おためし勇者と魔王見習いの旅

北条丈太郎

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旅は道連れ

繁盛する悪の店

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 ロビンたちがダイド村で始めた高級道具屋は評判を呼び、店は繁盛し始めた。
 商品のほとんどはまがい物であったが、それと気付く者もおらず、トラブルは少なかった。
「おい、この闇の短剣が10ゴルってホントかよ? 安すぎるんじゃねえか? 本物か?」
 いかにも屈強な体つきの魔人がカウンターのロビンをにらみ、つかみかかった。
「本物ですよお客様、代金をいただければ切れ味を証明しますわ。では……」
 客から代金を受け取ったエルノはなまめかしく微笑み、短剣を構えて客ののど元に投げた。
 すると客を差す寸前で短剣は爆発した。驚いた客は倒れ、持っていた財布を落とした。
「ほらロビンさま、ぼやっとしてないで財布を拾いなさい。儲かりましたねハハハ」
 テリーは客を店外に放り出し、ロビンが財布を拾うさまを見てにやにやと笑った。
 次に来店した客は、いかにも高級な作りのムチを見て首を傾げ、値札を見て迷っていた。
「それは魔界のムチでございますわお客様。今なら特別価格の半額です。今だけよウフフ」
 迷っていた客は応対したエルノの美しさと色気に惑わされ、思わず背中を向けて座った。
「何だあこのブタ野郎! 金出せって言ってんだ! 死ねクズ! このカス! ボケ!」
 エルノの美しい顔は鬼の形相へと変わった。泣き叫ぶ客にムチをふるい、まがまがしく笑った。
 心底から恐怖したロビンは思わず客をかばい、エルノのムチをしばらく食らった。
「あら魔王さま。相変わらず打たれ強いお体ですこと。本当に頼もしくて素敵ですわフフフ」
 傷だらけになったロビンの傷がすぐに治る様子を見た客は驚き、全財産を置いて店から逃げた。
 そしてロビンの店は妙な評判を呼び、マゾヒストの金持ちがしばしば来店するようになった。
 ロビンの店が繁盛するにつれてダイド村は栄え、人口が増えてかなり大きな村になった。
 だが、いかがわしい村という評判を聞いた怪しい流れ者たちも徐々に増えていった。
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