿をご希望してるんですよ……もしこのままご婚約が進んだらどうするんですか!』
やっぱりである……
どうやら、婚約の話しは打ち合わせには当然なく、ノアがあの場で独断で決定して行ったこと。
かつ私を嫁にもらうならともかく、魔力高いノアを公爵家がわざわざ婿に出すだなんてことになるとまずいというわけね……
『うるさいヴィンセント、じゃぁ聞くがお前だったらあの場でどうやって公爵の気持ちを害さない方法をとったんだ? お聞かせ願いたいね』
『マクミラン姫君のリアクションを一緒にみていたでしょう。婚約目的できたのではないということをマイルドに言えばよかったのです。あれもこれも、ノア様がなんとしても怪しげな占い師なんかと、どーーーーーしてももう一勝負しないと気が済まないって言うからですよ』
やっぱり、占い師がらみだった!!
そして、声は聞こえないところをみると、下の部屋では声を押し殺しつつ思いっきり従者で言い争いをしているのだからなんか面白い。
『今回の目的自体が、転移スクロールを使った移動届けの閲覧だ。そんな機密普通は閲覧させてくれるわけがない。第一ヴィンセントが、私のツラだけは無駄に抜群にいいから、マクミラン姫君に媚を売って仲良くなってこっそり見せてもらえばいいと言ったんじゃないか』
『えーえー、いいましたとも。マクミラン領でぱったりと途絶えた占い師の行方を見つけない限りあんたが仕事しないって言い張ったからですよ。
マクミラン姫君と仲良くなってこっそり転移スクロールの移動届けを見せてもらえないか頼んではいかがですか? とはいいましたよ。でもマクミラン姫君と婚約して婿にいけだなんて一言も申しておりません』
あまりにも赤裸々に語る主従。
ホントホントの羅列に思わず盗み見してるこちらが笑ってしまう。
なるほど、私はマクミラン領に帰る際に確かに転移スクロールを使用した。
どういう仕組みなのかはわからないけれど、ノアは転移スクロールを作る側。
占い師である私の転移先がマクミランということまで、恐ろしいことにつきとめたのだろう。
でも、その先はわからなかったと……
占い師のことは、父にも母にも秘密にしているのはもちろんのこと。
私はマクミラン領でも占い師の秘密がばれないように細心の注意をはらっていたのだ。
スクロールからマクミラン領に転移したことはわかったようだけれど、登記や占い師の顧客から私につながる情報はちっとも得られなかったのだろう。
ノアは占い師の正体が私であることまでたどり着けていない。
ノアの滞在は私を婚約者としてどうか試してくださいというものだ。
今回一番大事なことはノアとしては、私と成婚するつもりがないということだ。転移スクロールの移動記録の閲覧はしたいが、本当に私と結婚ってことになると彼は困るのだ。
だからズルズル今の期間さえ曖昧にかわし続ければ、私と本当に婚約などするつもりのないノアは、自分から私に求婚しておいてごめんなさいという失礼なことをするか。
私のほうから上手く、自分をあしらうような態度をするかのどちらかをとらざるを得ない。
そうなれば、ノアは転移スクロールの移動記録などみることは叶わない。
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