夕日と白球

北条丈太郎

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新たなる野球部

キャプテンの覚悟

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 秋季大会に出場することになった小船中学野球部は、いよいよ仕上げの練習を始めた。守備面での課題を克服しつつあった部員たちはそれぞれが長所を生かす練習を始めた。
「おい夜空! 足腰はちゃんと鍛えてるか? キャッチャーは足腰が命だぞ。特にホームでのクロスプレーで足腰がふらついたら失点するんだからな! 今から試すぞ!」
 タンピンは夜空を座らせ、押したり引いたりして夜空の姿勢が崩れるかどうかを確認した。夜空は腹筋に力を込め、足の裏で踏ん張ってどうにか姿勢を保った。
「……キャプテン。毎日スクワットと腹筋背筋はちゃんとやってます。足が遅くて走り込みは苦手ですが、下半身の強化は自分なりにやってます。クロスプレーの練習もお願いします!」
 タンピンは夜空の申し出を受けて部員たちを集め、ホームでのクロスプレー用の練習を始めた。突っ込んでくるランナーを妨害せぬようタッチアウトにするプレーは難しく、夜空は何度もホームインされた。タッチプレーのコツは体で覚えるしかなかった。ようやくコツをつかみ始めたころ、夜空の下半身は限界を迎えた。倒れこんだ夜空をタンピンが抱え起こした。
「まあまあだ夜空。筋トレも大事だけどストレッチもやっとけ。風呂でマッサージもしとけよ」
 ……そして試合前日。小船ナインは最後の全体練習を始めた。練習をじっくり見ていたタンピンは時にうなずき、時に首を振ったが大声を出すことはなかった。
「よし、やれるだけやったなお前ら。自信持っていいぞ。試合ではリラックスしていけ。落ち着いてやれば練習通りに体が動くだろう。よし! 今日は解散だ!」
 タンピンが言ったとき、銀次とタンピンの目が合った。ほかの部員たちはそれぞれ解散した。
 ……三年生のタンピンと銀次は秋季大会の終了と共に引退することを決めていた。
 だが、試合に向けて集中している部員達には伝えないことも決めていた。
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