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白球を追う少年たち
キャプテン坂本はあきらめない
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小船中学野球部のキャプテン坂本辰馬には一つの無念があった。
まもなく卒業する彼にとって、野球と野球部は青春そのものであった。
彼は春の選抜大会に出場して引退することになっていた。
だが小船中学野球部は部員が足りないため、出場すら危うい状況になっていた。
「どうにもなあ。丹下、他の部に声をかけてくれたんだろ? 返事はどうだ?」
「いやあキャプテン。みんな同情はしてくれたんすけどねえ。ダメでした」
丹下と呼ばれた少年はすまなさそうに頭を下げ、まっすぐに坂本の目を見て力なく笑った。
「いいんだ丹下。最後の試合は練習試合でいい。近くの中学に頼もう。
そう言った坂本の目には涙が浮かんでいた。彼は涙もろい男であった。
「キャプテン、練習試合っつっても部員が足りませんよ。どうします?」
「……そうだったな。部活に入ってない一年生でも探して体験入部でもしてもらおう」
今さら野球部に入る一年生などいないとわかっていた坂本だったが、そう言うしかなかった。
……坂本は帰宅すると日課のランニングを始めた。
近所の空き地を通りかかったとき、彼はふと足を止めた。
「太陽! ここだここ! 俺のグローブを見てまっすぐ投げてくれよ。簡単だろ?」
坂本が見たのはキャッチボールをする二人の少年の姿であった。
「……なあなあ君たち。君たちは野球をやるのかい? 野球の試合をやらないか?」
「なんです? 俺たちは遊んでるだけですよ。野球の試合?」
「夜空君、面白そうだよ。僕はやってみたいな。ところであなたは誰ですか?」
「小船中学野球部のキャプテン坂本辰馬だ。一緒に野球をやってみよう」
まもなく卒業する彼にとって、野球と野球部は青春そのものであった。
彼は春の選抜大会に出場して引退することになっていた。
だが小船中学野球部は部員が足りないため、出場すら危うい状況になっていた。
「どうにもなあ。丹下、他の部に声をかけてくれたんだろ? 返事はどうだ?」
「いやあキャプテン。みんな同情はしてくれたんすけどねえ。ダメでした」
丹下と呼ばれた少年はすまなさそうに頭を下げ、まっすぐに坂本の目を見て力なく笑った。
「いいんだ丹下。最後の試合は練習試合でいい。近くの中学に頼もう。
そう言った坂本の目には涙が浮かんでいた。彼は涙もろい男であった。
「キャプテン、練習試合っつっても部員が足りませんよ。どうします?」
「……そうだったな。部活に入ってない一年生でも探して体験入部でもしてもらおう」
今さら野球部に入る一年生などいないとわかっていた坂本だったが、そう言うしかなかった。
……坂本は帰宅すると日課のランニングを始めた。
近所の空き地を通りかかったとき、彼はふと足を止めた。
「太陽! ここだここ! 俺のグローブを見てまっすぐ投げてくれよ。簡単だろ?」
坂本が見たのはキャッチボールをする二人の少年の姿であった。
「……なあなあ君たち。君たちは野球をやるのかい? 野球の試合をやらないか?」
「なんです? 俺たちは遊んでるだけですよ。野球の試合?」
「夜空君、面白そうだよ。僕はやってみたいな。ところであなたは誰ですか?」
「小船中学野球部のキャプテン坂本辰馬だ。一緒に野球をやってみよう」
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