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自由の天地を求めて
敵は自治領防衛軍
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要塞都市ワンスの領主たるマリトはとても猜疑心の強い男であった。ワンスが共和国の一都市であった頃は有能な市長に過ぎなかったが、ワンスが自治領となってからはいつ攻められるかわからないという不安から防衛のための軍事力を急速に強化させた。ワンスが保持する防衛軍は領内に接近する盗賊団などを壊滅するか、配下の部隊として接収するのに十分な戦闘力を誇っていた。
「……艦長! データ照合の結果、集団はワンス防衛軍です! ユキノさんが危ない! タークも危ない! 当艦は白旗を上げましょう! 防衛軍を刺激しないよう接近すれば防衛軍も引くでしょう。増援のRBを二、三機出して左右に展開させつつユキノさんを救出しましょう!」
「……トール! お前の言うことは的確だ。でもなあ、増援のRBったって、こっちにはもうまともな騎兵が残ってねえんだ。どうすんだ? いっそお前が出るか? ユキノとタークが捕まってから考えるか? ……相手が悪かった。ああ? ありゃユキノか? また突っ込みやがった!」
レーダー画面でユキノの突撃を確認した艦長は頭を抱えた。同様に状況を確認したトールは騎兵用のヘルメットをかぶった。その姿を見たアーヤ・ワトスンはトールを制した。
「トール! やめなさい! あなたにRB戦は無理よ! ここで艦長を助けて!」
「……心得はありますよ。我々カシアス団はユキノさんを失うわけにはいかない。寝てばかりいるハルマンくんを当てにするのはやめましょう! トール・クラウゼン! 行きますよ!」
……トールは出撃しなかった。ワンス防衛軍からの降伏勧告にジャック艦長が応じたからであった。出撃したユキノもタークも捕えられていた。文字通りのお手上げ状態であった。
「やれやれ、草原を逃げ回って結局このざまだ。カシアス団もこれで終わりだ。俺たちは軍隊に組み込まれるだろう。まあ、殺されなかっただけマシとしようか」
ジャック・リンゼイは大きなため息をついた。
「……艦長! データ照合の結果、集団はワンス防衛軍です! ユキノさんが危ない! タークも危ない! 当艦は白旗を上げましょう! 防衛軍を刺激しないよう接近すれば防衛軍も引くでしょう。増援のRBを二、三機出して左右に展開させつつユキノさんを救出しましょう!」
「……トール! お前の言うことは的確だ。でもなあ、増援のRBったって、こっちにはもうまともな騎兵が残ってねえんだ。どうすんだ? いっそお前が出るか? ユキノとタークが捕まってから考えるか? ……相手が悪かった。ああ? ありゃユキノか? また突っ込みやがった!」
レーダー画面でユキノの突撃を確認した艦長は頭を抱えた。同様に状況を確認したトールは騎兵用のヘルメットをかぶった。その姿を見たアーヤ・ワトスンはトールを制した。
「トール! やめなさい! あなたにRB戦は無理よ! ここで艦長を助けて!」
「……心得はありますよ。我々カシアス団はユキノさんを失うわけにはいかない。寝てばかりいるハルマンくんを当てにするのはやめましょう! トール・クラウゼン! 行きますよ!」
……トールは出撃しなかった。ワンス防衛軍からの降伏勧告にジャック艦長が応じたからであった。出撃したユキノもタークも捕えられていた。文字通りのお手上げ状態であった。
「やれやれ、草原を逃げ回って結局このざまだ。カシアス団もこれで終わりだ。俺たちは軍隊に組み込まれるだろう。まあ、殺されなかっただけマシとしようか」
ジャック・リンゼイは大きなため息をついた。
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