夕日と白球

北条丈太郎

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新たなる野球部

夏の大会に出場!

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 ……真夏の猛特訓を終えた小船ナインは誰もが真っ黒に日焼けしていた。闘志に満ちた顔には自信がみなぎり、皆が皆、早く試合をしたいとうずうずしている状態になった。
「よっしゃ! 夏の大会予選だ! 今のお前らなら勝てる! 一回戦突破だ! 行くぜ!」
 タンピンは気合い注入と言って一人一人の背中を叩いて回った。みなの表情はさらに引き締まったが、夜空と太陽は少しふらついた。そこでタンピンは怒り、説教を始めた。
「お前らバッテリーは試合前日まで特訓! 俺は見ないから二人で思うようにやれよ!」
 夜空と太陽はバッテリー練習を始めたが、疲れ切って途中で切り上げた。
「キャプテンもああ言うけどよ、自分が一番練習してねえじゃんよ。俺らの練習見て怒るばっかでよ、楽なもんだろ。帰ろうぜ太陽! アイスでも買ってその辺で食ってこう」
 二人はとぼとぼと歩き、コンビニに寄った後に河川敷の運動公園に行った。
「……タンピンの兄ちゃん。もうその辺で終わりにしなよ。怪我したら試合に出れないよ」
 夜空と太陽が見たのは、夕暮れの公園で野球チームの小学生たちに囲まれて守備練習をしているタンピンの姿であった。そこには美緒の姿もあり、タンピンの足元に速球を投げていた。
「アタシそろそろ帰るよ。タンピンさん、まだやんの? 本当に怪我するよ。知らないからね」
 小学生たちが帰るとタンピンはバットを手にして黙々と素振りを始めた。タンピンの背中を夕日が照らし、やがてその夕日も沈んだ。それでもタンピンは素振りを続けた。夜空と太陽は思わず駆け寄った。だがタンピンは二人に目もくれず、ただただ無言で素振りを続けた。
 ……そして小船中学野球部は夏の大会予選一回戦に出場した。
 一回戦突破を果たしたことのない小船中野球部の応援席はがらんとしていたが、ナインは誰も気にせず、ただ対戦相手に向けてぎらぎらした闘志を放つのみであった。
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