夕日と白球

北条丈太郎

文字の大きさ
6 / 45
白球を追う少年たち

サッカー部から来たチータ

しおりを挟む
「野球部って廃部になるんじゃねえの? 部員が足りねえって聞いたけどよ、なんで練習?」
 キャプテン坂本に声をかけられた少年はランニングを始めた太陽と夜空を見て言った。
「廃部にはならない。俺がさせない、俺はキャプテンとして野球部を守る。そのための練習だ」
 キャプテン坂本は少年に答えつつ、ランニングをしている太陽と夜空をじっと見つめた。
 そのとき、少年の左右にサッカー部の部員が数人集まってきた。
「おいチータ! お前本当にサッカー部やめるのかよ? もったいないから残れって!」
「キャプテン殴ったくらいで退部なんかしなくていいって! 俺らもキャプテン嫌いだしよ」
 サッカー部の部員たちはチータと呼んだ少年の肩を叩いた。
「うるせえ! 俺は俺の好きにやるんだよ! もうサッカーはやめだ! お前らに任せる!」
 チータと呼ばれた少年が大声で怒鳴るとサッカー部員たちはあきらめたように去った。
「おう先輩! 野球よく知らねえけど野球部に入ってやるよ! 困ってんだろ?」
 少年はキャプテン坂本をにらむように見て言い放った。
「……困ってるよ。君が入部してくれるというなら大歓迎しよう。ちょっと練習してみよう」
「何の練習だか知らねえけどよ、俺は走ったらめちゃくちゃ速いぜ! まあ見てなって!」
 言った途端に少年は走り出し、ランニング中の太陽と夜空を抜き去って振り返った。
「おう! 俺は千田洋一だ! サッカーやめたから野球やってやんよ!」
 言われた太陽と夜空は走るのをやめ、キャプテン坂本の顔を見た。
「……えっとまあ、そういうことだ二人とも。千田君と仲良くやってみようぜ!」
 キャプテンの言葉を聞いた千田洋一はふんと鼻息を鳴らし、夜空の頭をはたいた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

痩せたがりの姫言(ひめごと)

エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。 姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。 だから「姫言」と書いてひめごと。 別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。 語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...