長いタイトル、くそ喰らえ。

mimikan

文字の大きさ
71 / 76

責任の行方5

しおりを挟む
ゴウキとミナトが後処理を行なっている間にアイが話を進める。

「ひとまず、必要な物を持ってください。すぐにここから離れます」

シズクとクロエは、部屋から使える服や僅かな金品を、慌ただしくかき集める。

ゴウキとミナトは、集められた「必要な物」の予想以上の大荷物を抱えることになった。

ミナトが呻き声を上げる。

「……女の人の荷物は多い、といつも思うな」

ミナトは、重さに耐えかねて、顔を歪ませた。

「チッ、ヨウタの空間収納スキルがあればな……」

ミナトは、戦闘の疲労と二日酔い、そして重い荷物に耐えながら、心底からヨウタのスキルを羨んだ。

ゴウキは、大荷物を豪快に抱えながらも、重い足取りで部屋を出た。

一同は人目を避けながら、宿屋へと重い大荷物を抱えて戻った。

宿屋に戻ると、ゴウキとミナトは、シズクとクロエのために二人の部屋をを借り、荷物を渡した。

そして、ようやく自室へと戻り、扉を閉めた。

部屋に戻るなり、ミナトはゴウキに不安そうな顔を向けた。

「おい、ゴウキ。あんなこと言って大丈夫か?」

「んー……」

ゴウキは、唸るように短い返事を返した。

彼自身も、その決断の重さを理解している。

ミナトは、額の汗を拭いながら、一番の懸念を口にした。

「二人の命を守るのはもちろん大切だが……現地の人間を連れて帰ると、ミサキが黙っていない。犬を拾った、なんて冗談言ったって、副団長(ミサキ)は一切笑わないぞ」

ミナトの言葉は正論だった。

ミサキは真面目であり、無駄な行動や私情を最も嫌う。
そして、外部の人間がその世界の住人に関わることで運命を変えてしまうのでは。と考えている節がある。

ゴウキは、大柄な体をベッドに沈ませながら、真剣な眼差しでミナトを見つめ返した。

彼の声には、リーダーとしての明確な責任感が込められていた。

「基本的にその世界の住人に過度に干渉するのは俺達は避けているが、彼女達が犯罪組織から狙われているのは確かだ。俺たちが犯罪組織を壊滅させて、まず彼女たちの安全を確保する」

「その後は、二人が自立するために生きるのに必要な力をつけさせる。そこまでは、俺たちが彼女たちの生活に首を突っ込んだ以上、責任があるだろう」

ゴウキの決断は、論理と情が混ざり合った、彼らしい答えだった。ミナトは、その強い決意に、これ以上何も言えなかった。

ゴウキのリーダーとしての明確な責任感を聞き、ミナトは静かに息を吐いた。

副団長ミサキの怒りを想像して溜め息は出るものの、ゴウキの言う通り、一度手を出した以上、最後まで責任を果たすのが彼らの流儀だ。

​「……仕方ないな」

​ミナトは、諦念と共に、新たな目標を設定した。

​「恐らく、この世界の滞在は3ヶ月短くて2ヶ月。その期間でアイは『小さなコイン』を見つけ、俺たちは次の世界へ『シフト』するだろう」

​ミナトは、床に散らばった荷物を見つめる。

​「3ヶ月で、彼女たちをあらゆる意味で強くする。それが、俺たちが負う責任だ」

​ミナトは、ゴウキにその思いを伝えると、即座に次の行動を問いかけた。

「まずは何から始める?」

​ゴウキは、本来であれば「何よりも基礎体力だ!」と言いたいところだが、シズクの顔色の悪さを思い出し、言葉を飲み込んだ。彼女はまだ体内に毒が残っていた状態だ。

​「今回は、魔力から行く」

​ゴウキは、合理的な判断を下した。

​「シズクさんの体調がいまいちだからな。まずは体力を消耗しない、魔力を使ったスキルと知識の基礎からだ。スケジュールは、合理性の悪魔であるアイに組んでもらう」

​ゴウキは、魔力の回復と育成計画を立てるため、アイを呼ぶ準備を始めた。

が、その後ろで既にアイが目を光らせていた。

「また、私の悪口をいいましたね。私は悪魔ではありません。
ミサキさんに「ゴウキとミナトが女の人を誑かして宿屋に連れ込んだ。」
と報告しておきます。」

と発言した次の瞬間には2人とも

口々に「天使アイ様。頭脳明晰。容姿端麗。驚きの白さ。完璧な白。黄ばみ知らず。」などを口にしながら、地面にひれ伏していた。

「…後半は漂白剤のキャッチコピーの様ですが。適当な事言っていませんか?」

2人はブンブン顔を振る。

「まぁ、いいでしょう。この優秀なAIに任せなさい。」

と頼られる事が嬉しいのが隠しきれないアイであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

処理中です...