みずいろのなつ

澪花

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日常

ナツとパパ

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「ぱぱー!!遊びに行きたい!!」

「急だな!?んで、ナツはどこに行きたいんだ?」

初夏、段々と暑くなってくるこの季節。
うちの愛娘は相も変わらず突拍子です。


◆◇◆◇◆◇◆


「水族館?」

「うん!テレビでイルカショーが映ってて、見たいなって!」

「なるほどね。」

この近くにある水族館はどこだったっけか、とスマホで調べる。思ったより近場だったので、鑑賞時間はたっぷり取れそうだ。

「車とバス、どっちがいい?」

「んんん、バス!」

「りょーかい」

最近はバスに乗るのがお気に入りのようだ。
ボタンを押すとき、少しそわそわしてるし。
無邪気に笑ってる姿を見ると安心するな。
それはそれとして…

「ちゃんとハンカチとか持っていけよ~」

「はーい!」


◆◇◆◇◆◇◆


「チンアナゴ!ニョロニョロしててかわいいねぇ」
「あ、エイだよ!私、裏側かわいいくて好き~最初は目だと思ってたけどあれは鼻なんだよね。…干物のエイはちょっと怖いけど…」
「うわあああ、すごい!イワシぐるぐるしてるのキレ~!う~ん、サメに食べられないのかな?」
「…お魚食べたくなる」

「ナツさん!?そんな水槽をガン見しながらなんてむごいことを……」

小声で大はしゃぎしてたナツがとんでもないことを言い出したので今までの微笑ましい気持ちがぶっ飛ぶ。

「焼き魚がいいです!」

にぱっと笑うナツは非常に可愛らしいが、水族館での発言となると若干の狂気を感じるのは何故だろうか。
まあ、魚だらけだもんな。食べたくなるよな……なるか??

「はいはい、焼き魚な。あ、そろそろイルカショーが始まる時間じゃないか?」

「!!早く行こう!」

グイグイと手を引いて早歩きしだすナツ。
ここで走らないのが偉いよな。


◆◇◆◇◆◇◆

びしょびしょになりすぎるのも嫌というナツの意見で最前列から少し後ろの席に座り、程よく濡れたイルカショー。
イルカの息のあった跳躍やトレーナーさんを乗せて泳いでいる技を見て大満足だったようだ。

「パパ、お土産買っていい?」

「いいぞ。何買うんだ?」

「んんん~」

ナツが手に取ったのはチンアナゴのマグネットとイルカのキーホルダーだった。

「チンアナゴよっぽど気に入ったんだな。ん?キーホルダー3つ買うのか?」

「チンアナゴかわいいもん!キーホルダーはわたしとパパとママでお揃いにしたいなって。…だめ?」

「なるほど、良いなそれ。」

「ママ喜んでくれるかなー?」

「ああ。ナツが選んだんだから喜ぶぞ。」

わーい!と喜ぶナツと一緒にレジに向かう。
今日も一日いい日になりました!





~後日~

「ままー!これ、ストラップ!」

「わっ、可愛いね。どうしたの?」

「この前水族館に行ったんだ。お土産買うときに『玲奈にも』って。」

「3人でお揃いなの!わたしは家の鍵につけてて、パパはスマホ~」

「お揃いかぁ。嬉しい、ありがとね。どこにつけようかな。」

「うん!今度はママも一緒に行こうね!」

「ああ、3人で行こうな。」

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