蒼き風の突騎兵

北条丈太郎

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自由の天地を求めて

青いマシンの真価

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 赤白のRBヤンマFRを操る傭兵ビイト・ラッセルはイデア草原で最強の傭兵と言われている。彼自身が騎兵として優秀なのは無論であり、さらにはRB隊を率いる指揮能力にも定評があったからである。ただし彼を雇う側にもリスクがあった。契約金は法外に高く、契約を違えば彼は敵になる。
それでも地上艦ハーンズが彼を雇ったのは、タイソンの大砲Gキャノンを強奪するためであった。
 ……ビイト・ラッセルは旗下のRB隊を率いて目標の地上艦タイソンを完全に包囲するところであった。だが彼の愛車は警告音を発した。未確認のRBらしき存在が高速で彼の後方から急接近していたためであった。すぐにレーダーを確認したビイトの全身に冷たい緊張感が走った。
「バカな! ありえない速度だ! こんなRBなど知らん! 俺は知らんぞおおお!」
 ……ハルマンはNS7のタンク脇から飛び出したHダガーを握り締め、眼前に迫ったRB隊の中に突入した。そして一人の首筋を切り裂き、瞬時にターンして一人、一人と首筋を切り裂いた。ハルマンは意識を失いかけていたが、手元には敵を切り裂いた感覚が残った。ハルマンは敵を切り裂くと敵RBの機体を蹴り、即座に至近の敵を切り裂いた。瞬く間に敵騎兵は死体となり、十数機いた騎兵は数えるほどになった。ハルマンは意識を取り戻し、単騎となった赤白のRBに迫った。
「……あと一人か」
 そのとき、青く光るRBを見たビイトは騎兵となってから初めての恐怖を感じた。彼はとっさにヤンマFRの装甲パーツをすべてパージして煙幕を張り、全速力で戦場から離脱した。
 ハルマンは煙の向こうに去っていくRBを目でとらえてはいたが、すでにNS7の動力は尽きていた。ハルマン自身も気力と体力を使い果たし、血に染まった大地に倒れこんだ。
 彼が次に目を覚ましたのは地上艦タイソン内部の医務室であった。
 その際、彼を見る仲間たちの目には明らかにおびえの色があった。
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