53 / 64
第3部 ルリタテハ王国の空人の本気
第1章ー6 ”ルリタテハの踊る巨大爆薬庫”本領発揮
しおりを挟む
「ゴウ、テロリストの指揮官と妨害電波の発生場所を特定できるか?」
『史帆、分かるか?』
『妨害電波はフェアリーポートの周囲。ただターミナルⅡからの妨害電波が一番強い。それとモノノフとの間で暗号通信してる』
『史帆、ジンとの通信回路を開け』
「オレはターミナルⅡを強襲するぜ」
『うむ、ジンたちと協力してなら良いぞ』
「しないと言ったら?」
『ターミナルⅡを宝船の主砲で吹き飛ばす』
アキトの安全を優先しているはずなのだが、ゴウの嗜好全開にしか思えない。
「人質はどうすんだよ」
『・・・ふむ、運に任せよう』
ゴウが言うと、まーーーったく冗談に聞こえない。
人質の生死が、ゴウの運次第で決まるという理不尽極まりない状況らしい。
『通信確立』
強力な妨害電波の飛び交うフェアリーポート内で史帆はジンたちとの通信確立に成功した。
『流石だ、史帆。ジン、こちらゴウだ。宝船と七福神ロボでモノノフを一掃する。テロリストのいる確率の高いターミナルⅡをアキトと占拠しろ』
『我に命令するとは良い度胸だ』
『対案はあるのか?』
『拘束したテロリストから、ターミナルⅢにも仲間がいるとの情報を得た』
『うむ、なるほど・・・ターミナルⅢはモノノフの整備基地だから夜間に人はいない。今はテロリストのみ・・・いや、待てよ。モノノフを稼働させるため、人質を連れて行ってるかもしれないぞ』
『いいや、テロリストのみだ。フェアリーポートの職員は、ターミナルⅡとモノノフ駐機場で人質となっている』
「確実か、ジン」
『我に間違いはない。ルリタテハの唯一神に誓っても良い』
自分に誓うってか。オレには、ゴウの運任せと何一つ異ならないようにしか思えない。
『ルリタテハの踊る巨大爆薬庫ならば、建物の破壊を躊躇しない。よし、ターミナルⅢは宝船の主砲で破壊するぞ。構わないな、ジン』
ゴウは自分の仕業を”ルリタテハの踊る巨大爆薬庫”の所為にする気だった。
『赦す。ターミナルⅡとモノノフ駐機場は、我らに任せよ』
ジンは全く気にしていないようだった。
『了解だ、ジン。翔太、モノノフを惹きつけろ。アキトたちに近づけさせるな』
ゴウのバリトンボイスによって指示が、絶対遵守の命令に聞こえる。
その説得力のある声に、敢えて反論できるのも兄妹だからだろうか?
千沙と翔太が、まるで緊張感のない声で会話する。
『翔太ぁ~。下手な操縦したら、宝船の主砲で七福神ロボごとモノノフを吹き飛ばすからね~』
『いやいや、千沙。ボクの操縦が下手な訳ないだろう。だからさ、七福神ロボにレーザービームが命中しない。そうそう、千沙が狙って主砲を撃ったって、絶対に無理さ』
風姫もゴウの指示に反論する。
『いいえ、ジン達がターミナルⅡに到着するまでは、私がモノノフの囮になるわ。それで問題ないわね』
4機の七福神ロボでは16機のモノノフを惹きつけられはしない。翔太が簡単に撃破されるとかいうのではなく、囮としての魅力が足りないのだ。
テロリストの狙いは風姫だからだ。
「問題だらけだぜ。囮なら、カミカゼを操縦しているオレの役目だろうが」
カミカゼを1機追加しても冷やかしにしかならないだろうが、テロリストの眼前に風姫を晒すよりマシだ。
『アキトじゃ歯牙にもかけられないでしょうね。お嬢様がカミカゼの後ろに乗るのをお薦めします』
オレの気遣いを彩香が無にする提案をしてきた。
『そうね。アキト、私の下に来なさい』
「オレは風姫の召使じゃねぇーぜ」
『アキトの想い人である私の下に来てくれないかしら』
風姫が要望に願望を加えて依頼してくる。
「逆じゃねぇーのか?」
『お互い様で許してあげるわ』
二人の会話に不機嫌な声色で物騒な台詞を千沙が吐く。
『あのね~。口より手を動かしてくれないかな? 宝船の主砲が、なぜかターミナルⅡを照準しちゃうんだよね~。それにね、人って小さいくって~、主砲でモノノフ撃破すると巻き込まれるかもしれないよ~。そうなったら仕方ないよねぇ~~~。不慮の事故だもん』
これ以上の無駄口は命にかかわると、オレは理屈でなく心で理解し、風姫に一言だけ告げた。
「風姫を拾ってターミナルⅡに往くぜ」
『わかったわ』
会話で全員が作戦を理解し、風姫の承諾で作戦が決定した。
『ゴウよ。宝船で全員との通信リンクを確保しろ!』
『うむ、任せろ』
無駄口を叩かず全力で作戦遂行する・・・連中ではなかった。
『アタシがやってる・・・』
『いやいや、それはみんな知ってるさ。指揮命令系統の問題さ』
『うん、分かってる。ちょっと愚痴りたかっただけ・・・ありがと、翔太』
宝船から砲撃できないようモノノフが風姫に絡みつく。
七福神ロボが風姫からモノノフを排除する最短最速の機動をとる。無駄な動作がないにもかかわらず、かなりアクロバティックな軌道を描いた。
ハンガー裏からカミカゼで飛び出したアキトが、その隙を衝いて風姫を後ろに乗せた。
「行くぜ、風姫」
「構わないわ」
上下左右に孤の軌道で、ターミナルⅡへとカミカゼをスムーズに疾走させる。
「でも、お姫様らしい扱いを要求するわ」
風姫は後ろから身を乗り出し、アキトが握っているハンドルから両手を外そうとする。所謂お姫様抱っこでカミカゼに乗りたいらしい。
風姫たちの酔狂には、まったく付き合いきれない。
オレは安全第一で危機を乗り越えたいのだ。
風姫たちと行動を共にするのが一番の危機じゃないかと頭を過ったが、無視することにする。
「それなら護衛を増強してもらえないかなぁー」
「命は大事だわ」
「オレの命は大事じゃないってか?」
いつもの口調に情熱的な言葉をのせ、風姫がアキトの耳元で囁く。
「私と一緒なら、アキトの命は保証されるわ。どうかしら?」
刹那の間、アキトは風姫のセリフに魅了されてしまった。
「まあぁあぁああ、仕方ねぇーから信用してやるぜ」
流石に操縦は乱れなかったが、アキトの返答は動揺を隠せていなかった。
そして、適当な会話で作戦が決まってから15分後、戦闘が終結したのだった。
『史帆、分かるか?』
『妨害電波はフェアリーポートの周囲。ただターミナルⅡからの妨害電波が一番強い。それとモノノフとの間で暗号通信してる』
『史帆、ジンとの通信回路を開け』
「オレはターミナルⅡを強襲するぜ」
『うむ、ジンたちと協力してなら良いぞ』
「しないと言ったら?」
『ターミナルⅡを宝船の主砲で吹き飛ばす』
アキトの安全を優先しているはずなのだが、ゴウの嗜好全開にしか思えない。
「人質はどうすんだよ」
『・・・ふむ、運に任せよう』
ゴウが言うと、まーーーったく冗談に聞こえない。
人質の生死が、ゴウの運次第で決まるという理不尽極まりない状況らしい。
『通信確立』
強力な妨害電波の飛び交うフェアリーポート内で史帆はジンたちとの通信確立に成功した。
『流石だ、史帆。ジン、こちらゴウだ。宝船と七福神ロボでモノノフを一掃する。テロリストのいる確率の高いターミナルⅡをアキトと占拠しろ』
『我に命令するとは良い度胸だ』
『対案はあるのか?』
『拘束したテロリストから、ターミナルⅢにも仲間がいるとの情報を得た』
『うむ、なるほど・・・ターミナルⅢはモノノフの整備基地だから夜間に人はいない。今はテロリストのみ・・・いや、待てよ。モノノフを稼働させるため、人質を連れて行ってるかもしれないぞ』
『いいや、テロリストのみだ。フェアリーポートの職員は、ターミナルⅡとモノノフ駐機場で人質となっている』
「確実か、ジン」
『我に間違いはない。ルリタテハの唯一神に誓っても良い』
自分に誓うってか。オレには、ゴウの運任せと何一つ異ならないようにしか思えない。
『ルリタテハの踊る巨大爆薬庫ならば、建物の破壊を躊躇しない。よし、ターミナルⅢは宝船の主砲で破壊するぞ。構わないな、ジン』
ゴウは自分の仕業を”ルリタテハの踊る巨大爆薬庫”の所為にする気だった。
『赦す。ターミナルⅡとモノノフ駐機場は、我らに任せよ』
ジンは全く気にしていないようだった。
『了解だ、ジン。翔太、モノノフを惹きつけろ。アキトたちに近づけさせるな』
ゴウのバリトンボイスによって指示が、絶対遵守の命令に聞こえる。
その説得力のある声に、敢えて反論できるのも兄妹だからだろうか?
千沙と翔太が、まるで緊張感のない声で会話する。
『翔太ぁ~。下手な操縦したら、宝船の主砲で七福神ロボごとモノノフを吹き飛ばすからね~』
『いやいや、千沙。ボクの操縦が下手な訳ないだろう。だからさ、七福神ロボにレーザービームが命中しない。そうそう、千沙が狙って主砲を撃ったって、絶対に無理さ』
風姫もゴウの指示に反論する。
『いいえ、ジン達がターミナルⅡに到着するまでは、私がモノノフの囮になるわ。それで問題ないわね』
4機の七福神ロボでは16機のモノノフを惹きつけられはしない。翔太が簡単に撃破されるとかいうのではなく、囮としての魅力が足りないのだ。
テロリストの狙いは風姫だからだ。
「問題だらけだぜ。囮なら、カミカゼを操縦しているオレの役目だろうが」
カミカゼを1機追加しても冷やかしにしかならないだろうが、テロリストの眼前に風姫を晒すよりマシだ。
『アキトじゃ歯牙にもかけられないでしょうね。お嬢様がカミカゼの後ろに乗るのをお薦めします』
オレの気遣いを彩香が無にする提案をしてきた。
『そうね。アキト、私の下に来なさい』
「オレは風姫の召使じゃねぇーぜ」
『アキトの想い人である私の下に来てくれないかしら』
風姫が要望に願望を加えて依頼してくる。
「逆じゃねぇーのか?」
『お互い様で許してあげるわ』
二人の会話に不機嫌な声色で物騒な台詞を千沙が吐く。
『あのね~。口より手を動かしてくれないかな? 宝船の主砲が、なぜかターミナルⅡを照準しちゃうんだよね~。それにね、人って小さいくって~、主砲でモノノフ撃破すると巻き込まれるかもしれないよ~。そうなったら仕方ないよねぇ~~~。不慮の事故だもん』
これ以上の無駄口は命にかかわると、オレは理屈でなく心で理解し、風姫に一言だけ告げた。
「風姫を拾ってターミナルⅡに往くぜ」
『わかったわ』
会話で全員が作戦を理解し、風姫の承諾で作戦が決定した。
『ゴウよ。宝船で全員との通信リンクを確保しろ!』
『うむ、任せろ』
無駄口を叩かず全力で作戦遂行する・・・連中ではなかった。
『アタシがやってる・・・』
『いやいや、それはみんな知ってるさ。指揮命令系統の問題さ』
『うん、分かってる。ちょっと愚痴りたかっただけ・・・ありがと、翔太』
宝船から砲撃できないようモノノフが風姫に絡みつく。
七福神ロボが風姫からモノノフを排除する最短最速の機動をとる。無駄な動作がないにもかかわらず、かなりアクロバティックな軌道を描いた。
ハンガー裏からカミカゼで飛び出したアキトが、その隙を衝いて風姫を後ろに乗せた。
「行くぜ、風姫」
「構わないわ」
上下左右に孤の軌道で、ターミナルⅡへとカミカゼをスムーズに疾走させる。
「でも、お姫様らしい扱いを要求するわ」
風姫は後ろから身を乗り出し、アキトが握っているハンドルから両手を外そうとする。所謂お姫様抱っこでカミカゼに乗りたいらしい。
風姫たちの酔狂には、まったく付き合いきれない。
オレは安全第一で危機を乗り越えたいのだ。
風姫たちと行動を共にするのが一番の危機じゃないかと頭を過ったが、無視することにする。
「それなら護衛を増強してもらえないかなぁー」
「命は大事だわ」
「オレの命は大事じゃないってか?」
いつもの口調に情熱的な言葉をのせ、風姫がアキトの耳元で囁く。
「私と一緒なら、アキトの命は保証されるわ。どうかしら?」
刹那の間、アキトは風姫のセリフに魅了されてしまった。
「まあぁあぁああ、仕方ねぇーから信用してやるぜ」
流石に操縦は乱れなかったが、アキトの返答は動揺を隠せていなかった。
そして、適当な会話で作戦が決まってから15分後、戦闘が終結したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる