夕日と白球

北条丈太郎

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新たなる野球部

敗北から立ち上がる小船ナイン

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 小船中学野球部は夏の大会で敗退した後、三日間の休養を取った。キャプテンのタンピンは根性論者であったが、体力的にも精神的にも休養が必要だと判断した。そして休養が終わると部員たちは野球部部室に集まった。タンピンが想像していたよりも皆の顔は晴れ晴れとしていた。
「キャプテン! 次の試合いつっすか? 早く試合がしたいんすよ! いつっすか?」
 最初に言ったのはチータだった。すると同じような発言が続き、タンピンは驚いた。あれほどの大敗を味わった野球の素人たちが次の試合を望んで目を輝かせている。その光景はタンピンにとって泣きたいほど嬉しいものだった。だが、そこに大地太陽の姿はなかった。
「おい夜空。太陽はどうした? ショックで寝込んでるのか? 連れて来いよ。エースだからってサボりは許さねえ。キャッチャーのお前が引っ張ってこい!」
「キャプテン、あいつ肩が痛いとか肘が痛いとか言ってるんですよ。けっこう球数投げたし、ウソじゃなさそうですよ。もうちょっと休ませたほうがいいかもしれませんね」
 夜空の言葉を聞いたタンピンは立ち上がり、勢いよく部室を飛び出した。走り始めたタンピンが怒っていると感じた夜空はタンピンを追いかけた。タンピンが向かった先は河川敷の野球場だった。そこで子供たち相手に太陽が投げていた。美緒が太陽の隣で何やら指示していた。
「違うよ兄ちゃん。カーブの握りはこうでしょ。それとチェンジアップは直球と同じ腕の振りでこうやってこうよ。そうそう、もうわかった? そろそろ野球部行ったら?」
 太陽は変化球を投げていた。それを見たタンピンは大声で怒鳴った。
「太陽! てめえ! ずっと変化球の練習してたのか? 勝手に練習するな!」
 怒られた太陽は帽子をとってタンピンに謝った。だが夜空を見てにっこり笑った。
 そして野球部に戻ったタンピンは太陽に変化球の練習を禁じた。
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