長いタイトル、くそ喰らえ。

mimikan

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ケンタウロスの善行5

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ゴウキは、ギルの口に避妊薬を流し込み終えると、固定していた腕を無造作に放した。

ドサッ

ギルは重力に従い、扉の前で音を立てて崩れ落ちた。

彼は激しく咳き込み、肺から無理やり空気を絞り出しながら、床に吐き出そうと必死に喉に指を突っ込む。

「ギルに何をするんだ!」

我に返ったクロエがゴウキに対して怒鳴りつけた。

彼女にとって、ギルは生活を支えるための「世話役」なのだ。

「待て、クロエ」

クロエがゴウキに詰め寄ろうとした瞬間、ミナトがクロエの肩を鋭く掴み、制止した。

その手は冷徹なほどに強く、クロエはそれ以上動けなくなった。

ギルは必死に嘔吐しようと試みたが、液体の薬はすでに体内に吸収され始めている。

彼は苦悶の表情で、胸ポケットから小さな金属製のケースを取り出した。

ギルがケースから錠剤の薬を取り出し、震える手で飲もうとする。

ギルを見下ろしていたゴウキは、その腕を鋼のような力で掴み、薬のケースを奪い取った。

ゴウキは奪ったケースを、室内の奥にある空中に、正確な軌道で投げつけると同時に、低い声で命令した。

「アイ、解析を頼む」

ゴウキの呼びかけに応じ、青白い光が瞬いた。

アイが、空中に静かに出現する。その手に、投げられたケースが無音で収まった。

アイはケースを一瞥し、冷静に答える。

「了解いたしました、ゴウキさん」

ミナトは、その光景を冷徹な視線で見つめ、小さく、しかし確信に満ちた声で呟いた。

「黒だな」

ミナトのその一言が、ギルをさらに激昂させた。

「クソッ、返しやがれ! ハメやがったな! 傭兵なんて使いやがって!」

ギルは床に手をつき、荒い息を吐きながら悪態をついた。

「いつ、気がついた! いや、お前らまさか、最近揉めてる、ブールーブルか!」

シズクは、目の前の状況と、ギルから飛び出した物騒な犯罪組織の名前に混乱する。
「なんの話をしているの?」

ギルは、シズクの問いかけを無視した。彼の目はミナトとゴウキしか見ていない。

「ここまでして、白を切るつもりかよ。どう考えてもプロじゃねえか。」

ギルは心の中で呟く。
あぁ、クソッ、急性中毒でクラクラするぜ。薬を飲まねぇと。短期決戦だ。

避妊薬の液体が、彼の体内で何らかの作用を起こし始めているようだ。

ギルは、もはや隠す気はない。顔は憎悪と焦燥で歪んでいる。

「稼ぐ駒(シズク)が1人減るが、裏切り者と敵組織の連中を皆殺しでボスに納得してもらうしかねぇな」

ギルはそう言いながら、腰に下げていた得物に、ゆっくりと手をかけた。

彼の武器は、下層でよく使われるナタのようなものではなく、刃渡り三十センチほどの、黒ずんだ大きなサバイバルナイフだった。

ブレードは分厚く、光沢がないため血を吸っても目立たないように加工されている。グリップには滑り止めのためか、ボロボロの布が巻かれており、その隙間からは乾いた血の跡が覗いている。

それは、人を殺めることに特化した、プロの道具の様相を呈していた。
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