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END②
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「わた、しは…」
先程見た光景が真実なのだとしたら、この人はどれほど辛かっただろう。
親友に裏切られ、人が少ない集落ゆえに仲の良かった村人たちには殴られて。
しかもその親友と言うのが私の祖父だったとは。
「私はどちらにつくのはすぐには決められません。だって…おじいちゃんは昔から優しかったから。」
「ふーん、まあ確かに重治は君には優しかったのかもね。けど僕に残忍なことをした、それは紛れもない事実だよ。」
「そばにいます。」
「…え?」
「私が唐傘様のそばにいます。唐傘様の意見に味方するというのはすぐにできません。ただ…辛いときに一人でいる苦しさを知ってるから。」
そう言った私に唐傘様は明らかに動揺していた。
端正な顔は歪められ、絞り出すような声で言葉を続ける。
「なに、それ。僕のそばにいるってことはもう人間として暮らせないということと同義だ。それでも僕とーー雨神と一緒にいるって言うの??」
「はい、唐笠様がそう望むのならば」
いつまで一緒にいれるか分からない。
私が側にいることで村人への憎しみが
無くなるかどうかも分からない。
でも、私は知ってしまった。
彼がどうして唐笠様になったのか、その全てを。
だからこそ私は唐笠様の…
いや、東雲さんの力になりたい。
「そうか、なら連れていっても良いんだね?」
「連れていかれたらどうなるんですか?」
「本来なら殺す。でも君の場合はそうじゃない」
「…………え?」
「次目を開ける頃には君も僕と同じだよ、琴音」
段々と瞼が落ちていく感覚に襲われ、
私の意識は現実に戻ろうとしていた。
言っただろう?
数分後には、僕と同じになれると
雨が降っている日は、外に出てはいけないよ
雨の日に、唐笠様に会ってはいけないよ
もし、ニ柱の唐笠様に会ったなら…
君は、雨乞いの人柱にされてしまうから
赤と青の唐笠をくるくると回しながら、
男女の唐笠様はにたりと笑う
さあ、そこの君
迷っているなら連れていってあげよう
大丈夫、何も怖くないよ
あるべき場所に還るだけさ
みんなみーんな同じ所さ
村の連中皆、同じ所に連れていくよ
ーーほら、これでもう寂しくない
BadEND『ニ柱の唐笠様』
先程見た光景が真実なのだとしたら、この人はどれほど辛かっただろう。
親友に裏切られ、人が少ない集落ゆえに仲の良かった村人たちには殴られて。
しかもその親友と言うのが私の祖父だったとは。
「私はどちらにつくのはすぐには決められません。だって…おじいちゃんは昔から優しかったから。」
「ふーん、まあ確かに重治は君には優しかったのかもね。けど僕に残忍なことをした、それは紛れもない事実だよ。」
「そばにいます。」
「…え?」
「私が唐傘様のそばにいます。唐傘様の意見に味方するというのはすぐにできません。ただ…辛いときに一人でいる苦しさを知ってるから。」
そう言った私に唐傘様は明らかに動揺していた。
端正な顔は歪められ、絞り出すような声で言葉を続ける。
「なに、それ。僕のそばにいるってことはもう人間として暮らせないということと同義だ。それでも僕とーー雨神と一緒にいるって言うの??」
「はい、唐笠様がそう望むのならば」
いつまで一緒にいれるか分からない。
私が側にいることで村人への憎しみが
無くなるかどうかも分からない。
でも、私は知ってしまった。
彼がどうして唐笠様になったのか、その全てを。
だからこそ私は唐笠様の…
いや、東雲さんの力になりたい。
「そうか、なら連れていっても良いんだね?」
「連れていかれたらどうなるんですか?」
「本来なら殺す。でも君の場合はそうじゃない」
「…………え?」
「次目を開ける頃には君も僕と同じだよ、琴音」
段々と瞼が落ちていく感覚に襲われ、
私の意識は現実に戻ろうとしていた。
言っただろう?
数分後には、僕と同じになれると
雨が降っている日は、外に出てはいけないよ
雨の日に、唐笠様に会ってはいけないよ
もし、ニ柱の唐笠様に会ったなら…
君は、雨乞いの人柱にされてしまうから
赤と青の唐笠をくるくると回しながら、
男女の唐笠様はにたりと笑う
さあ、そこの君
迷っているなら連れていってあげよう
大丈夫、何も怖くないよ
あるべき場所に還るだけさ
みんなみーんな同じ所さ
村の連中皆、同じ所に連れていくよ
ーーほら、これでもう寂しくない
BadEND『ニ柱の唐笠様』
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