魔法熟女三姉妹の物語

北条丈太郎

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魔法幼女パイパーの罠と魔女三姉妹

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「話は聞いたよ。ご活躍だったようだね。さすがに軍港を破壊しただけのことはあるね」
艦長室に呼ばれたメリーたちは不機嫌そうなルイにそう言われた。
「魔力の無駄使いだった。姉さんは例外だけどね。で、この船はどこへ向かってるの?」
ルイの嫌味を無視したマリーがルイに尋ねた。
「……魔族専用の獄門島だよ。そこに行けばジョーという魔族男の消息もわかるだろう」
「魔族専用の獄門島? あのジョーが囚人になっていると言うのかい?」
思わず聞き返したメリーの表情を見たルイはにやりと笑ってメリーに言った。
「慌てなさんな熟女のメリーさん。魔族の囚人たちに聞けばわかるだろうという話だよ」
「誰が熟女だって? このデブ娘が! それだけ太ってりゃ脂肪がよく燃えるだろ?」
怒ったメリーの罵声を浴びたルイは何か言い返そうとして黙った。
「この船の針路は獄門島行きだ。それが命令だからね。降りたらあんたらは好きにしな」
その後、船は何度か怪物たちに襲われたがピンチを切り抜けて目的地にたどり着いた。
「……うわあ、怖い島だねえ。こんなところに閉じ込められた魔族の人たち可哀そう」
古びた収容施設が立ち並ぶ小さな島に降りたミリーが素直な感想を口にした。うっそうと茂る森に切り立った岸壁のほかには何もなく、収容施設には魔力を封じるための厳重な封印が施されていた。その封印を守っているのは老婆と化した魔女たちだった。
「……どうにも胡散臭い島だね。アタシの直感ではこの島に長くいるのはよくないよ。ジョーのことを聞くだけ聞いたらおさらばするよ、いいかいマリー、ミリー」
メリーが言うとマリーとミリーはうなずいたが、気配に気づいてさっと構えた。
「キャハハ魔法熟女だあ! 殺してもいいけど牢屋に入れたほうが面白いかもキャハ!」
笑いながら空を飛んできたのは機械の箒に乗った魔法少女だった。
「はじめましてパイパーだよサヨウナラ熟女さんたちミッソー!」
魔法少女が機械の杖を振ると小型のミサイルが雨あられのようにメリーたちを襲った。
「しょうがない! スモールバリア!」
マリーが叫ぶとメリーたちは光に包まれ、飛んできたミサイルはバリア外で爆発した。
「やるじゃんオバサンたち! じゃあこれはどう? マジックレーザー!」
パイパーが持つ機械の杖から放たれた光線がマリーのバリアを撃ち破った。
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