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STAY GOLD(黄金旅程)
STAY GOLD(黄金旅程) 5
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センパイと僕が通りの交差点を渡ってWINSのビルに向かって歩いていると次第に僕らは同じ方向を目指して歩いている新聞を手に持ったりポケットに差し込んだりした大人達に囲まれる様になった。
WINSビルの入口にいた緑色の制服を着た警備員は僕らを見て少し怪訝な表情を浮かべた様に見えたけど杏子センパイと僕は何食わぬ顔でビルの中に入って行った。
何と無く独特な空気を醸し出している大人の人達に混じってエスカレーターに乗って階上に登り僕らは馬券を発売しているフロアに出た。
人でごった返した広いフロアには至る所にモニターが設置され、競馬場のパドックや本馬場入りした出走馬の様子とか出馬表や出走馬の馬体重、現在のオッズ等がモニターに表示されていた。
フロア内の人々はモニターの下に群がって画面を真剣な表情で見入っていたり、少し離れた場所でマークシート式の投票用紙に記入していたりズラリと並んだ発券機に並んで馬券を購入していたり、それぞれの場所に移動したりしていた。
僕は生まれて初めて実際に目にする光景に少し呑まれていたけれど、杏子センパイは目を見開いて興味深そうに周囲を眺めていた。
その内に競馬場を映し出したモニターからファンファーレが流れ出し、何処かの競馬場の第9レースの開始が告げられるとモニターの周りに人々が群がって来た。
ゲート入りが終わって係員がゲートから離れると号令と共にゲートが開いて各馬が一斉に飛び出す。
モニターに群がった大人達の多くは固唾を飲んでレースの成り行きを見守っていたがやがて各馬が最終コーナーを回って最後の直線コースに差し掛かる頃になると次第にヒートアップし始めた。
モニターの下は「差せ!差せ!」とか「そのまま!そのまま!」とかいった怒号に近い声援やら「よし!よし!」とか言った歓声や「あー、駄目だ!」と言う嘆きで騒然となる。
その中にチューハイを手に真っ赤な顔をして一際大声を張り上げているあまりにも熱過ぎるおじさんがいて僕とセンパイは思わず顔を見合わせた。
レースが終わるとレース中継のモニターから次第に大人達は離れて行った。
いずれにしても、たぶん誰が見ても未成年だとわかる僕とセンパイはこの場所では明らかに場違いな存在だった。
余り長居をしていると警備員か或いは他の誰かに見咎められる様な気がした。
僕と杏子センパイはマークシートの投票用紙を記入ミスの無い様、注意深く記入して
それを持って発券機に行って馬券を購入すると逃げ去る様にして足早にWINSビルの外に出た。
ビルの前の道の人混みの中に混じって歩き出すと僕とセンパイは誰かに咎められる事も無く、無事馬券を買う事が出来た安心感から互いに顔を見合わせて笑顔になった。
「それにしても、さっきのおじさんスゴかったね」
杏子センパイはそう言ってクスクスと思い出し笑いした。
「そうですね」
僕も同意した。
WINSビルの入口にいた緑色の制服を着た警備員は僕らを見て少し怪訝な表情を浮かべた様に見えたけど杏子センパイと僕は何食わぬ顔でビルの中に入って行った。
何と無く独特な空気を醸し出している大人の人達に混じってエスカレーターに乗って階上に登り僕らは馬券を発売しているフロアに出た。
人でごった返した広いフロアには至る所にモニターが設置され、競馬場のパドックや本馬場入りした出走馬の様子とか出馬表や出走馬の馬体重、現在のオッズ等がモニターに表示されていた。
フロア内の人々はモニターの下に群がって画面を真剣な表情で見入っていたり、少し離れた場所でマークシート式の投票用紙に記入していたりズラリと並んだ発券機に並んで馬券を購入していたり、それぞれの場所に移動したりしていた。
僕は生まれて初めて実際に目にする光景に少し呑まれていたけれど、杏子センパイは目を見開いて興味深そうに周囲を眺めていた。
その内に競馬場を映し出したモニターからファンファーレが流れ出し、何処かの競馬場の第9レースの開始が告げられるとモニターの周りに人々が群がって来た。
ゲート入りが終わって係員がゲートから離れると号令と共にゲートが開いて各馬が一斉に飛び出す。
モニターに群がった大人達の多くは固唾を飲んでレースの成り行きを見守っていたがやがて各馬が最終コーナーを回って最後の直線コースに差し掛かる頃になると次第にヒートアップし始めた。
モニターの下は「差せ!差せ!」とか「そのまま!そのまま!」とかいった怒号に近い声援やら「よし!よし!」とか言った歓声や「あー、駄目だ!」と言う嘆きで騒然となる。
その中にチューハイを手に真っ赤な顔をして一際大声を張り上げているあまりにも熱過ぎるおじさんがいて僕とセンパイは思わず顔を見合わせた。
レースが終わるとレース中継のモニターから次第に大人達は離れて行った。
いずれにしても、たぶん誰が見ても未成年だとわかる僕とセンパイはこの場所では明らかに場違いな存在だった。
余り長居をしていると警備員か或いは他の誰かに見咎められる様な気がした。
僕と杏子センパイはマークシートの投票用紙を記入ミスの無い様、注意深く記入して
それを持って発券機に行って馬券を購入すると逃げ去る様にして足早にWINSビルの外に出た。
ビルの前の道の人混みの中に混じって歩き出すと僕とセンパイは誰かに咎められる事も無く、無事馬券を買う事が出来た安心感から互いに顔を見合わせて笑顔になった。
「それにしても、さっきのおじさんスゴかったね」
杏子センパイはそう言ってクスクスと思い出し笑いした。
「そうですね」
僕も同意した。
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