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新たなる野球部
監督はキャプテン
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「おいお前ら! 先発メンバーの発表だ! 俺たちはやるだけやった! 勝ちに行くぞ!」
小船ナインはそれぞれが自分のポジションについて自信を持っていた。打順に関しては言われてみないとわからなかったが、そこはキャプテンであるタンピンの決定を信じていた。
「1番ライト、チータ。2番セカンド、カズ。3番ショート、オニギリ。4番ファースト、ケーマ。5番レフト、大吾。6番センター、銀次。7番サード、テル!」
7番サードとしてテルの名が告げられたとき、小船ナインの間でざわめきが起こった。
「8番キャッチャーは夜空。9番ピッチャーは太陽。以上だ! 俺は監督としてベンチだ」
タンピンがナインをじろりと見回したとき、異論を唱える者はいなかった。ただテルの顔はみるみる真っ赤になり、肩で息をし始めたのでタンピンが駆け寄って力いっぱい握手した。
「お前の守備力ならやれる! なあに、ダメだったら俺がサードに入るから気にすんな!」
……そして予選一回戦開始のサイレンが鳴った。
小船ナインの相手は無名の公立中学であった。守備練習の時点で守備力に難があることをタンピンは見抜いていた。そこでタンピンはナインにガンガン行けと指示を出した。一回の攻撃から小船中は積極的にバットを振った。チータは相手のミスを見逃さずに俊足を生かし、あっという間に得点圏のランナーとなった。それをカズが返し、さらにオニギリがタイムリーを打ち、4番のケーマがホームランという形で小船打線が猛攻を続けた。試合前半で小船中は圧倒的攻撃力を見せ、守備でも隙を見せなかったので相手チームの戦意を喪失させた。そして相手は試合を途中棄権した。
小船中学野球部は創部以来初の公式戦勝利を遂げた。だが小船ナインの皆は呆気ない勝利に呆然としていた。キャプテンであるタンピンの目にはうっすらと涙が流れていたが、小船ナインはもう少し試合をしたかったという余韻に浸って、その涙を見逃したのであった。
「……い、一回戦に勝ったくらいで調子に乗るんじゃねえぞお前ら! 次は二回戦だぞ!」
タンピンの怒鳴り声を聞いた小船ナインは表情を引き締めて球場を後にした。
小船ナインはそれぞれが自分のポジションについて自信を持っていた。打順に関しては言われてみないとわからなかったが、そこはキャプテンであるタンピンの決定を信じていた。
「1番ライト、チータ。2番セカンド、カズ。3番ショート、オニギリ。4番ファースト、ケーマ。5番レフト、大吾。6番センター、銀次。7番サード、テル!」
7番サードとしてテルの名が告げられたとき、小船ナインの間でざわめきが起こった。
「8番キャッチャーは夜空。9番ピッチャーは太陽。以上だ! 俺は監督としてベンチだ」
タンピンがナインをじろりと見回したとき、異論を唱える者はいなかった。ただテルの顔はみるみる真っ赤になり、肩で息をし始めたのでタンピンが駆け寄って力いっぱい握手した。
「お前の守備力ならやれる! なあに、ダメだったら俺がサードに入るから気にすんな!」
……そして予選一回戦開始のサイレンが鳴った。
小船ナインの相手は無名の公立中学であった。守備練習の時点で守備力に難があることをタンピンは見抜いていた。そこでタンピンはナインにガンガン行けと指示を出した。一回の攻撃から小船中は積極的にバットを振った。チータは相手のミスを見逃さずに俊足を生かし、あっという間に得点圏のランナーとなった。それをカズが返し、さらにオニギリがタイムリーを打ち、4番のケーマがホームランという形で小船打線が猛攻を続けた。試合前半で小船中は圧倒的攻撃力を見せ、守備でも隙を見せなかったので相手チームの戦意を喪失させた。そして相手は試合を途中棄権した。
小船中学野球部は創部以来初の公式戦勝利を遂げた。だが小船ナインの皆は呆気ない勝利に呆然としていた。キャプテンであるタンピンの目にはうっすらと涙が流れていたが、小船ナインはもう少し試合をしたかったという余韻に浸って、その涙を見逃したのであった。
「……い、一回戦に勝ったくらいで調子に乗るんじゃねえぞお前ら! 次は二回戦だぞ!」
タンピンの怒鳴り声を聞いた小船ナインは表情を引き締めて球場を後にした。
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