28 / 45
新たなる野球部
強豪校との決戦!
しおりを挟む
栄光中学は神奈川で三強と言われる強豪校である。一回戦を突破した小船中学は不運にも二回戦で栄光中学と対戦することになった。試合前日のミーティングでタンピンは多くを語らなかった。ただ、栄光中学の四番エースである中村についてのみ語った。まともに打てる投手ではないからバットを短く持って当てていくこと、バッターとしての中村については低め低めに投げていくようバッテリーに指示した。夜空と太陽はうなずき、ナインもうなずいてミーティングは終わった。
……そして試合当日、夜空は応援席と客席に集まった人数を見て驚いた。むろん彼らは栄光中を見に来たのであり、小船中は眼中になかった。小船ナインは委縮したが夜空は燃えた。
「やってやろう。栄光中がなんだ! 中村がなんだ! いくぞ太陽! お前の球で黙らせろ!」
だが太陽は初回から四球を連発し、ノーアウト満塁で四番の中村を迎えた。
「……でけえ。力士かよ。なんだこの腕、ケツもでけえ。太ももかよこれ。」
かつてラグビー部にいた夜空も中村ほどの巨漢を見たことはなかった。打席に立った中村の顔は無表情で構えもリラックスしていた。緊張した夜空は太陽に外角低めの直球を要求した。
これは決まったと夜空が思った瞬間に中村のバットが空気を切り裂いて白球が遠くへ飛んだ。
マウンドの太陽は振り返って場外を見つめた。満塁ホームランであった。夜空は声も出せず、大きなため息を何度か漏らした。小船ナインはみな一様にうなだれていた。
「おいコラ! シャキッとしやがれ! まだ始まったばっかだろ! 声出せ。 声を出せよ!」
ベンチからタンピンが大声を出したが太陽はうつむいたままだった。そこで夜空は駆け寄った。
「なあ太陽。あいつすげえな。ああいうやつがプロ野球とか行くんだろ。ま、切り替えようぜ」
すっかり意気消沈した太陽はその後も打たれ続け、小船中は大差コールド負けとなった。
夏の大会は二回戦敗退となり、小船中野球部の夏は終わった。
……そして試合当日、夜空は応援席と客席に集まった人数を見て驚いた。むろん彼らは栄光中を見に来たのであり、小船中は眼中になかった。小船ナインは委縮したが夜空は燃えた。
「やってやろう。栄光中がなんだ! 中村がなんだ! いくぞ太陽! お前の球で黙らせろ!」
だが太陽は初回から四球を連発し、ノーアウト満塁で四番の中村を迎えた。
「……でけえ。力士かよ。なんだこの腕、ケツもでけえ。太ももかよこれ。」
かつてラグビー部にいた夜空も中村ほどの巨漢を見たことはなかった。打席に立った中村の顔は無表情で構えもリラックスしていた。緊張した夜空は太陽に外角低めの直球を要求した。
これは決まったと夜空が思った瞬間に中村のバットが空気を切り裂いて白球が遠くへ飛んだ。
マウンドの太陽は振り返って場外を見つめた。満塁ホームランであった。夜空は声も出せず、大きなため息を何度か漏らした。小船ナインはみな一様にうなだれていた。
「おいコラ! シャキッとしやがれ! まだ始まったばっかだろ! 声出せ。 声を出せよ!」
ベンチからタンピンが大声を出したが太陽はうつむいたままだった。そこで夜空は駆け寄った。
「なあ太陽。あいつすげえな。ああいうやつがプロ野球とか行くんだろ。ま、切り替えようぜ」
すっかり意気消沈した太陽はその後も打たれ続け、小船中は大差コールド負けとなった。
夏の大会は二回戦敗退となり、小船中野球部の夏は終わった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、寺内勇人は高校三年生。妹の茜は高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写と他もすべて架空です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる