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1st Lap 期待と不安の一年生
新たなる力
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雷人はいつもの様に学校で授業を……受けずに寝ていた。
というのも彼はここ数日間立て続けにアンノイドと戦っていた事もあり、満足に疲れが取れていなかったのだ。
「ちょっと、瞬木君……疲れているのは分かりますけど寝るのは休み時間にしてください!」
偶然隣の席に座っていた朱音は彼を起こす為に耳元で小さく声を掛けたが、かなり熟睡していたのか全く起きる気配が無かった。
そのため彼女はやむを得ず彼の体をトントンと軽めに叩いたり、腕を突いた。
「……ん、どうしたの火室さん。もしかしてアンノイド?」
「違います!今はほら……授業中ですよ?疲れが取りにくいのは分かりますがせめて辛抱してください」
「分かった……何とか頑張ってみるよ」
―ストライカー結城本部 兵器開発ルーム
格納庫のすぐ横にある兵器開発ルームではモニター越しに千尋と電子生命体のディオメデスが会話していた。
『おい千尋や、例の装備はどうなっとるんだ?』
「えぇっと……それが……まだ開発途中でして……」
『なぬぅ!?一つも出来とらんのか?』
「わぁぁっ、ごめんなさい!納期までに間に合わせたかったんですけどどうしても無理で……」
『参ったのぅ……せめてロールアウトしていれば、ぶっつけ本番にでも投入は可能なんじゃがな』
「い、急いで仕上げますぅ~!」
千尋は半泣きになりながらもモニターを切り替え、急いで生成機を動かした。
―デオーン艦内 格納庫
上空で浮遊し続けるステルス艦デオーンの格納庫にてメチルとデストが会話していた。
『ギルティシャークもギルティシャーク改も歯が立たないとなれば……新手のアンノイドを用意するまで!見たまえよ、デスト……これが僕の新作〈ミラータートル〉だ!』
『なるほどな……機動力を捨てて防御に走ったのか』
『それもそうだが、アーキレスの使う技は粒子依存系のものと見た。つまりだ……鏡面加工さえしてしまえば自身の技で首を絞めさせるなど造作もないってことさ!』
『おぉっ、そりゃあ期待できそうだなぁ!』
二人が盛り上がっているそのすぐ後ろではヘクトールが自身の左の前腕の傷口を擦りながら何やら考え込んでいた。
―その頃 学校では
昼放課になり、いつもの様に屋上へ向かおうとした雷人を朱音が呼び止め、二人は食堂へと向かっていった。
「あのさ……なんで今日急に俺を誘って昼食を取ろうとしてるの、火室さん?」
「私達はこれでも同じ組織の仲間じゃないですか。なら、親睦を深めるにはこれが最適だと緑里さんが言ってまして……」
(わざわざ顔を赤くしてまでしなくてもいいよ。だいたい風ちゃんの感覚に合わせてたら火室さんみたいな人は毎回恥ずかしい思いをしなきゃいけないから……なんて言えるわけ無い。後で風ちゃんには軽く説教でもするか)
「無理してない?」
「しっ、してませんよ……うぅ~……」
朱音は自分で誘っておいて自分で勝手に悶絶していた。
そうこうしているうちに食堂についたので二人は席に座って弁当を食べ始めた。
『キミ、朱姉困らせてませんか?』
「うわぁっ、びっくりしたぁ……って誰?」
朱音の髪留めが赤く発光してそのまま女の子の声で急に話しかけてきた事もあり、雷人は驚いて噎せてしまった。
『ワタシはアダランテ、アーキレスの妹です。先日は兄が世話になりました』
『こら、アダランテ!雷人に失礼だろ!それに俺らは人気のつかない所でのみ干渉してもいいって話だろ?いつ何処でディオメデスさんが見てるか分かんないから大人しくしてろ』
『お断りします!だってこの人、朱姉の事を困らせています。そんな人は放ってはおけません!』
『いいから引っ込んでくれ!超絶誤解を招くような事と超絶面倒臭い事はこっちだってゴメンだからな!』
〈緊急連絡、緊急連絡!生徒諸君は直ちに生徒会の指示に従い、体育館下のシェルターへ退避してください。繰り返します……〉
『懲りない奴らだな……飯は後だ、雷人!』
「まぁ、そうだよね……よし、行こう!」
雷人は弁当をその場に置いてアーキレスが受信した座標まで走っていった。
「あ、ちょっと待ちなさい!……もう!」
―西区インター付近の市街地
『サメ、サメときて次はカメ……しかも何かテカテカしてるし……って呆れてる場合じゃないか!』
『ギラギラしてんのは超絶気に食わねぇが、街が破壊されるなんてもっとゴメンだ!』
セプトとして現れたアーキレスの目の前に映ったのは白銀に煌めくカメの化け物だった。
その背中には明らかに人工物のキャノンが取り付けられており、爪も何処か機械染みていた。
『グウウウ……キンファァアン!』
カメの化け物は重低音の不協和音の様な不気味で無機質な鳴き声を上げながらあちこちにミサイルの様に爪を撃ち始めた。
『ぉおい、コイツ闇雲にミサイルぶっ放してるけど……』
『超絶厄介極まりないぜ……なるべく早めにお引き取り願いたいところだな!』
『じゃあ、最短ルート一直線で!』
雷人はコントロールスティックを前に倒しきり、ペダルも強く踏んだ。
『エーブレイザー……ゼロストライク!』
アーキレスは両腕にエーブレイザーを最大稼働で展開し、力任せに殴り付けた。
物凄い量の火花が上がり、相手も二、三歩ほど後ろに下がってよろめいたが大した決定打とまではいかなかった。
『ねぇ、何か変だよ……こないだのサメと似た外殻を持ってるのにゼロ距離で殴りつけてもこの様って……』
『ギラギラしてんのは……ただの飾りってわけじゃなさそうだな』
次の瞬間に二人を襲ったのは……エーブレイザーだった。
『がっ……ぐっ……うぅっ……んだよこれ、超絶痛ぇんだけど!』
『銀色だった理由って……まさか!?』
『何だよお前まで……』
『無下に攻撃したらだめだ!』
『何ぃ!?』
二人が会話してる隙を付いてカメの化け物は背中の大砲から圧縮弾のようなものを飛ばしてきた。
もちろん反応が遅れ、それは直撃した。
『攻撃するなって言われたって……そんな事したら街がどうなるか分かるだろ!』
『アイツは体が鏡みたいになってるんだ。だから……こっちの攻撃はほぼ通らないと思ったほうが良いよ』
『はぁ!?そんなのアリかよ!?』
『ファァァン……』
カメの化け物は背中の大砲ではなく、口から青白い熱線を飛ばした。
『ぐぁぁぁぁっ!』
『わぁぁぁっ!』
アーキレスは短期間に集中砲火を浴びた事でアラートモードと呼ばれる状態に移行し、機能が低下してしまった。
『そんな……こんな事って……』
『超絶大ピンチ……だな』
満身創痍のアーキレスにトドメを刺すと言わんばかりにカメの化け物が迫って来たその時、アーキレスのほぼ真後ろから細長いレーザービームが放たれ、化け物に命中した。
『全く……兄さんは私がいないとすぐ他の人を巻き込んで、大変な事になっても気付かないんですから』
アーキレスが振り返った視線の先には細身の女性体型のセプトが立っていた。
というのも彼はここ数日間立て続けにアンノイドと戦っていた事もあり、満足に疲れが取れていなかったのだ。
「ちょっと、瞬木君……疲れているのは分かりますけど寝るのは休み時間にしてください!」
偶然隣の席に座っていた朱音は彼を起こす為に耳元で小さく声を掛けたが、かなり熟睡していたのか全く起きる気配が無かった。
そのため彼女はやむを得ず彼の体をトントンと軽めに叩いたり、腕を突いた。
「……ん、どうしたの火室さん。もしかしてアンノイド?」
「違います!今はほら……授業中ですよ?疲れが取りにくいのは分かりますがせめて辛抱してください」
「分かった……何とか頑張ってみるよ」
―ストライカー結城本部 兵器開発ルーム
格納庫のすぐ横にある兵器開発ルームではモニター越しに千尋と電子生命体のディオメデスが会話していた。
『おい千尋や、例の装備はどうなっとるんだ?』
「えぇっと……それが……まだ開発途中でして……」
『なぬぅ!?一つも出来とらんのか?』
「わぁぁっ、ごめんなさい!納期までに間に合わせたかったんですけどどうしても無理で……」
『参ったのぅ……せめてロールアウトしていれば、ぶっつけ本番にでも投入は可能なんじゃがな』
「い、急いで仕上げますぅ~!」
千尋は半泣きになりながらもモニターを切り替え、急いで生成機を動かした。
―デオーン艦内 格納庫
上空で浮遊し続けるステルス艦デオーンの格納庫にてメチルとデストが会話していた。
『ギルティシャークもギルティシャーク改も歯が立たないとなれば……新手のアンノイドを用意するまで!見たまえよ、デスト……これが僕の新作〈ミラータートル〉だ!』
『なるほどな……機動力を捨てて防御に走ったのか』
『それもそうだが、アーキレスの使う技は粒子依存系のものと見た。つまりだ……鏡面加工さえしてしまえば自身の技で首を絞めさせるなど造作もないってことさ!』
『おぉっ、そりゃあ期待できそうだなぁ!』
二人が盛り上がっているそのすぐ後ろではヘクトールが自身の左の前腕の傷口を擦りながら何やら考え込んでいた。
―その頃 学校では
昼放課になり、いつもの様に屋上へ向かおうとした雷人を朱音が呼び止め、二人は食堂へと向かっていった。
「あのさ……なんで今日急に俺を誘って昼食を取ろうとしてるの、火室さん?」
「私達はこれでも同じ組織の仲間じゃないですか。なら、親睦を深めるにはこれが最適だと緑里さんが言ってまして……」
(わざわざ顔を赤くしてまでしなくてもいいよ。だいたい風ちゃんの感覚に合わせてたら火室さんみたいな人は毎回恥ずかしい思いをしなきゃいけないから……なんて言えるわけ無い。後で風ちゃんには軽く説教でもするか)
「無理してない?」
「しっ、してませんよ……うぅ~……」
朱音は自分で誘っておいて自分で勝手に悶絶していた。
そうこうしているうちに食堂についたので二人は席に座って弁当を食べ始めた。
『キミ、朱姉困らせてませんか?』
「うわぁっ、びっくりしたぁ……って誰?」
朱音の髪留めが赤く発光してそのまま女の子の声で急に話しかけてきた事もあり、雷人は驚いて噎せてしまった。
『ワタシはアダランテ、アーキレスの妹です。先日は兄が世話になりました』
『こら、アダランテ!雷人に失礼だろ!それに俺らは人気のつかない所でのみ干渉してもいいって話だろ?いつ何処でディオメデスさんが見てるか分かんないから大人しくしてろ』
『お断りします!だってこの人、朱姉の事を困らせています。そんな人は放ってはおけません!』
『いいから引っ込んでくれ!超絶誤解を招くような事と超絶面倒臭い事はこっちだってゴメンだからな!』
〈緊急連絡、緊急連絡!生徒諸君は直ちに生徒会の指示に従い、体育館下のシェルターへ退避してください。繰り返します……〉
『懲りない奴らだな……飯は後だ、雷人!』
「まぁ、そうだよね……よし、行こう!」
雷人は弁当をその場に置いてアーキレスが受信した座標まで走っていった。
「あ、ちょっと待ちなさい!……もう!」
―西区インター付近の市街地
『サメ、サメときて次はカメ……しかも何かテカテカしてるし……って呆れてる場合じゃないか!』
『ギラギラしてんのは超絶気に食わねぇが、街が破壊されるなんてもっとゴメンだ!』
セプトとして現れたアーキレスの目の前に映ったのは白銀に煌めくカメの化け物だった。
その背中には明らかに人工物のキャノンが取り付けられており、爪も何処か機械染みていた。
『グウウウ……キンファァアン!』
カメの化け物は重低音の不協和音の様な不気味で無機質な鳴き声を上げながらあちこちにミサイルの様に爪を撃ち始めた。
『ぉおい、コイツ闇雲にミサイルぶっ放してるけど……』
『超絶厄介極まりないぜ……なるべく早めにお引き取り願いたいところだな!』
『じゃあ、最短ルート一直線で!』
雷人はコントロールスティックを前に倒しきり、ペダルも強く踏んだ。
『エーブレイザー……ゼロストライク!』
アーキレスは両腕にエーブレイザーを最大稼働で展開し、力任せに殴り付けた。
物凄い量の火花が上がり、相手も二、三歩ほど後ろに下がってよろめいたが大した決定打とまではいかなかった。
『ねぇ、何か変だよ……こないだのサメと似た外殻を持ってるのにゼロ距離で殴りつけてもこの様って……』
『ギラギラしてんのは……ただの飾りってわけじゃなさそうだな』
次の瞬間に二人を襲ったのは……エーブレイザーだった。
『がっ……ぐっ……うぅっ……んだよこれ、超絶痛ぇんだけど!』
『銀色だった理由って……まさか!?』
『何だよお前まで……』
『無下に攻撃したらだめだ!』
『何ぃ!?』
二人が会話してる隙を付いてカメの化け物は背中の大砲から圧縮弾のようなものを飛ばしてきた。
もちろん反応が遅れ、それは直撃した。
『攻撃するなって言われたって……そんな事したら街がどうなるか分かるだろ!』
『アイツは体が鏡みたいになってるんだ。だから……こっちの攻撃はほぼ通らないと思ったほうが良いよ』
『はぁ!?そんなのアリかよ!?』
『ファァァン……』
カメの化け物は背中の大砲ではなく、口から青白い熱線を飛ばした。
『ぐぁぁぁぁっ!』
『わぁぁぁっ!』
アーキレスは短期間に集中砲火を浴びた事でアラートモードと呼ばれる状態に移行し、機能が低下してしまった。
『そんな……こんな事って……』
『超絶大ピンチ……だな』
満身創痍のアーキレスにトドメを刺すと言わんばかりにカメの化け物が迫って来たその時、アーキレスのほぼ真後ろから細長いレーザービームが放たれ、化け物に命中した。
『全く……兄さんは私がいないとすぐ他の人を巻き込んで、大変な事になっても気付かないんですから』
アーキレスが振り返った視線の先には細身の女性体型のセプトが立っていた。
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